おまたせしました!
今まで散々乗ってもいないのにあーだこーだ書いてきた86とBRZについに乗ってきました!
今回はガッツリとインプしてしていきたいと思います。
まず、BRZと86の違いについてですが・・・
・フロントマスクが違う
・足回りが違う
という2点が大きな違いのようです。
BRZ
86
フロントマスクのみでいうと自分は86の方が好きですが、86はウィンカーの位置が低いため、車高が2.5cm程しか落とせないようです。
詳しくは、「指示部の上縁の高さが2.1m(側面は2.3m)以下、下縁の高さが0.35m以上」という基準になっているようですが、BRZはヘッドライトの内側にウィンカーが付いているので問題なし。
とは言うものの、3cm以上車高を落としたら恐らく最低地上高9cmを確保できずに違法車両となってしまうことでしょう。
あんまり気にしなくても良さそうですね。
BRZは豪華仕様のSに、オプションのリアスポイラーとリアアンダーパネルが付いたものになります。
86は豪華仕様のGTに、TRDから出してるF/Rスタビライザー・ブレースバー・スポーツブレーキパッド・ドアスタビライザーが付いたものになります。
若干空力を考慮したBRZと剛性面をパワーアップさせた86・・・・まぁ、どちらも街乗りでは誤差の内ですねw
でも、BRZのリアスポイラーはカッコいいです。
では、いざ乗ってみた感想を言っていきましょう。
注:足回り・フィーリングの項目以外はBRZ・86ともに共通です。
【シートおよびシートポジション】
シートポジションは
最近の車とは思えないほど低くてとても良いです。
車高が落ちたロードスターからの乗り換えでしたが、全く違和感を感じないシートポジションでした。
最近の車で違和感を感じないという事はそれだけでいかに低さにこだわったかわかります。
シートポジションは座高・背もたれ角度・チルトステアリング機能をすべて利用するとどんな体型の方でもベストポジションが作れると思います。
こちらを見て頂ければわかるように、シートは見た目にはホールド性があるように見えますが、実際は大柄の人でも座れるように設計されているようで、
普通の体型の人でも若干ゆるゆるになりそうな感じがします。
ノーマルシートをそのままスポーツ走行には利用できませんが、グランドツーリング目的としてのシートとしては悪くないと思います。
特にアルカンターラ仕様のシートは肌触りも良くて素晴らしかったです。
このシートを生かせるグレードはBRZではS、86でいうGT-Limitedといった最上位グレードになるかと思います。
【ハンドルおよびシフトノブ】
ハンドルのサイズは365mmで、非常に大きいです。
運転してみるとわかりますが、大きすぎて操作がしにくいので、個人的には350mm以下のハンドルに付け替えたいところです。
ただ、純正のハンドルも太くて握りやすかったので、このままサイズを350にしてくれれば良いのに・・・とは思います。
また、ロックtoロックがとても少なく、1回転半でロックしてしまうようです。
試乗程度の運転でもすぐに気が付きました。
ただ、だからといって操作がクイックという印象は受けなかったので、あまり気にしなくても良いかもしれません。
シフトノブに関しては、BRZ・86ともに本革で握りやすくて良い形状でした。
シフトノブは好みがありますので、"良い"というだけで素晴らしいことです。
運転席をコックピットとして評価しますと、あまりコックピット感はありません。
同系列のNA/NB/NCロードスターと比較しても、「包まれている感じ」が希薄です。
しかし、シルビア系列やAE86と比較しますと、若干包まれている感はあります。
要するに、運転席がタイトすぎないということです。
適度に体を動かせるスペースがあって、適度に開放感があって、純スポーツカーというよりは若干GTカー的なコックピットということです。
【見切り】
見切りはフロント・サイドにのみに関して言えば悪くありません。
特にフロントの視界が良好で、フロントノーズの場所を掴みやすいです。
Aピラーも運転していて気になりません。
バックミラーから見えるリアの様子も掴みやすく、運転するのに苦労はしないかと思います。
シルビアよりも前の感覚が掴みやすい分、初心者の方にもオススメできます。
しかし、左斜め後ろの視界が絶望的で、左折の時に気を使いました。
慣れ・・・かもしれませんが、普段2シーターの車に乗っている方は要注意です。
【エンジン】
正直、
パワーの無さを痛感します。
BRZ・86最大の泣き所はエンジンといったところでしょう。
「パワーがない」と言われ続けたNA/NBロードスターよりも加速感がありません。
S14のQ'sと同じぐらいの加速ぐらいかと思います。
このパワーの無さがギア比に関するものなのか考えてみましたが、1速・2速のギア比に関してはそんなにおかしいとは思えません。
ファイナルも6速で4.1というのは良いのではないでしょうか。
それにも関わらず、加速感がないというのはやはり大きな問題です。
音に関してですが、BRZと86にはエンジン音を室内に響かせるサウンドクリエイターとシステムがありまして、↓のような音を室内に響かせます。
助手席に乗っている限りでは、「プラスチッキーなわざとらしい音だなぁ」と思ったのですが、いざ自分が運転してみると「悪くないなぁ」という感想に変わりました。
でも、「吸気音や排気音は聞こうと思って聞こえるものじゃなくて、自然と室内に入ってくるもの」という20世紀的発想の僕としては、サウンドクリエイターシステムがあったからといってプラスには感じません。
【パワステフィーリング】
前回の日記でボロクソに叩いたフィットの電気パワステですが、BRZと86はそれほど悪くありませんでした。
ただ、やっぱり軽い!物凄く軽い!
ちゃんと重要なインフォメーションは知らせてくれるので良いのですが、「運転してる!」という感じや、据え切りやアンダーステアで「タイヤが今は切っちゃダメといってる!」というインフォメーションはノンパワステよりも圧倒的に少なくなります。
【足回り】
足回りに関してはBRZと86で結構違いました。
BRZの方が足回りが締まっている感じで、86はユルユルという感じ。
雑誌などではBRZは安定志向、86は積極的にリアを流す方向と言ってましたが、僕はBRZの足回りの方向性がスポーツカーとしては正しいと思います。
何がどう違うか具体的に説明しますと、ギャップを通り過ぎた時や、レーンチェンジなどでの初期の操舵性能やGの収束が大きく違います。
駐車場から出る際の小さな段差でもこの違いははっきりとわかります。
86はいつまでもフニャフニャ動いてる感じですが、BRZは一発でショックを吸収してくれます。
ただ、そのぶん
乗り味としてはBRZの方が硬くなっています。
ディーラーの方いわく、「あなたの認識は正しい」とのお褒めの言葉をいただき、BRZの方が足は硬い方向性という事で裏は取れました。
恐らく・・・ではありますが、バネレートとしては0.5~0.8kgぐらいBRZの方が硬い気がします。
また、一番違うなぁと思ったのはダンパー性能です。
ダンパーの性能が明らかにBRZの方が減衰が高く、ショックを吸収してくれます。
86の足の柔らかさはバネだけからくるものではなく、ダンパーの減衰力が低いというのも大きい気がします。
こちらはあくまで個人の感想なので、もしかしたらダンパーは一緒かもしれませんが、そういう印象を受けました。
ただ、これらの違いは、ノーマルの足を1として車高調整サスペンションの違いを10とした場合の、3~4ぐらいの差になります。
つまり、50歩100歩というか・・・無視できないけど微細な差です。
スポーツカーに乗り慣れていない方や、サーキットで走られたことの無い方はあんまり気にならないと思います。
ただ、ある程度車に慣れている人からすると大きな違いになりますので、僕が買うとしたら絶対にBRZの足回りにします。
こちらの方が限界まで攻め込んでいった時にちゃんと4つのタイヤが限界まで仕事をしてくれそうです。
86の足は恐らくロールが強く出そうで、クリッピングポイントまでに斜めにGを出して脱出することが難しそうな感じです。
それこそ、リアがムズムズするという感じがこういった部分なのかなと思いました。
車高調入れちゃったらどっちみち同じなんですけどねw
【シフトフィーリング】
シフトは結構ショートストロークで良い感じです。
ただ、やっぱりフィーリングが最近の車っぽい感じでどこかしらプラスチッキーです。
20世紀の車はシフトを入れる度に「ガチン」と金属が噛みあう感じがしたものですが、最近の車はすんなり入ってしまうので、気楽にシフトができます。
これはいい事です・・・羨ましい。
【全体を通してのフィーリング】
試乗は制限速度60kmまでで行いましたが、それでもわかるぐらい凄くいい車です。
街乗りは楽しいし、
適度にスポーツカーです。
この車を街乗りで乗るのもアリだし、チューニングして乗るのもアリでしょう。
懐が深くて良い車だと思います。
実際に乗り出しは300万ぐらいから考えておけば良いようで、S15のシルビアと同じぐらいでしょうか。
僕は
楽しい車の再来!と明言してしまっても良いと思います。
以前、Z34に乗ったことがありましたが、あれもディメンション的には似ていますが、向こうは高級車でした。
でもBRZや86は良い意味で庶民の感じを残してくれた、取っ付きやすい、弄りやすい車かと思います。
【総括】
一部のコアユーザーの方からは、「BRZ・86はサスのアーム類にコストダウンの跡が見える」や、「見た目だけだ」という発言を見受けますが、僕はそうは思いません。
一般の人が普通に楽しむスポーツカーとして、BRZ・86はいい車だと思います。
コアユーザーがロアアームの穴を見つけて、「強度が~」と嘆く気持ちもわかりますが、その強度が120kmぐらいまでの一般利用に大きな差として現れてくるでしょうか。
僕はNoだと思っています。
それに、その強度がどういう形でスポーツ走行時に悪いのか、どれほど悪影響を感じるのかといったことに関しては、実際に走ってみないと何ともいえないと思っているからです。
木を見て森を見ずはもったいないと思います。
しかし、
僕もモータースポーツに興じる端くれとして、この車をサーキットで走らせたいという気持ちは抑えきれませんでした。
こんないい車だからこそ、
サーキットで試乗会をすべきと思います。
少なくとも、サーキットで乗らない限りは、僕は大きな否定をすることができません。
エンジンパワー以外は・・・。
とにかくエンジンパワー以外はいい車だと思います。
【オマケ】
BRZ・86の試乗をしてから歌舞伎号に乗ったら・・・、クラッチは重いわ、ハンドルは重いわ、ミッションは重いわ、足はガチガチだわで衝撃を受けました。
こんな車を普段から乗っていたとは・・・。
改めて考えるとこの車はスポーツカーというより、レースカーなんですよね。
それを痛感しました。
そして、僕は帰りの車の中で思いました。
「あぁ、やっぱりロードスターは最高だ」と。