最近はランタンも世界が変わって来ましてLEDの台頭が著しいです。
液体燃料不要、高熱注意不要、メンテナンス不要、マントル不要などなど、その使い易さは目を見張るものがあります。
特に登山では小型軽量とあって今や花型と言っても過言ではありまん。
自身もLEDヘッドライトをベースにしたものを使用してます。
荷物減らせるのはありがたいですのでね^^
そんなLED、実用性という意味ではとても素晴らしく申し分ないレベルなんですが、、唯一欠点は味気に掛けるところ。
色気が無いと言うか、雰囲気が無いと言うか、温かみに掛けると言うか・・・。
不規則に炎が揺れ明暗するような世界観は無いんですよね。
ならばと言う事で、登山用に向いた小型の燃料系ランタンを探してみる事にしました。
ところが出てくるのはキャンプ用のものばかり・・・。
これらは当然大きくそして重いので登山では使えません+_*
意外とないものだなぁーと思いつつも、更に捜索すると山用も発見!
それがこちらや、
こちらなどなど。
山用品のショップでもちょくちょく見かけるヤツです。
これらも定評のある山用ランタンでして、問題なくもなかったんですが、これらはいずれもロウソクランタン。
ロウソクも悪くは無いんですが、灯油と比べると照度が低いんですよね。
ま、雰囲気重視のアイテムだからそこまで気にするのはナンセンスなのかもしれませんけどね。
で、さらに捜索すると、液体燃料系もありました!
思わずこれだ!と思って、速攻ポチってしまいそうになったんですが、値段見て驚愕+_*
3万円台・・・。これは流石に無理なお値段。
しかし、あるにはあったので期待を込めてさらに捜索!
するとするとありました!
が、2万台。ドテッ^^; まだ無理っす。
諦めずにしつこく探してると7千円台と言うのが!
う~ん、ぶっちゃけこれでも完全に予算オーバーなんだけど・・・。
でももうこれ以上はなさそうだったので、思い切って買っちゃうかとポチッとしてみようかとよく見てみたら売り切れマーク。
既に廃番のようでした・・・。トホホ
これで完全に道は閉ざされてしまいました。
途方に暮れ、仕方ないので山ショップで売ってるローソクランタンで妥協するかとお店まで行ったんですが、現物を目の前にして購入を中止しました。
何か見ても惹かれないんですよ。
よくよく考えたらそもそもが余計な荷物なんですよね。
LEDヘッドライトベースの簡易ランタンでも事は足りるんですから。
別途購入し荷物増やしてでも持って行来たくなる魅力のある物でなければ意味がない!そう思ったんです。
そして、最後に下した結論は、3万円台の買うでした!?
と言うのは冗談^^;
いくらなんでも高過ぎですわ、無い袖は振れません^^;
話を戻して、最後に下した結論とは、「無いならば作ってしまえほたるいか」です!
久しぶりに「工房ほたるいか」発動~。
そうと決まれば早速製作開始。
と、行きたかったんですが、ランタン作るノウハウなんて皆無^^;
真っ白な世界からのスタートとなりましたw
基本的には燃やすだけなんで何とかなるだろうと楽観視してスタートしたんですが、よくよく考えたら難問続出*_*
実態系の炎を相手にするのですから、材料も燃えない物に限定されます。
ま、当たり前と言えば当たり前なんですが、これが加工のレベルを著しく上げてしまう事になったんです。
考えもみてください。家にある工具類だけで金属加工するんですよ。完全に前途多難ですよw
まずは燃料を入れる本体部分を作成。
作る極小ランタンはレトロ調にしてみようと思い素材は真鍮にしました。
材料は幸い昔ホームセンターで買ったのが残っていたのでそれを流用。
ネジ切りダイス借りてきて、底に丸板を半田付けして完成。
お次は本体の蓋兼燃焼部先端。
こちらもネジ切りタップ借りて上面に丸板半田付け。
ただこんな大口径なのを手力でネジ切るもんでないですわ^^; 2度としないと誓いましたw
燃焼部はホームセンターで買い足した真鍮細管を半田して完了。
燃やす芯は適当なのが見付からなかったのでタコ糸でw
ホヤはまずもって素材自体がホームセンターで見付からず、今回最大の難関パーツになりました。
単なるガラス管ならあったんですが、これではおそらく熱に耐えれず割れてしまいます。
要するに耐熱強化ガラスが必要になったんです。
そこで目を付けたのがパイレックス試験管。
これだと思って早速買おうと思ったら、50本セットだの100本セットだの・・・^^;
そんなにいるかいなw それに値段も恐ろしい事になる。
でも、幸い1本から販売してくるところが見付かり解決^^
しかし、これでは終わらしてくれません。
板硝子ならガラスカッターで切って加工出来るんですが相手はガラス管。
通常の様に筋入れて裏(内側)から叩けないんですよ。
試行錯誤した結果、ガラスカッターで筋を入れ、その横をサンダーで少しずつ少しずつ削り取る戦法に出ました。
それでも時折小さく欠けるガラス+_*
とにかく全神経集中してひたすらゆっくりゆっくり、出来るだけ振動と熱を加えないようにして切断。
何とか無事カット出来ましたが疲れ果てました。もうやりたくないww
お次は本体上部のガード。
最初自作するつもりでいたんですが、100均で使えそうなのがあったのでそれをベースに改造。
最後に上部のガードとホヤを吊るす鎖とリングを作成して完了。
想定以上に加工に手を焼きましたが無事必要な部品が揃いました。
で、早速組み上げてみました。
見た目は思っていた感じの仕上がりで良い感じ。
さて問題はこの構造でキチントと機能するかどうかです。
とりあえず点灯してみる。お、ちゃんと火が付いた~^。^ワ~イ
ただ点いたからといって喜んでばかりもいられません。
心配なのが燃料の消費時間とホヤの耐久性です。
この小型燃料タンクでいったいどれくらい燃焼出来るのか実は未知数なんです。
推定では最低でも2時間は燃えそうなんですが完成品で試さないと何とも?
そして通常のランタンと違い、極小サイズが故に炎とホヤが極めて近いんです。
要するに耐熱強化ガラスといえども熱に耐えれず割れる可能性があるんです+_*
早速耐久試験開始。
燃料の灯油はタンクの約半分まで入れてみました。
点火10分後、今のところ炎もホヤも問題なし。
30分後、同じく問題なし。
60分後、ここに来ても問題なし。
120分後、まだ燃えてます。ホヤも無事。
200分後、燃料が無くなり鎮火。ホヤは耐えました。
パイレックスホヤはこれで大丈夫そう。^^ほっとしました。
燃焼時間も満タンまでは入れれないにしても、9割入れれば計算上ではおよそ6時間燃焼可能と言う事になります。
これだけ燃えてくれりゃ申し分ありません。想定を遥かにオーバーしちゃいましたw
これで機能的には問題なく使えそうで一安心。
一応設計段階で収納も考えておりまして、ガード以外のパーツは全部本体に収納出来ます。
最後になりましたが大きさの方は下のような感じ。比較対象にライター置いてみました。
今のところ山に行く予定が無いのが残念ですが使えるが日が来るのが楽しみです。