2023年09月10日
大きくは報じられてなかったが、地味に、そしてとっても痛い被害を食らった今回の台風。
そしてそれ以上に影響がでかいのがこの異常な暑さ。
軒並み農産物に大打撃を与えている。
私も組合の出荷担当をしているが、とにかく出さなきゃならないものが無い。
というか採れない。あまりの暑さに野菜も体力を奪われ、成長が止まるかそのまま死んでしまうか。
一部の野菜は市場が枯渇し、異常な高値になっているものもある。
どこの担当者もピリピリしているし、出荷量がショートしているから鬼電話の嵐。
最近は朝飯も晩飯もまともに食ってない。電話出るたびにヘトヘトになる。
昼飯だけは稲刈りとかの中休みで食べることは食べるが。
だが、流石に今日相手先から言われた一言は、言い返しこそしなかったが、
ちょっとそれは言ってはいけないんじゃないかなってカチンときた。
ただでさえ猛暑のために生育不良や、作業員の体調維持、危険防止のために、
時短作業や、無理のない作業を心がけているが、
そこに追い討ちをかけるような台風による畑の浸水被害。
実際ウチも収穫する前の畑が流されたわ。
だから、どうしても「物理的に物が無い」状態になってしまった。
ウチだけじゃない。組合員も、軒並み被害受けてしまった。
防ごうったって、そう簡単にいくわけが無い。対策とってようが、
やられるときはやられてしまう。
なので、どうあがいても本日の出荷に至ってはどうしようもない。
言い訳にしか過ぎないのかもしれんが。
それに、そんな危ない状態の中、従業員たちを危険な目に遭わせられん。
しかし、「その言い訳が通ってしまうと...こちらとしてもちょっとねぇ?」
といわれたのは、ものすごくカチンときた。
無茶言うなよと。
もう一社、別のところからの問い合わせでは、
事情を説明したら、
「自然災害にはどうしても勝てませんから...こちらとしても営業から何とか客先にうまく取り成してもらいますから。工業製品ではないですからね。」
と、ありがたい言葉をいただけたのが救いだ。
私も、以前勤めていた製造業でボコボコにされて辞めた経験があるが、
確かに、工業製品であれば、設備や資材が生きてさえいれば、
人海戦術なり、徹夜ででも作業すれば、なんとか数は上げられて、納期というか、そういうのは対処できるかもしれない。
だが、野菜とか、生き物を相手にしてれば、
物理的に流されて死んでしまったり、時間や労力をかければ何とかなるものではない。
そんな中、無くなっちゃったとかいう言い訳が通っちゃうと・・・云々とか言われると、やり場のないこの感情がね。
稲刈りにも影響はある。
まあ、米のように日本中で作っている作物であれば、多少値段が上がっても、他県品でまかなったりできるだろうが、生産者の少ない作物だとどうしてもね。
産地が壊滅したら終わりよ。
だから、最近話題の、注文だけして、写真だけ撮って食べずに退店だとかいう、
食べ物を粗末にする報道を見ると、マジで腹立つ。
当たり前に、食べたいものを食べたいときに食べられるってのが、
どれだけありがたくて贅沢なことか。
ちょっと食育がなってないんじゃない?
私がガキの頃なんざ、飯粒一つ残しただけでバア様から怒鳴られてたわ。
食べ物を粗末にするんじゃない!食べられることに感謝しろ!とね。
Posted at 2023/09/10 20:32:12 | |
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諸行無常 | 日記