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2016年08月05日

レンジローバーヴォーグ オートバイオ その繊細な乗り味


現行レンジローバーの5リッターSCに乗った印象は「まるで空飛ぶ絨毯」で、大きい段差以外はまるで宙に浮いている感じ.V8SCの「ドゥルルルル…!」という音は勇ましいけど、それ以外は強烈に静か.やや小径のステアリングを切ると、物腰柔らかいものの、想定より速くスッ!スッ!と水平移動するような感覚でした.


これらが相まってある種「クルマらしくない」部分が、むしろレンジローバーらしく思える所でもありました.

で、14年前に発表され、10年分の熟成を経た2012年モデル、3rdレンジのオートバイオ.(ただし4年、ほぼ100,000km走行の個体)(汗).乗る前は、乗り心地いいけど無感覚…?のような勝手なイメージでした.


でも実際は乗って感じるのは,「なんて繊細なクルマらしいクルマなんだ…!」ということ.

確かに路面不整の多くはその重量とエアサスでボディを揺さぶることはありません.
でも路面の荒れや凹凸などの情報はちゃんとハンドルを持つ指先に伝わってきます.
ハンドルは絶妙な軽さ.強く握らず、そっと指を添えることでわかる、繊細な指先感覚.

大径でスローだけど微少舵角からリニアに反応する、繊細なステアリング・フィール.感覚的には低速、微少舵角の指先感覚がもっともvividで、速度が上がるにつれ少なくなる感じ.オフロードでの路面把握のため??でしょうか.

エンジンノイズもその存在を否定せず、「エンジンがあるのがクルマでしょ」とばかりに、巡航では低いハミング音を、踏めば例のドゥルドゥル音を伝えてくる.

アイドルトルクが結構あってアクセルも重めだから、自然とそっと踏むようになるし、操作も雑にならない.他の操作系と調和させて静かに加速するように、自然になる.そして何より継ぎ目を感じないまったりと滑らかな加速・レスポンスは、多段ATとダウンサイズエンジンには望めないもの.

もちろん踏めば急加速も可能だけど、もしもの時の余力として絞り出さないのが「らしい」.ただその重さを感じつつも、事も無げにズォーッ!と加速する様は、Z4MCのフル加速とは全く異なる凄味を感じる.

街中の巡航ではわずかな上下動があるけど、まるで水面の波紋のような小さい動きで、心地よさだけがある感じ.

ブレーキやコーナーではノーズも沈み、ロールもある.でもきちんと操作すると沈む量もチェックされ、その後の揺り返しがほぼない.あるリズムで沈んで、もとに戻る、それだけ.揺れが残らないから平穏.おそらくアダプティブ・ダイナミクス(ビルシュタインのダンプトロニック)の効果なのかな??と想像する.


こんな感じだから、街中を流す40~60km/hが超楽しい(笑).低速官能性が非常に高いクルマ.ゆったりとしたクルマのリズムなりに動かし、クルマを五感で楽しんでいると、遅いのに全然退屈しない.

エンジンやメカの存在を感じさせない最新のクルマとは違い、3rdのオートバイオは最新の電制サスを用いつつも、その質量と剛性でNVHの雑味は潰し、エンジン、足回り、ハンドル、重さ、サイズなどの存在すべてを、非常に繊細な感覚でドライバーに伝えてくる、「昔ながらのクルマらしさを持ったクルマ」でした.

このサイズなのに全部が調律され、繊細な感覚で訴えてくるクルマ.驚きです.

そして現行レンジローバーの静粛性や軽さからくる周囲との隔絶感も、3rdからの正常進化として理解できる流れだな…というのも、また理解できるのでした.

3rdレンジ最終モデル.やっぱり名車だと思います.
ブログ一覧 | Range Rover | クルマ
Posted at 2016/08/05 21:45:25

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この記事へのコメント

2016年8月5日 23:17
///Ivanさん、こんばんは。

漸く巡り逢えた理想のクルマを満喫されていますね。
しかも理想を裏切らない見事なクルマのようでとても良かったです!
これからまだまだ新たなる発見があると思います。

さて、ブログを読み始めて実はピンときました。
読み進めてみてやっぱりなあと。
///Ivanさんが記した印象は、実は私がWraithで感じたものにそっくりなのです!
そして、レンジローバーがオフロードのロールスロイスだという言葉の意味が漸く分かった気がします。
今まで完全に意味を取り違えていましたね。

いつもながら、///Ivanさんには良い勉強をさせてもらいました!
コメントへの返答
2016年8月5日 23:38
ラガーあきさん、こんばんは.

そうですねぇ... 理想のクルマ、です.間違いなく.

この繊細さは正直期待していませんでした.低速でのフィードバックは今まで経験したことがなく、新たなクルマの魅力を教えてもらっている感じです.

なるほど...超高級車とそれ以外を分けるものはパワーでも装備でも何でもなくて、その繊細な五感への刺激...確かに.

繊細な乗り味、香り、肌触り...世の中の素晴らしいものに触れる機会の多い方々だからこそ、ビビッと感じることができる魅力、それを持つクルマがRRであり、Bであり、そしてレンジなのかもしれません.

オフロードのロールス・ロイス...オフの最高級、という意味でない、オフなのに味がRR...

教えていただいたのはラガーあきさんです.ありがとうございます.
2016年8月6日 2:36
辛口?モータージャーナリストの両角岳彦さんが、「本音のクルマ選び2003」という本の中で
「もっと速くて運動能力が高い/あるいは静かで快適?なクルマはいくらでもある。しかし、空間としての住み心地と走りの質の高さを、ステアリングを握って実感でき、しかも天候や路面状況に関係なく、出かけたいときに自由に走って行ける。そういう高級な移動空間なのである。」
「日常的に使う範囲の舵の正確さと素直さはおそらく今、世界一。SUVとして、ではなく乗用車すべての中で最良。」
と書かれていました。(他の車では極端にこき下ろしたりと、癖のある人ですが)

雑誌ENGINEのHOT100でも数年に渡り1位を獲得したりと(うろ覚えですが)、質を極めたものは、ある意味時代に左右されない魅力と普遍性を持つように思います。


個人的には、ロールセンターと着座位置や頭の位置は、近ければ近い方が良いというものでも無いと思っています。(車の種類にもよるでしょうが)

事象と、それを示すセンサーの出力結果というか分解能は、最適な範囲があるといいますか...。


アクティブステアリング付きのBMWの3シリーズ(E90)にも一時期乗っていましたが、個人的には全く合いませんでした。
食事を味わおうとしているのに、「これくらいの量が最適でしょ!」と無理矢理口に入れられているような感がありました。


3RD RRは、材料を吟味した料理、しかも調味料や味の濃さでごまかさず素材を生かした料理を、自分のペースで存分に味合わせてくれるように思います。
コメントへの返答
2016年8月6日 6:09
両角武彦さんの批評、オーナーとなってみると実感としてよく分かる言葉ですね.自分の感覚が大きく間違っていないのが分かってちょっと安心です.

このステアリングの感覚については3rdレンジの素晴らしい美点なのにどこにも書かれていなくて、どうして?という気もするくらいです.

誰もが認める頂点のクルマを所有するのは初めてですが、個々まで極まっているとは...という感じで、他と比較するものではないですね.

機械工学的なことは詳しくないのですが、人間の認知能力、感覚を理解して作られてるのはよく分かりますね.だから違和感が全くない.

似たような感覚はアルピナなどにあると思いますが、通常のBMWあたりだと電動パワステの感覚が違和感がまだまだ相当あったりします.「機械の都合」というか、まだ熟成できてない感がにじみ出るというか.

このクルマを買ってよかった...間違ってなかった...と日増しに感じています.

また工学的なことなど、いろいろ教えていただければ幸いです.
2016年8月6日 8:50
是非1日お借りしてじっくり試乗させてくださいmm
この前の短時間の試乗では、エサおあずけくらってるみたいでww

おっさんになってくると、スピードなんてせいぜい160㌔も出れば十分で、あとは余裕や味が欲しいだけなんですよねー
そーゆー点で今も昔もイギリス車って大人っぽくて、わしら大人になりきれないおっさんは憧れます♪
コメントへの返答
2016年8月6日 17:03
そうですね.一通り整備など終わったら調整しましょう.

あのクルマも120辺りで風切り音がありますし、そこまでの味わいが命、なクルマだと思います.

その味が最高ですよ.今度どうぞw.

プロフィール

Ian*です. BMWから走りの良さを学び、そのスポーツ性の究極として直6NA&MTのBMW Z4Mクーペへ。同時に、その佇まいと世界観に惚れてレンジロー...
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