何気に昔から定番KTMよりも弱小(失礼w)ハスクの方が好きだった自分ではありますが、自分が好きだったハスクバーナは既に存在しません。
KTM傘下に入って、中身はKTMそのものになっちゃいましたからね……。
ですが、自分が一番好きだったイタリアン・ハスク時代を受け継いでいるメーカーがあるってご存知でしょうか?
それは
SWM Motorcyclesです。
一応
日本に輸入元があります。
ディーラーを見れば分かりますが、イタリアン・ハスク時代と同じMVアグスタジャパンの系列ですね。
SWMがどういう会社かと言いますと、簡単に言うならイタリアン・ハスク時代の工場&パーツの在庫等を含めて会社名以外の資産を買い取った会社です。
なので、カラーリングこそ違いますがイタリアン・ハスク時代のバイクそのものが今でも手に入ったりします。
まぁ日本では125cc以外のモデルは輸入販売してませんが……。
で、現行SWM車のラインナップに、イタリアン・ハスク時代の不人気車がラインナップされていたりします。
イタリアン・ハスク時代の不人気モデルとはこいつの事です。
TE&SM630です。
「わざわざ不人気モデルを売るとか、どうかしてるぜ……」という突っ込みはせずに、長々としたブログではありますが最後まで読んで欲しいのですが……こいつはKTMの690エンデューロ&SMRとガチでぶつかるクラスで、
KTMに完全敗北したバイクです。
だからといって690エンデューロ&SMRがメチャクチャ売れたか?というと、そんな事も無い訳ですが……。
どこぞのKTMディーラーの店長さん曰く
「究極の中途半端バイク」が690エンデューロらしいので。
まぁREADY TO RACEのKTMにあって、EXC系みたいに純エンデューロレーサー程とんがっている訳ではなく、かといってツーリングに特化している訳ではないのでタンクも小さく航続距離も短め。
乗って面白いのは確かだけど、使い道が不鮮明……そんな評価が690エンデューロみたいです。
まぁ分からなくもありませんが、自分なんかは逆にセローと対になる究極のトレールバイクだと思うんですけどね。
トレッキングに振ったセローに対して、ガンガン攻める事の出来るトレールバイクが690エンデューロ。
自分の区別はこんなジャンルになっています。
しかし、勝った筈のKTMも商売的には負け越しています。
負けている相手はズバリBMWです。
READY TO RACEのKTMとどこが被るのよ……と思われるかもしれませんが、被るんですよ。
600cc台の単気筒エンジンを積んだトレールバイクというジャンルで。
今でこそ二気筒に移行してしまいましたが、世界的に人気を博したF650GSとぶつかっちゃうんですよ、690エンデューロって。
KTMを最初から候補に挙げる人にとってはBMWなんて箸にも棒にも引っ掛からないでしょうから変な事言ってると思われるかもしれませんが、ツーリングバイクを探している人間にとっては被るんですよ、ジャンル的に。
単気筒でそこそこ大排気量でトルクがあって高速走行もそれほど苦にしない。
それでいて車体がコンパクトで燃費もイイ。
フロントスクリーンとキャリア着ければロングツーリングするには問題ありませんし(あとソフトなシートもですかね)サイドパニアの装着も出来て積載量的にツーリングバイクとして文句無し。
ほら、被ってるでしょ?
ジェントルなツーリングバイクととんがってるツーリングバイクって感じで、近いキャラではないですけどジャンルは一括りに出来てしまう……それが690エンデューロとF650GSなんです。
しかしメチャクチャ売れた単気筒F650GSに対して、二気筒化したF650GS及びF700・F800系はそんなに人気も出ず伸び悩み……。
同クラスと言いながらも、二気筒化した事によるエンジンマスのデカさから敬遠されちゃうんでしょうかね?
実際そこそこ重いですし(224kgだそうです)。
それなりに軽くて取り回しも良く、高速走行も苦にならない上に荷物が詰めて航続距離もそこそこある……デザインも含めてこの辺が単気筒F650GSの良さだった訳で、素直に単気筒F650GSを新しく作ればいいのに……と思わなくもありません。
ちなみに単気筒F650GS全盛時代に同ジャンルでぶつけてきたヤマハのXT660テネレは完敗しました……見た目だけそれっぽくしたなんちゃってF650GSと取られてしまったのかもしれませんね。
スタイルは嫌いじゃないんですけど、エンジンがねぇ……。
で、ここからがやっとタイトルの本題に入る(戻る?)訳ですが、単気筒F650GSと690エンデューロのイイとこ取りをしたモデルがあるんですよ、SWMには。
それがこちらです。
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SWMの
SuperDualです。
中身はイタリアンハスク時代の超不人気車TE630と同じです。
しかし大型スクリーンを装備して、ビッグタンク化して、エンジンガード&アンダーガードを標準装備して、大型のハンドルガードを装備して、強度充分のガッチリとしたリアキャリアを装備して、オプションでサイドパニアラックも用意して、長距離移動に適したシート形状にして、タイヤサイズもフロント19インチ&リア17インチ化して、不人気車を見事なまでに売れ線へ化粧直ししています。
はい、モロに単気筒F650GSの後釜狙ったモデルに化けました。
これだけ見ると「F650GSの後釜狙いがあざとすぎるっ!」と言われてしまいそうなバイクでしかありませんが、魅力だけならこっちの方が上じゃないかと。
実際F650GS選ぶような人たちの琴線に触れるバイクですし。
まず一番重要な話なんですが、画像で分かる様にF650GS並みのボリュームがあるにも拘らず、標準状態の重量が
169kgしかないんです。
F650GSがエンジンガード無しの状態で193kgだったので、エンジンガードまで装備した場合を考えるとほぼ30kg程SuperDualの方が軽かったりします。
ここまでくるとF650GSと比べるよりもCRF250RALLYと比べた方が現実的かと思います。
CRF250RALLYの車両重量は155kgですが、CRF250RALLYにはエンジンガードもリアキャリアも装備されていませんので、同一装備にした場合は実質ほぼ同じ車両重量という事になり、大排気量ツーリングバイクとしては異例な程軽くて取り回しが良いという事を意味します。
単気筒250cc並みの軽さで600ccのパワー&トルク。
もうこれだけでもたまらないスペックですね(^-^)
で、肝心のエンジンですがF650GSはロータックス製の650cc単気筒の50PS&60N・m。
それに対してSuperDualは600cc単気筒の55PS&56N・mと、ほぼ同一スペック。
*一応記載しますと、CRF250RALLYは24PS/23N・m。
F650GSとDuperDualの双方インジェクションで、SuperDualはEURO4もクリアしています。
しかもSuperDualのエンジンはイタリアン・ハスク時代に結構な改修を受けていまして、610時代の旧エンジンにTE450&510系のシリンダー&シリンダーヘッドを移植され、純レーシングエンジンスペックからストリート用に若干デチューンしたという生い立ちの素敵スペックを誇っていますので、車体の軽さもあって大排気量系のツーリングバイクでありながらアクセル一つでフロントをポンポン浮かせる事が出来るというトンデモ仕様となっています。
単気筒F650GSじゃ意識してやらない限りそんな事は起こりません。
そして元々それなりに燃費が良かったエンジンをインジェクション化した事で、街中はともかく普通のツーリングで20km/L台を普通に叩き出す経済性も持っています。
ツーリングバイクでありながら、その気になればアクセル一つで刺激まで与えてくれる究極のツーリングバイク、それがSuperDualです。
これだけの素敵スペックで売れない訳ないと思いません?
でも、売ってるのは欧州だけで、日本には入ってきてないんですよねぇ……。
キャニオン君持ってるから買う事はないですけど、まさに痒いところに手が届いた究極のオールラウンドツーリングバイクですから、キャニオン君無かったら並行輸入で買ってますね。
とりあえずイギリスで買ってお店名義で一度登録してもらって新古車化してから日本に持ち込めば異常に費用が掛かる事は無いですからね……それでも登録までにR1200GS位の費用は覚悟しなきゃいけませんが……。
兎にも角にも、SuperDualは輸入販売した方がイイと思うよ、アグスタジャパンさんっ!
後釜が微妙過ぎて二の足降んじゃってる単気筒F650GSユーザーの買い替え需要ってかなり見込める筈ですよっ!
もしKTMが690エンデューロを同様なモディファイを加えて690アドベンチャーとかいうモデルを作ったら、その時点で即詰みなモデルではありますが……。
さて、なんでこんな話をしたかと言えば、話は単純です。
ハス君SM450Rのエンジンパーツの入手先がここになるからです。
ハス君SM450RとSWMのRS500R&SM500Rのエンジンは実質共通なので、SWMへの注文は不可避なんです。
SM450Rを選んだのはパーツ入手の容易さもあったんですよね。
これがX-Lightエンジン搭載のTE250とかだったら、もう完全にアウトなんで……。
なので、ちょっとは認知度上がって潰れないでくれたらなぁ……という自分の希望です(^-^)
いや、だって新型開発する余裕なんて絶対ない会社ですもん、今のラインナップで売れなくなったら後なんて無いですよ、ここ……。