北海道の廃ダム

道内の廃ダム。
発電用でした。

運用開始は昭和一桁…らしい。
という事は大正時代に設計、そして型枠作ってコンクリ打設して…。
そんな時代から北海道開発ってのは進んでいたんだなぁ…。
鉄道はソ連の脅威に対応する為、きめ細かく作ったのだが…。
旅客目的というよりは軍用が第一、資源開発が第二ではないのかと今時の結果を見るとそんな感じしかしない。
閉山→廃線はどのヤマでも同じですし…。




ゲートは当然ながら無い。
お役目は終えたから…。





コンクリートの端はボロボロ。
松尾より古いのだから。
しかも人の手を離れているのだから…。
どうするか…。




迷ったら、とりあえず進む。
もちろん足元は軸足を残したまま、踏んで確認しつつ…。

華美な装飾は無い。
実用一点張り。
カラシニコフのような無骨さ。
こういうものが好きだ。
見てくればかり気にする、今時のご時世に生きる者としては…。
余計に、そう感じる。




ダム、とは表現したが…。
おそらく堰堤が正しい表現ではないか…、と。
その堰堤の上から上流を望む。

空が青いなぁ…。
雪で真っ白だ…。

娑婆で起こる、バカバカしい毎日。
今まで、こういう子(廃)たちを見て心静かに出来ていたが…。
コロナ騒動(正しく恐れる事をせず、ネットを含むニュースの偏った報道には辟易＆テンションサゲサゲ)で、併せて仕事が儲からん…ので、廃お出かけから遠のいた結果。
自分を壊した…。

こういう(無駄かもしれない)事をする。
その無駄こそ自分の燃料であった事を強く感じる。
傍目には合理的じゃないし、無駄。
他人から見れば無駄、それは私にとって無駄じゃない。

無理やりでも…、やりくりして出かけるべきだ。
この地に立って思ったこと。
私は例えて言うなら、ハイオク仕様のエンジンにレギュラー少なめ、ヘプタン多め。
…みたいにケチってエンジンを壊したバカ。
エンジン壊す位なら、目一杯ハイオク食わせようぜ！。
結局、その方が安上がりなんだよね…。
色々と。




こんな日中でも陽が射さない…。
よくもまぁ、こんな山深き場所に作ったものです。
とは思ったものの、地盤や地形等の条件から解析した結果、最適解の場所なんですよね、此処は。




キリッとした姿。
惚れ惚れしますねぇ…。




お別れ前に1枚。

廃なモノは熟成する美であると思う。
その旬は今であり、今という瞬間を重ねた結果が今という過去。

遠き過去の名も無き職人さんの仕事。
100年を経てもなお職人さんたち亡き後も、その形を留めている事に人の儚さ。
人の手を離れてもなお、形あるものとして残る逞しさ。
それを感じつつも、お別れの時間です。
また来ます。
その時も綺麗な姿を見せてくれると嬉しい…。