昨年のことですが、知人からアストンマーティンDBS スーパーレッジェーラのカタログをいただきました。
表紙には "DBS" のレタリングと正方形の斜めから俯瞰するかのような金色で幾何学模様が描かれたシンプルでありながらさりげなくも豪華なつくり。
中を見てみると、写真を多用し、カラーやモノクロームを巧みに使い分け、まるで写真集を見ているかのような錯覚に陥ります。眺めるだけでも飽きないのですね。(カタログの総ページ数は54ページ)
調べてみたら、オフィシャルフォトでも紹介されている写真がカタログに採用されていることがわかりました。
ということで、今回はオフィシャルフォトと共に取り上げてみたいと思います。
≪画像は拝借しました。≫
『美しさは完全無欠』
DBSスーパーレッジェーラは、紛れもなくアストンマーティンのラインナップの頂点に君臨するモデルです。それは、最も美しい自動車の傑作であることを表現する輝きを放つと同時に、容赦ない明白なパワーを示す威厳を漂わせる存在。一見相反する特徴の絶妙な融合が、DBSスーパーレッジェーラを完璧なアストンマーティンへと創りあげています。アグレッシブながら、この上なく美しい。超軽量ながら、すさまじく強靭。堂々たる存在感ながら、贅を尽くした仕上げ。DBSスーパーレッジェーラは、見る者に畏敬の念を抱かせます。その美しさは完全無欠なのです。
≪画像は拝借しました。≫
『魂を揺さぶる美しさ』
DBSスーパーレッジェーラを前方から見ると、限りない強さと自然な美しさを結合させた、息を呑むような六角形のグリルが圧倒的な存在感を放っています。このグリルは、モデル全体の視覚的課題を左右すると同時に、絶大な725PSを出力するエンジンが絶え間なく要求する酸素を供給しています。
≪画像は拝借しました。≫
『常識破り』
一般的に、より俊足な自動車となるほど冷却の必要性が高まり、またより大きなブレーキや強靭なサスペンションが求められるので、結果として重量の増加が避けられないものとなります。DBSスーパーレッジェーラは、それに異論を唱えます。当然のことながら、その驚異的なパフォーマンスを掌握するあらゆる領域がアップグレードされていますが、それは同じものを足し加えるというより、最も強靭な最高級の軽量素材を使って行われました。
DBSスーパーレッジェーラでは、カーボンセラミック・ブレーキが標準仕様で装備されています。このブレーキシステムが、新たな21インチ鍛造ホイールと併せて、さらなる超軽量化を達成しています。これらの特性が統合し、DB11と比べて70kgもの軽量化が実現されています。
アストンマーティンでは、このアプローチを超軽量を意味する「スーパーレッジェーラ」と呼びます。1959年モデルのDB4で初めてお目見えしたこの名は、ミラノの名門カロッツェリア トゥーリング社の特定の構造テクノロジーを指すものでした。それは現在では、軽量接合アルミニウム構造から、ビジュアル効果としてだけでなく、パフォーマンスを変貌させる構成要素としてのカーボンファイバーの広範囲な使用に至るまで、軽量化を重視するアストンマーティンの断固たる姿勢を象徴しています。
≪画像は拝借しました。≫
『素晴らしい強烈さ』
DBSスーパーレッジェーラの5.2リッターV12ツインターボエンジンが生み出す725PSのパワーは、いかなる基準からしても驚異的な数値といえます。DBSスーパーレッジェーラを運転してみると、それ以外のさらに目を見張る特徴、トルクの真価を味わうことができるでしょう。
トルクは説明するのが難しい一方で、容易にその性能を体感できます。それは、加速した時に感じるエネルギーの力強さです。そして、DBSの900Nmという圧倒的なトルクは、アストンマーティン史上のいかなるロードカーをも凌ぐものです。
≪画像は拝借しました。≫
『限りない美しさ』
ラクジュアリーとは、一目で分かるもの。それは私たちを誘惑し、興奮させ、引き込み、骨の髄まで魅了する力を持っています。しかし真のラクジュアリー、アストンマーティン DBSスーパーレッジェーラのラクジュアリーは、簡潔に定義でき、容易に見てとれるもの。それは束縛されない自由です。誰のものでもない、自分の好みでインテリア空間を創り上げる自由、自分自身を表現する自由、思いどおりにする自由。
DBSスーパーレッジェーラで、お客様がご自分のキャビンを選んでいただけるのはそのためです。決断をアストンマーティン社内のインテリアデザイナーの卓抜した審美眼に委ねるとしても、あるいはそれを土台にすべてのインテリアを真っ白いキャンバスとして扱うとしても、DBSスーパーレッジェーラはあなたに自由を提供します。
≪画像は拝借しました。≫
『ツーリング』
DBSスーパーレッジェーラのラゲッジセットは、インテリアに用いられているものと同じ高品質のレザーを使用し、英国において丹念な手作業で美しく作り上げられています。トランクスペースに理想的に収まるようにデザインされたこのラゲッジセットは、ボストンバッグ2点とフライトケース2点の4点から成り、アストンマーティン・ウィングやDBSスーパーレッジェーラ・ロゴの型押し、華麗なブロンズ仕上げの金属細工を含む控えめなディテールで仕上げられています。
以上がほんの一部の紹介なのです。カタログではDBSスーパーレッジェーラについて紹介し切れないほど多くの魅力を余すことなく伝えてあり、とても見応えがあるもの。
今回ご紹介した内容で、深く感銘を受けたのは『常識破り』の項のこの件。
一般的に、より俊足な自動車となるほど冷却の必要性が高まり、またより大きなブレーキや強靭なサスペンションが求められるので、結果として重量の増加が避けられないものとなります。DBSスーパーレッジェーラは、それに異論を唱えます。当然のことながら、その驚異的なパフォーマンスを掌握するあらゆる領域がアップグレードされていますが、それは同じものを足し加えるというより、最も強靭な最高級の軽量素材を使って行われました。
(引用終了)
アストンマーティンの運動性能に対する姿勢が窺い知ることができます。コストに反映してでも妥協を許さないのはさすがは名門ブランドたる所以ですね。
≪画像は拝借しました。≫
販売価格は3,434万円ということらしいのですが、私のような庶民には憧れの存在です。カタログを眺めるだけでもお腹がいっぱいです。
ということで、珍しいカタログが一冊コレクションが増えました。保有するカタログとしては実車の販売価格最高額になります(^_^;)
◆備忘録として、DBSスーパーレッジェーラの主要諸元を記しておきます。
○全長:4,712mm × 全幅:1,968mm × 全高:1,280mm ホイールベース:2,805mm
○車両重量:1693kg トランスミッション:8AT
○搭載エンジン:5.2L V12 DOHC 48バルブ ツインターボ
○最高出力:725ps(533kW)/6500rpm
○最大トルク:900Nm(91.8kgm)/1800-5000rpm
○タイヤ:前 265/35ZR 21 101Y 後 305/30ZR 21 104Y
※DBSスーパーレッジェーラの動画を見つけたのでどうぞご覧ください。
世界を見渡すと、現在SUVが大流行り。スポーツカーや最高級セダン&クーペを中心に手掛けていたブランドまで、今や無視できない市場となりました。
SUVは私自身にはまったくと言って良いほど乗りこなす自信がなく、また似合わず、縁がない(と思っている)ので、あまり興味が持てません。
しかし、あるブランドのあるモデルに限っては、興味を持っているのです。
≪画像は拝借しました。≫
ランドローバー レンジローバー ヴェラール。
2017年3月に発表された、レンジローバーとしては4番目のモデル。
≪画像は拝借しました。≫
レンジローバー スポーツとイヴォークとの間に位置するモデルなんですね。言わば、三男ということか。
このモデルになぜ興味を持った(=惹かれた)のかと言うと、何と言っても全体のフォルム。
≪画像は拝借しました。≫
基本的にスクエアなデザインが好みなのですが、このモデルは少し角が取れて流れるような美しいフォルムに完全に打ちのめされてしまいました(苦笑
この画像のとおり、特にリア斜めから見る姿は全体を見通せて、一見するとなだらかにリアへ向かって下がっていくデザインは本当に美しいと感じます。
2018年には" World Car Design of The Year 2018 "の世界で最も美しい車の最優秀賞を受賞。
≪画像は拝借しました。≫
このデザインを見せつけられては、おそらく受賞は約束されたも同然だったのでしょうね。
SUVとしてはたいへん歴史のあるランドローバー社のことですから、他ブランドSUVに対して一日の長があり、オフロード走破性も当然高いです。
≪画像は拝借しました。≫
本来SUVが似合うのはこういったシーンでしょうね。街中を走っているレンジローバーの何割がこのような使われ方をしているのだろう。
レンジローバーですから、こんな港町や
≪画像は拝借しました。≫
お洒落な街角にも
≪画像は拝借しました。≫
巧く溶けこんでいるのは、高級SUVモデルとして老舗としての歴史があるからなのでしょうね。
ヴェラールのインパネ廻りです。
≪画像は拝借しました。≫
とてもSUVには見えない、上質なつくりの造形。品よくレザーがあしらわれているにはさすがランドローバーです。
こちらはインテリア。
≪画像は拝借しました。≫
全長が4,820mmで、WBが2,875mmなので、後席足元はゆとりはありそうですね。巧くカラーの取り合わせを入れた品の良いレザーシートですね。
ラゲッジルーム。
≪画像は拝借しました。≫
VDA値で513Lということらしいので、結構呑み込んでくれそうです。
ここからは妄想です(^_^;)
■ブリティッシュレーシンググリーン(ウルトラメタリックペイント)
≪画像は拝借しました。≫
イギリス車と言えば、定番すぎるくらいにBRGは外せません。でも、現代では案外珍しいのかも。ヴェラールに似合うと思います。(OP.価格 62万6,000円)
■マダガスカルオレンジ(ウルトラメタリックペイント)
≪画像は拝借しました。≫
個人的にはヴェラールは落ち着いたカラーの方が似合うと思っているのですが、オレンジもなかなか良いんでは。 (OP.価格62万6,000円)
■インダスシルバー(メタリックペイント)
≪画像は拝借しました。≫
シルバーのイギリス車って意外性があって良いかもしれません。アリだと思います。現実的に派手過ぎず控えめで良いかも。 (Op.価格10万4,000円)
と言うことで、もしSUVという選択肢があるのならば、ヴェラールはほぼほぼ一択で候補車間違いないです。
唯一の問題は、始まりが700万円台からのスタートであること。そもそもレンジローバーは似合わないですし、乗りこなす自信がまったくないですね。困ったもんです(苦笑
※ヴェラールの高い走破性を紹介する動画を見つけました。どうぞご覧ください。
※ヴェラールではありませんが、ボーイング747を通り抜けるレンジローバー スポーツの動画を見つけました。一体どんな発想なのだろう? どうぞご覧ください。
※同じくヴェラールではありませんが、中国・張家界 天門山の999段の石段(斜度45度)を駆け上がるレンジローバー スポーツPHVの動画を見つけました。凄い! どうぞご覧ください。
2013年に当時のグループPSAが新しいプラットフォームの採用を発表しています。
EMP2(エフィシェント・モジュラー・プラットフォーム2)がそれ。
≪画像は拝借しました。≫
特徴としては、
1⃣高張力鋼板の使用率を高めたことによる27kgの軽量化の達成
2⃣製造過程の改良によるレーザー溶接の採用で10kgの軽量化の達成
3⃣エンジンやサスペンションなどの設計変更で33kgの軽量化の達成
だそうで、軽量化の面ではかなりのメリットがあるようです。
他には、同じグループ内でプラットフォームを共用化することで生産性の向上や合理性もメリットとして挙げられます。
プラットフォームの共用化によって、フロアパンの一部を伸ばしたり短くしたりすることができ、サイズに巧みに合わせることで、多くのモデルに使用できるのですね。
PSAグループの公式アナウンスでは、Cセグメント以上のモデルに採用するとのこと。採用第一弾は2013年登場の現行308(T9)。続いて第二弾は2014年登場のC4ピカソ。
今やEMP2の採用は同じグループ内でかなり拡充されました。オペルも傘下に収めたことで、今後はオペルへの採用も増えるでしょう。(提携はしていたのですでに採用はしていますが。)
ということで、暇に任せて、前回2018年に引き続いて、2020年版の採用モデルを調べてみました。
EMP2のホイールベース最小サイズは308H/Bから始まります。
■2,620mm
≪画像は拝借しました。≫
採用例:308(T9)H/B
■2,675mm
≪画像は拝借しました。≫
採用例:3008Ⅱ
■2,730mm
≪画像は拝借しました。≫
採用例:308SW(T9)・DS 7 CrossBack・C5 Aircross
■2,780mm
≪画像は拝借しました。≫
採用例:C4PicassoⅡ
■2,785mm
≪画像は拝借しました。≫
採用例:Berlingo M(SWB) etc.
■2,800mm
≪画像は拝借しました。≫
採用例:508SedanⅡ・508SWⅡ
■2,840mm
≪画像は拝借しました。≫
採用例:Grand C4PicassoⅡ・5008Ⅱ
■2,900mm
≪画像は拝借しました。≫
採用例:DS 9
■2,925mm
≪画像は拝借しました。≫
採用例:Spacetourer XS etc.
■2,975mm
≪画像は拝借しました。≫
採用例:Berling XL(LWB) etc.
■3,275mm
≪画像は拝借しました。≫
採用例:Spacetourer M・Spacetourer XL
ちなみに、シトロエン スペースツアラーやプジョー トラベラーは3つのボディサイズを巧く使い分けて採用しているようです。
2,620mmから3,275mmに至るまで、実に655mmもの長さを自由度を生かして、少なくとも11ものバリエーションを巧みに使い分けているようですね。
EMP2はPHVといったモデルにも対応しているので、柔軟性がありますね。
主にシトロエン・DS・プジョーのスケールが判明しました。(プジョーは商用モデルはシトロエンと同じ)
今回オペルは調べていませんが、モデルバリエーションを眺めていると、だいたい近いですね。いつかまた改めて、暇に任せて調べてみることにします(^^;
先日、久しぶりに外を出歩く機会がありました。珍しいSUVが3台もすれ違いました。
まずやってきたのは・・・
≪画像は拝借しました。≫
ベントレー ベンテイガ。言うまでもありませんが、イギリス名門のベントレーが作ったSUV。
今や世界的にSUVは大ヒットしており、ポルシェのカイエンやBMWのX5など、SUVはこれまでSUVとはまったく無縁だったブランドも最早見過ごすことができない市場になっています。
ベンテイガはその一例。高級車ブランドのベントレーが作り上げたSUVは独自の世界観があり、この車を必要とする客層が少なからずいるということですよね。
ちなみに、ベントレーは愚かベンテイガについてほとんど詳しい知識は持ち合わせがありませんので、見かけたベンテイガがいったいどのような仕様のモデルなのかはわかりません。しかし、とにかく異彩を放っていました。
と、珍しいベンテイガを見かけて感心したのも束の間。続いてやってきたのはこんな車。
≪画像は拝借しました。≫
いすゞビークロス!! かなり久しぶりに見かけたかもしれません。見かけた車両はホワイト(シルバー?)カラーでした。(写真は撮れていません。)
ビッグホーンやミュー、ウィザードなど多数のクロスカントリーモデルを輩出したいすゞの渾身作と言っても決して言い過ぎではないでしょう。
デビューは1997年4月のこと。まだSUVという概念がなかった時代であり、そのような背景にあって、この出で立ちは当時としてはかなり奇異に映ったかもしれませんね。
あれから23年が経ち、かなり先を行くデザインだったためか、古さは決して感じないですね。そもそも1993年の東京モーターショーでコンセプトモデルとして登場し、それが市販化されています。
≪画像は拝借しました。≫
ビッグホーンのSWB版をベースにしたため、3ドアのみの設定という潔さでした(笑 それ故、効率性は良かったのかもしれませんね。
パワートレインはビッグホーンで搭載されていた3.2L直6ガソリンエンジンで、ディーゼルをあえて載せなかったのは意図するところがあったのでしょう。
wikiで調べてみると、こんなことが記載ありました。引用します。
>セミハンドメイドであったにもかかわらず、発表当時で295万円というバーゲンプライスは他社も含めた他車パーツの流用でコストを抑えた賜物である。事実、ヘッドライトのシールドビーム部分にはオートザム・キャロル、フロントターンレンズにはダイハツ・オプティ、サイドターンレンズにはユーノス・ロードスター、ポジションレンズには日産・パオ、ハイマウントストップランプにはユーノス・100(マツダ・ファミリアアスティナ)、の純正部品が流用された。
(引用終了)
言っては悪いですが、パーツを寄せ集めてできた車だったのですね。専用のパーツを一から作るよりも、他車のパーツをうまく流用していたなんて、良き時代だったのでしょうね。
ビークロスの当初の販売計画は2,000~3,000台を目標に掲げていたそうですが、実際は1,700台に留まったそうです。(wikiより)
メーカーが想定するほど、販売実績には繋がらなかったようです。2000年には生産は終了。わずか3年間の販売期間でした。それは、何よりもデザインが一般受けしなかったことが最大の仇となっていたようです。
時代がビークロスに追いついていなかったのでしょう。それしか理由はありません。ビークロスがもし現代に生まれていたならば、また事情は違っていたのかもしれませんね。
ビークロスが通り過ぎた後に見かけた珍しいSUVはこんなモデル。
≪画像は拝借しました。≫
BMW X7。ご存じBMWのSUVでは最もラージクラスに相当するモデル。(2018年デビュー。)
日本発売は昨年でしたが、未だ見たことがなく、初めて路上で目にしました。
まず目に飛び込んでくるのは何と言っても・・・
≪画像は拝借しました。≫
巨大になったキドニーグリル。威圧的にすら感じます(驚
BMWはこのX7を機にブランドイメージの向上を図ろうと、キドニーグリルの大型化を推し進めているとのこと。
たしかにこれまでのBMWはメルセデスほど威圧感はなく、押し出しが弱かったのは否めません。すれ違った際にかなり目を惹いたのは事実ですから、BMWの戦略は成功しているのかもしれません。
件のX7の仕様は何なのかはよくわからないのですが、メルセデスのGLSがライバルなので、1000万円超級ですね!
わずかの時間に3台の珍しいSUV(厳密に言えば、一台はクロスカントリー)にすれ違ったわけですが、一番印象的だったのは高級ブランドのSUVなどではなく、いすゞビークロスでした。
最終年式からちょうど20年経つわけですから、大切に扱われてきたのは事実。おそらく維持はたいへんなのでしょうね。
いすゞはかつて自動車生産をしていたなんて知らない世代が出ているわけですから、ビークロスは完全撤退直前モデルとしても貴重な存在であることは間違いなさそうです。件のオーナーさんには末永く維持していただきたいものです。
DS 9に触れる前に、DSブランドの成り立ちからおさらいしておきましょう。
C3(第二世代)やC4(第二世代)が登場した時に、それぞれの兄弟モデルとして、DS3やDS4をラインナップに加えましたが、その際に、DSラインとして明確に分けたことがそもそもの始まりでした。あくまでシトロエンブランドでした。
その後、DS5がデビューし、DS3やDS4がフェイスリフトを実施しました。その際に、DSウィングと呼ばれる6角形のフロントグリルを象徴として取り入れ、ブランド化に向けて動き始めました。
この頃、DS3やDS4の表記がそれぞれ "DS 3"、 "DS 4"となっているのですが、なかなか気付きにくいんですね(苦笑
DSはシトロエンから独立して、PSAグループの中では高級ブランドの位置付けとなり、シトロエンとの関係性は完全に薄れつつあります。
少しずつ戦略的にブランド化に向けて時間を掛けながら着実に歩んできたことでしょうし、ブランド化は成功したと言えるでしょうね。
と前置きはこのくらいにして。DS 9です。
ことし2月24日にDSオートモビルズからDS 9の発表がありました。
≪画像は拝借しました。≫
DSブランドとしては最高級のフラッグシップたる堂々としたフォルム。流れるような美しいデザインはまさにクーペそのもの。
なので、一見すると、昨今流行りのファストバックなのかと思うフォルムなのですが、実は独立したトランクを持つ3ボックスセダン。
こういうところに、デザイナーの巧みなセンスが生きてくるのでしょうね。まるでメルセデスのCLSかと思うほどのきれいなデザインですね。
≪画像は拝借しました。(メルセデス ベンツCLS450 4MATIC)≫
セグメントがたぶん異なるので、DS 9は制約があるのでしょうけど、それでも見分けがつかないほどのデザインだと思います。
エクステリアではCピラーの一部(リアウィンドウ横)にはこのような装備が。
≪画像は拝借しました。≫
ウィンカーレンズが備わっているようです!
これを眺めてすぐ思い出されることは、何はなくともコレですよね↓
≪画像は拝借しました。≫
往年の名モデルDS。形は違っても特徴あるリアウィンカーはDSに倣っているのでしょう。名モデルに対するオマージュを意図しているのでしょうね。
こちらはインテリア。
≪画像は拝借しました。≫
最早フランス車とは到底思えないつくりの超豪華なフロントダッシュボード周り。高級ブランドの名に恥じないものに仕上がっていますね。
こちらはシート。
≪画像は拝借しました。≫
DS3やDS4、DS5にあったクラブレザーシートを思い起こさせるデザインのナッパーレザーシート。ボルドーカラーが美しいですね。
仔細に眺めていくと、ダッシュボード、ステアリング、ドアトリムに至るまで、シートのカラーと統一を持たせているんですね。アルカンターラを使っている箇所もあるとか。相当コストが掛かっていることでしょう。
さて、パワートレインは、DSブランドで "E-TENSE" と呼ばれるPHVが2機、ピュアテックが1機というラインナップ。
PHVの "E-TENSE" は最高出力250HPのFFと、360HPのAWD。
≪画像は拝借しました。≫
11.9kWhの容量を持つバッテリーを採用し、40km程度であれば航続可能だとか。また、時速135kmまでの加速も可能ということらしいので、面白そうです。
上記画像で気付くのですが、充電ポートの外したキャップがボディに触れているのはいただけないなぁ。。。
DS 9はDSブランドのフラッグシップですが、シトロエンブランドのフラッグシップは何はなくともC6は外せません。
ナンセンスかもしれないのですが、比較してみることに。
≪画像は拝借しました。≫
全長:4,930mm × 全幅:1,850mm × 全高:??mm ×ホイールベース:2,900mm
≪画像は拝借しました。≫
全長:4,910mm × 全幅:1,860mm × 全高:1,465mm ×ホイールベース:2,900mm
調べてみて初めてわかったのですが、ディメンションはほぼ同サイズなんですね。ロングホイールベースですから、後席はゆったりとしていることでしょう。
DS 9はやはりC6の後継という位置付けなのかとも想像できるのですが、やはり気になるのがあのモデルの存在。
≪画像は拝借しました。≫
CXperience。言うまでもなく、かつてのシトロエンフラッグシップCXを彷彿とさせるコンセプトモデル。
C6生産終了以降、シトロエンからフラッグシップモデルが途絶えて久しいですが、期待したいところですね。
最後にまとめとして。
≪画像は拝借しました。≫
DS 9はDSブランドのフラッグシップモデルであって、位置付けとしてはPSAグループの最上級なのでしょう。世界戦略モデルでもあることでしょうから、高額モデルが歓迎される市場にとっては必要とされるモデルのはずです。大いに期待したいですね。
※DS 9のプロモーション動画を見つけたのでどうぞご覧ください。
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