コレクター気質の発現は「今を逃せばもう手に入らなくなる」という時に最大化されるのです(スイマセン)。JVCの名機・・・いや日本のイヤホンの名機、ウッドを使った
HA-FX1100 を手に入れてしまいました。
これに出会ったのは
3年前。壊れたイヤホンの代替機を探してヨドバシアキバで片っ端から試聴する中、恐る恐る超高価なイヤホンを試して、衝撃を受けたのがこのイヤホンでした。凄みさえ感じる低音の迫力と同時に美しい響きの中高音・・・でも価格を確認して、その時は静かに気持ちを封印したのでした。
それが、しばらく前からAmazonで半額近い価格になっているのに気が付いていました。3年前の少しの試聴の記憶だけで買っていいモノか?試聴機はもうどこにもないようですし、後ろ髪引かれながらAKG N40を手に入れました。勿論、N40は私にとって素晴らしい体験を日常にもたらしてくれましたので満足です。
・・・満足のはずですが、やはり気になってメーカーサイトなど見ると、すでに生産は終わっている模様。Amazonでの販売は在庫処分という事だと知ると我慢が出来なくなりました(笑)
発売は2014年ですから、昨今のイヤホンブームでの激しい競争の中では、とんでもなく古いモデルです。でも、ウッドドームユニットを使ったダイナミックドライバ1基という構成からは、豊かで(一部には豊か過ぎるという評価もw)ドラマチックな圧倒的重低音が押し寄せます。そして、この重低音によって広げられたかのような音場に、温かく密度のある中高音が響きます。
懐の深い響き、という感じでしょうか。
このモデルはウッドシリーズのフラッグシップモデルではなくて、技術者がもっといい音になるんじゃないかと突き詰めて作った、いわば道楽の極みみたいな「エクスクルーシブ」モデルだそうで、そう聞くと、当初の6万円に近い価格にも納得がいきます。買えるかどうかは別として、ですが。
欠点も沢山あります。大きすぎるし重すぎて簡単には耳に収まってくれません(左右のユニットを入れ替えて、シュア掛けにして何とかなるかな、というレベル)。エイジングが足りない事もあってか、シンバルはシャワシャワと鳴って解像感なし(笑)金属的な音数の多い楽曲はやや苦手かな、と思います。
逆にピアノ、アコースティックな弦楽器、女性ボーカルは美しく響きます。その唯一無二の響き方がこのモデルの魅力ですね。3年前に数十秒聴いただけなのに、忘れられなくなった響きです。
AKG N40とJVCのFX-1100のツートップに、AKG N25とJVC FXT200LTDという控えの体制となりました。3年越しに自分の音に対する好みを確認した、という初夏のイヤホン買い物顛末記、無事にお開きと相成りました。
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Posted at
2018/07/12 22:51:01