第81弾
『デクスター・ゴードン/ダディー・プレイズ・ザ・ホーン』(1955年9月録音)
デクスター・ゴードン(1923.2.27 - 1990.4.25)は、よーのすけの大好きなテナーマンです。このシリーズの
第22弾で紹介したのが2006年の5月だったので、もう15年も前のことになります。このシリーズも年に3~4枚のペースでヨタヨタと続けてきましたが、今回が第81弾でおぼろげながら100枚目が見えてきました。といっても今のペースだと完結するまでさらに5~6年を要することになりそうです。
『ダディー・プレイズ・ザ・ホーン』は、1954年に創設されたばかりのベツレヘム(米国キングレコードの傍流で初期のプロデューサーにはクリード・テイラーも参画していた)というレーベルから発売された名盤の一つです。デクスター・ゴードンは麻薬のために50年代はほとんど活動していなかったのに、一時的に体調の良かった時期をとらえて録音されたのがこの作品で、ピアノには名手ケニー・ドリューが参加しており、豪快なテナーと軽妙なピアノのコントラストが見事です。
オリジナル盤は超のつく希少盤ですが、よーのすけは1970年代の初め頃にスペインで再発されたオリジナルに近いものを持っています。
よーのすけのレコードリストの記載はこうなっています。
この、FSR-2060という番号が本物であればBCP-36となっているはずなのですが、残念でした。
カードにあるようにオリジナルのジャケットは、漫画チックなイラストだったのです。ところが、ある時
パトロールをしていて、ふとこのレコードが目に留まりました。長身のデクスター・ゴードンがトレンチコートに身を包み楽器ケースを手に公園らしきところを歩いてくる写真。駐車場に何台か車が停まっている。同じレコードをすでに持っているにもかかわらず、見たことのないジャケットにクルマが写っているとついつい買ってしまう。コレクターの悲しい習性ですね。
この写真は、1961年に写真家のフランシス・ウォルフ(1907-1971)がニューヨークのセントラルパーク・サウスで撮影したものだというクレジットがありました。ついでに言うとこのレコードは2019年にEUのジャズ・イメージズというレーベルから発売されたもので、A面B面それぞれに1曲ずつボーナス・トラックが追加されています。ボーナス・トラックといっても未発表テイクではなく1961年に録音された別のアルバムからの再録なので、史料的価値はありません。けれども、55年当時の彼と61年に復活を遂げた彼の演奏がともに遜色のない出来であることが分かります。
ジャケットに写っているクルマのうち一番手前の一台は、不鮮明ながら特徴的なフィンテールと屋根の形状から、
1959年型ビュイック・エレクトラ4ドアハードトップだと思われます。
この時代のアメ車は、独特の雰囲気を持っていて憧れますが、大げさなテールフィンはちょっと恥ずかしいかも。
Posted at 2021/07/11 12:04:19 | |
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JAZZのLP | 日記