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2014年07月26日 イイね!

ログから見るアテーサE-TS制御

ログから見るアテーサE-TS制御アテーサE-TS loggerにより、4輪全てのホイール回転状況やフロントトルク値が判るようになったことから、ようやく「実走」によるデータ録りにコマを進めることができます。

ただ、やっている内容からどうしても理詰めとなってしまうことから、できるだけブログ用に「落として」書こうと思います。

でも、中身はキッチリやってますので、「気になる」方は、コメント、メッセージ等でどうそ。

ということで、具体的な詳細は書かない、という約束で(書いても大抵の人は参考にならないんじゃないかとは思いますが)、少々暴露ネタが入ってるかもしれません^^;

まずは1点目。

純正アテーサE-TSユニットについての話ですが、実はGセンサー出力を元から「増やす」より、「減らした」ほうが、フロントトルクが「増加」します(※)。
※ 例外もあります。

コレって知ってる人は知ってる内容でしょうか?それとも本邦初?これまでも結構色々なサイトを覗きましたが、まだ見たことが無かったような・・・。

少しだけ理屈を言いますと、アテーサE-TSの基本制御は、

・車輪速度センサー
・Gセンサー

の2つのセンサーからの入力により、フロントトルクが計算される仕組みです。これは有名ですね。

そして、一般的には「前後車輪速度差」「縦横G」のうち、フロントトルク値の決定には「前後車輪速度差」の依存度が高い、と言われるものでした。



しかし、今回色々と計測して調べてみたところ、どうやら「それだけ」でも無さそうです。

今回の実験から得られたデータによれば、

1.車輪速度センサーから計算した「計算加速度」
2.Gセンサーから得た「計測加速度」
3.2つの加速度を比較し、「1.計算加速度」>「2.計測加速度」、かつフロント車輪速度<リア車輪速度であれば、フロントトルクを強める
4.横Gがかかっていれば、フロントトルクを弱める

こんな感じです。

例えるなら、アイスバーン上で発進するとしましょう。アクセル踏み込めばまずはリア2輪が回転しますが、路面μが低すぎて、タイヤは簡単にホイールスピンします。そして、車体は、ほとんど動きません。

これは、「ホイールは加速」しているが、実際の「車体は加速していない」状態です。先の条件に当てはめれば、

「1.計算加速度」>「2.計測加速度」であり、フロント車輪速度<リア車輪速度でもあるんです。

アテーサコントローラーは、こうなるように意図的に縦G出力を変化(減少)させ、アテーサユニットを「騙して」いるわけです。

あまり簡単に書けてない気もしますがw、つまりアテコン等で縦G、横Gに手を加えて、どうしてフロントトルクが変わるのか、という答えが、これです。

結局、Gセンサー割り入れタイプのアテーサコントローラーは、

・「1.計算加速度」>「2.計測加速度」を満たすように、(わざと)「2.計測加速度(縦G)」を「小さく(減らす)」して、フロントトルクを元より大きくする

・横Gがかかっていないように見せかけるために、(わざと)「2.計測加速度(横G)」を「小さく(減らす)」して、フロントトルクを元より大きくする

という事を中でやっているんです。

本当にそうなのか、裏はあるのか、ですよね。

もちろんありますよw

幸いにも、みん友さんより、大変有名な「先生(DTM)」をお借りしており、非常に多くのことを語って頂きました(爆)。

詳細内容は、各方面に影響が出るといけませんのでここでは書けませんが、オリジナルアテコンの開発に向け、大変参考となります。



そして、いよいよDTM先生による実地研修です。まずは先生をお呼びする準備をします(笑)。



物がBNR34用で、BNR32とはカプラが合いません。DTMは借り物ですし、かと言って私のBNR32の純正配線にも傷をつけたくありませんので、ピンコネクタ等を自作、気合いで取り付けです。

そして、無事DTM先生がご搭乗されましたw



DTM先生のご指導の元、テスト結果は次のようになりました。



全体的にアクセル量に付随してフロントトルクが係るようになりました。

そして、最も注目すべきは赤枠内のところ。例によってタイトコーナーの登りです。

強い横G(太黄)+アクセル全開(桃)により、リア回転数(黄、緑)がフロント(赤、白)より先に多めに上昇(微リアブレイク)、しかし、フロントトルク(太橙)は直ぐに立ち上がっており、スピンモードに突入するのを見事阻止、そしてその間、アクセルは常に全開(桃)・・・。

そしてそのコーナリング中は、トランスファーはフルロックでは無く、適度に車輪も差動(フロント赤、白、リア黄、緑)していることから、プッシュアンダーは発生していないことも判ります・・・。


いやー、スバラシイ!

DTMってこんなに効果があるとは正直思っていませんでした。正直、もうコレ買って付けて、ハイ、お終い!って出来るレベルかとも思いますが、もう少し実走&ログ録りで詰めてみようと思います。

しっかし、アテーサが作動するレベルでの実走テストですから、タイヤの摩耗が・・・^^;
Posted at 2014/07/26 11:12:37 | コメント(7) | トラックバック(0) | 車いじり | クルマ
2014年07月20日 イイね!

アテーサE-TS logger、完成です^^

アテーサE-TS logger、完成です^^当初、簡単に出来そう、と思っていたE-TSloggerでしたが、実際モノを作るとなるとやはり時間がかかりますね・・・。

日夜、試作回路をブレッドボード上に組み立てては、実験環境でテスト、続いて実走テストし、徐々に改良を重ねてきました・・・。



しかし、そろそろ基盤のノイズなのか、回路のノイズなのか分からない状態になってきましたので、図面を描いて、プロトタイプ1号を組み立てることにしました。



・・・そして。ついに完成しました!

アテーサE-TSlogger Ver1.0.1です♪



「アテーサE-TSlogger Ver1.0.1」なんて名前を勝手につけてますが、物は単なる周波数カウンターで、当初の想定通り、部品点数自体は、かなり少ないです。

とは言っても、純正アテーサ&ABSユニットにフェール判定されないように、十分な大きさの入力インピーダンスを確保しつつ、背反条件であるノイズ対策もしっかり盛り込んでいます。

ですので、これまで実験含め、ただの一度もフェール判定されることはありませんでしたので、その気になれば(?)常時接続していても、全く問題ありません^-^

ユニットの構成としては、

ABSセンサー入力レベル調整→コンパレータ(A/D変換)→PICマイコン(パルス測定&演算&通信)→USBシリアル通信ユニット→PC

の順です。

そして、過去に製作した電圧ロガーを組み合わせ、



こんな感じになってます(固定方法は、まだ検討中^-^;)



このユニットで、4輪それぞれのホイール回転数、前後左右G、フロントトルク値、アクセル開度が同時に記録可能(8ch@70ms毎)です。



ちなみに、ホイール回転センサーの出力信号なんて、普通、「見る」ことなんてないので、「見た」たことが無い方がほとんどですよね。

・・興味ありませんか(笑)

実験段階のもので、手ぶれ等酷いですが、チラッと撮った動画を公開しますね♪



上側が後輪センサー出力、下側が前輪センサー出力です。波の間隔が狭くなるほど、ホイール回転数が高いことを示しています。そして、加速中に、下側の波形よりも上側の波形の方が先に波の間隔が狭くなっているのが判ると思います。

これこそ、BNR32が普段はFRで加速しているいい証拠ですね(リアタイヤが変形&滑っている)。ちなみに、加速は2速で、アテーサ&ABSはON、通常の走行状態です。

以上がこれまでの簡単な経過です(簡単すぎかなw)。

で、早速お山を走ってきましたログが、こちらです。

出し惜しみなんてしませんよ(爆)。日本全国、メーカー技術者の方、唯のクルマ好き、ネットで通りかかった人、私の様なプライベーターの方など、役に立つようでしたら、どんどん参考になさってください♪

まずはこちら(シーンA)。

まぁまぁな上り勾配の2速直線加速(阿讃サーキットの裏ストレート位、というかその辺り)のログです。



スケールは、左軸が電圧(0~6V)、右側が周波数(0~1,200Hz)です。

このログによれば、加速によりフロントトルク(太橙)が加速と共に大きく立ち上がっており、そのお蔭か前後ホイール回転差は、ほぼありません。

また、その加速により縦G(太青)も大きく変動しています。ちなみに、電圧変動の割合は、0.6G@1.0vだそうです。

続いて、こちら(シーンB)。



前方の赤丸区間では、コーナー立ち上がり時のドリフト(ていうか、正確にはパワースライド)により、後輪(黄、緑)の回転上昇が、前輪(赤、白)より先行しているのが判ります。

アテーサがフロントトルクを強める要因が、前後ホイール回転差だとすれば、ここで大きくフロントトルク値が大きくなるハズ・・・が、なっていないですね。

シーンAと比較して、横G(太黄)影響が大きく、縦G(太青)が小さいので、フロントトルク値はそれほど強くないです。

一方、後方の赤丸もドリフト(パワースライド)なのですが、最初は横G(太黄)が大きいものの、横Gの納まりと共に縦G(太青)が大きくなるにつれ、フロントトルクが大きくなっているのが判ります。

ホイール回転差、縦G、横Gは全て関連して変化するので、1パラメータだけを取り出して話ができるかどうかもわかりませんが、しかし縦Gが強くなっているときに、アテーサもフロントトルクが大きくなっているように見えます。その時は、横Gは少ないです。

そして3つ目(シーンC)。



区間1は先(シーンBの後半)と同様の傾向です。前後回転差+縦G増大で、フロントトルク大)

区間2は、区間1と似たタイトコーナーですが、しかし区間1ほど大きくフロントトルクは振れていません。区間1との違いは、前後回転差が小さいこと。縦Gは同じくらいですから、前後回転差が小さいことが、区間1よりフロントトルクが小さくなっている要因のようです。

区間3はちょっと複雑ですが、よくよく見ていくと、これまでの傾向どおり、縦G大且つ横G小、且つ前後ホイール回転差大⇒フロントトルク大となっています。

ログは他にも大量にありますが、今回分かった大きな所としては、大体こんなところです。

あと、他に気づいたこととしては、ドリフト中など前後タイヤ回転差が大きいところでフロントトルクを強めている場合でも、前後回転差は同等(ロック率でいうと50:50)まで行っていないこと。

アテーサがフルロック(50:50)まで駆動を固定すれば、(左右軸を合計した)前後回転数は同じになるハズです。

もし前後タイヤがしっかりグリップしている領域でこれをやってしまうと、前輪が転がらないのでプッシュアンダー感が凄いんだと思います。余計にグリップも食われますし>_<

しかし、後輪回転数が先行している領域では、50:50にすることで、前輪は少なくとも後輪と同じところまでは、加速できる・・・。

しかし、そのときの状況としては、かなりの横Gが残っている領域でもあるはずだし・・・。ここを強化すれば、フロントが「引っ張る」感じがでそうな気がする・・・。

というような感じで捕えましたが、これまで聞いていたアテーサの動きや、制御には前後回転差と縦横Gが影響していることを、聞いた話でなく、しっかり「数字で」把握できました!

これが一番大切なことですね^-^b

これで、サードパーティーのアテコンなりオリジナルE-TSkaiユニットの製作なども、しっかり評価できる環境が整いました。
※同じ走りが再現出来るかどうかは別として(笑)

一方で、アテーサE-TSが万能でないということも、段々理解できてきたような気がします。

アテーサE-TSは、フロントタイヤへの伝達トルクを増すことはできても、リアタイヤよりも回転を上げることは、構造上絶対に無理だということです。

これは即ち、4輪グリップ領域でのトランスファーロックアップは、コーナーだと大きなロスが発生(フロントタイヤが転がらない、ブレーキがかかる感じ)ことであり、フロント回転数=<リア回転数となっている領域でこそ、その本領を発揮するモノ、ということです。


さて、こうして得た貴重なデータを基に、何をパラメータとしてどこを制御すれば、理想の動きとなるか・・・。

試行錯誤は続きますが、なんとかモノにしたいと思います*^-^*
Posted at 2014/07/20 22:40:43 | コメント(4) | トラックバック(0) | 車いじり | クルマ
2014年07月01日 イイね!

ゆうでん32R号のパワーFCセッティング。

ゆうでん32R号のパワーFCセッティング。この記事は、パワーFC実走セッッティングについて書いています。


大変遅くなってしまいましたが、ゆうでんさんのBNR32のパワーFCセッティングを行いましたので、こちらについて、ご報告を兼ねてブログアップしたいと思います(ご本人様了承済み)。

さて、私のBNR32の燃調セッティングは、純正ECUのROMチューンで、パワーFCの扱い自体は本当に素人です^^;

何を隠そう、パワーFCでRB26をセッティングするのは、今回で2度目(1回目はみん友の空線号)で、かつゆうでん32R号のRB26は、インジェクターも、エアフロも、容量の大きなものに変更されていたため、思った通り時間がかかってしまいました(^^;)

セッティングするエンジン、補器類のおおまかなスペックは、以下の通りです。

・ノーマルエンジン(かな?^^;)
・メタルヘッドガスケット
・ハイカム
・HKS GT-SSタービン
・Z32(VG30)エアフロ
・SARD534ccインジェクター
・HKS スーパーパワーフロー
・アルミパイピング
・ARCインタークーラー
・緑整備?タービンアウトレット
・緑整備?フロントパイプ
・緑整備?スポーツキャタライザー
・緑整備?チタンマフラー

元は緑整備で作られたクルマのようで、見た目からもしっかりしている印象です。これをBCNR33純正ECUベースのROMチューンで制御されていました。



ブースト設定は1.3k、グラフを見てわかる通り、非常に綺麗な出力特性で、文句のつけようもない、見事なグラフです。しかし、サーキットを周回することを前提にすると、A/Fや点火進角で少々気になるところが・・・。

ゆうでんさんもその辺りが気になるそうで(ショップの方や、私の印象も同じでして^^;)、パワーFC導入の運びとなったようです。

さて、いつも通りの長い前フリもここまで、早速セッティングです。初期の燃料周りのセッティング(インジェクター係数、無効噴射時間)で少々時間がかかったものの、街乗り等の低速低負荷領域から徐々にセッティングしていきます。


そしていよいよ全開セッティングへ。最初は甘めのセッティング(ブーストは0.9k~)で、取りあえず様子見です。各種センサー出力値はこんな感じに。



甘めセッティングとはいう物の、そこはRB26、充分に速いです。で、車速の伸びも悪くないなぁと思いつつ、パワーグラフを描いて特性を確認すると、高回転域(6,000~7,000rpm)でトルクの谷がありました。



A/Fやエンジン負荷を見ながら、基本燃料マップで補正していき、数本トライ。

どうでしょう?このグラフから違いはわかりますでしょうかσ( ̄∇ ̄;)



この違いを、パワーグラフが一目瞭然にしてくれます^-^v



このときには、ブースト設定は1.3kまで上げてます。

※ちなみに、元の緑整備でのデータと比較した場合の、馬力やトルクの絶対値は、それぞれのツールの違い(50ms毎@Nissan Data Scan、100ms毎@パワーFC)というログの細かさの違いもあり、あくまで参考地です。

たった数回の全開加速で、人間(私)の体感センサーはすぐに麻痺してしまいますが、機会は正直といいますか、こうしてみると、しっかり違いが把握できるのが判ると思います。

緑整備のものと軌跡は随分違いますが、これは狙った通りの特性であり、既にこの時点で80点は十分与えられるデキです*^-^*

ただ、人間欲深いもので、5,500rpmの僅かなトルクの凹みをもうちょっとだけフラットにできないか・・・。

そして、事件は起こりました・・・。

加速開始してからどんどん湧き上がる怒涛のトルク、そしてトップエンド辺りのはずなのに、終わりの無い伸び感・・・^^;

・・・ていうか、ちょっとこの加速、ちょっと怖いレベル・・・。

しかも、途中から何かピーピー鳴ってるし・・・@@;



このグラフを見る時点で、既に異常事態が発生していることが判ります・・・。

・・・なんか、INJ開弁率が100%で貼り付きA/Fも11.0⇒12台中盤・・・>_<

このパワーグラフは、というと・・・。





















@@;!!!!!!

・・・ヤ、ヤバイです@@;

最大馬力600psオーバー、トルク70kgm・・・。


そりゃ速いわけですね・・・。というか、なるほど、あれだけ速ければ、流石に体感加速が麻痺していた私でさえ、その異常さを感じることができたわけですね・・・@@;

こうなった原因はブーコンの暴走!?なのか、ブーストログで1.99kが記録されていました・・・。

水温は80℃台前半、超絶ハイブーストながらも、ブーストのインターセプト付近で、多少点火リタードデータを読んでくれてたみたいですが、それにしてもエンジンが無事で良かったです・・・。

これに多少懲りて^^;最大ブーストは1.15~1.2kへ落とし、再セッティング・・・。



そして、パワーグラフ・・・。



グラフでは、僅かにラインのブレが見られるものの、夜が明けて周囲がだんだん明るくなってきたこともあり、一旦切り上げ。

昨晩、僅かに修正を入れましたので、この辺りの修正ができているか、次回の走行チェックで確認したいですね♪

それにしても、あの加速は色んな意味で本当にヤバかったです・・・^^;
Posted at 2014/07/01 23:05:52 | コメント(3) | トラックバック(0) | 車いじり | クルマ
2014年06月29日 イイね!

アテーサE-TSkaiユニットを開発中*^-^*

アテーサE-TSkaiユニットを開発中*^-^*ここのところ、アテーサE-TSkaiユニットの開発にかかりきりで、ブログアップはおろか、BNR32に乗る事自体が減っていました^^;

まぁ季節も梅雨時期で、天気も微妙な日が多いので、ユニット開発してなくても、乗る機会は減っていたかもしれませんけれど。

で、開発の進行状況ですが、ユニットの開発自体は順調ですが、しかし開発を進めていくうちに欲も出てきて、そこの部分で少し難航しています^^;

このアテーサE-TSkaiユニットの中身については、ほとんどブログで触れていませんが、少しだけご紹介、というか、記録を残しておこうと思います。

そもそも、アテーサE-TSkaiユニットを作ろうと思ったきっかけですが、こちらにあるとおり、リアLSDを強化することによって減少してしまった、フロントトルクの特性(特にコーナー立ち上がり)の改善です。

そして、こちらがそのために考えているユニットの、機能ブロックのイラスト(構想)です。



これ見てピン!と来る方、なんじゃこりゃ?と思う方、それぞれだと思いますが、ほとんどの方は後者だと思います。

このユニットを簡単に言葉で説明すると、

①車輪回転/前後左右G/スロットル開度信号を受信し、

②アテーサET-Skaiユニットで演算し、

③車輪回転信号を出力する

ものです。

まぁ、絵のとおりと言えばそうなのですが、アテーサE-TSがフロントトルク配分を計算する上で、最も制御のベースとなる入力信号が車輪回転信号であることは、LSDを強化してリア内輪空転減少→フロントトルク配分がガッツリ減ったことからも、明らかだと思います。

であるならば、条件を決めて前後回転差を意図的に「与えて」やれば、間違いなくフロントトルクは「増える」でしょう。

私の目的が、「リアLSD強化したことによるフロントトルク配分減少を、元程度に取り戻すこと」とするのであれば、その対処策は「アテーサE-TSユニットに対して、リアLSDを強化する前程度に前後回転差を与えてやる」ことで、理屈の上では事足りるハズです。



ただ、最も気をつけなければならない事は、この車輪回転信号は、ABS制御においても最も基本となる信号でもある、ということ。

ABS無しの車輌も公道/サーキットどちらも走れますし、実際走っていますが、しかし「突然」ABSが効かなくなる車は無いはずです(あったとすれば、いわゆる故障ってヤツです^^;)。

GT-RのGセンサー出力って、縦横2軸出力ですが、縦方向のみ2系統(2重化)されている事はご存知でしょうか。

専門の技術解説書を詳細に確認したわけではありませんが、ABS制御時には、タイヤは半スリップ状態であることから、車体速度と車輪回転速度が一致しません

車速をGPS等ほかの手段で計測しない限り、通常ではこの4つの車輪の回転(ミッション回転数も結局同じことですね)から実測または計算することにより求めています。

このときの演算パラメータとして、「これ以上の減速加速度はありえないだろう」という上限として、1.2G前後の最大減速加速度が設定されています。

ですので、もしこれを超えるような減速加速度が車輪回転信号から計算されると、ABSユニットがタイヤがスリップ過大と判定し、ブレーキ油圧をリリースしてタイヤを転がして、グリップを回復させてやるわけです。

以上のことから、車輪回転信号、前後G信号ともに大変信頼性を求められるものであることがわかると思います。

ですので、「やる」以上は、不安の残るようなものは絶対NGで、これであれば安心、間違いない!という作りでなければ、装着する事は絶対に出来ません。

ユニットを「作るだけ」ならば、この程度のものは、当時より格段に進んだテクノロジーのおかげで、安価に簡単に信頼性の高い部品が使えますが、どう組むか、どういうプログラムで実現させるか、出来上がったものをどう評価するのか、といったところに、今回の開発の重点があります。



最後の「どう評価するか」ということはとても重要で、「私」一般人の「体感センサー」ほど、信頼できないものはありません(笑)。

自分でセッティングした純正ECUロムチューンのとき然り、PowerFCセッティングした空線号、ゆうでん32R号のときも、体感OKのセッティングでも、ログ録りして解析すれば、必ずどこかにトルクの山や谷が残っている・・・。

ログはそういったときに、「どれくらい」、「どのように」対処すればいいかを教えてくれますし、それこそ人間(ただし一般人に限るw)の感覚を超えた領域までセッティングを詰める事ができます。

これを実体験で知っているからこそ、今回のアテーサE-TSkaiユニットのロギング(アテーサロガー)は、完璧に詰めたい(作りたい)ところで、現在必死に格闘している部分です。



この評価システムの良し悪しによって、出来上がってくるユニットの性能も決まってきますので、ここはどうしても手が抜けません。

パソコンいじって速くなる、某マンガのFC乗りと違い、私はクルマのECUをいじって車に速くなってもらおうと思っています(笑)。
Posted at 2014/06/29 12:05:36 | コメント(9) | トラックバック(0) | 車いじり | クルマ
2014年06月08日 イイね!

BNR32純正強化LSDってどんな感じ!?

BNR32純正強化LSDってどんな感じ!?今週末は、晴れ時々曇り、または雨・・・、ってなんでもありかいっwてな天気予報でしたが、晴れ間の方が長く、作業するには助かりました・・・が、蒸し暑かったですね^-^;

先週末に、2ピースローターのボルト折れの件で、精神的に少々お疲れモードではありましたが、こんな時に限って、色々な条件が噛みあってしまう・・・。

話がトントン拍子で決まってしまい、この週末2日を使って、一気にLSDを交換してしまいました^^;

本当は、もう少し長くかかると見込んでいましたが、なんか目に見えない巨大な力で、無理矢理前進させられているような気がしないでもない・・・、と思うのはきっと気のせいですよねw

ことの発端は、某所で販売されていた、「BNR32純正LSD」を見つけてしまったことでした。

BNR32純正LSDのカム角は、ドライブ側/コースト側が、共に45°の2WAYってことで、一般的に良く知られていると思いますが、この商品「BNR32純正LSD」の写真は、ドライブ側/コースト側共、約65°もある、アフター物の2WAYのような感じ・・・。



フリクションプレート(FP)、フリクションディスク(FD)等の枚数は、純正デフ玉を使っている以上、おそらく純正と同数で、片側5枚(もしくは改造6枚)構成、なので、FP/FD部は10~12枚、かつデフ玉が小さめなので、アフター物よりは、ロック率は小さいハズ。

ここ最近、私なりに考えた、BNR32のLSDに求める性能としては、

・低イニシャルトルク(6kgm程度)
・ハイレスポンス
・ほどほどのロック率(完全ロックしない方がいい)

でした。カム角が65°品であれば、アクセルレスポンスは、45°品よりも良くなるでしょうし、純正デフ玉であれば、アフターもの程のロックはしないのでは?と思いました。

そして、プライベーター感全開wの、イニシャルトルク測定



結果、約80Nm(8kgm)であることが判明!これ位なら、とりあえずでそのまま組むだけでイケる♪



これが先週の木曜日の夜の出来事。翌日の金曜日の午後、日産に必要パーツを発注し、何時頃作業しようかなぁ、まぁゆっくり考えよう、と思っていたところ、空線さんからTELが。

空線「みんカラ見ました。今週末、デフやりますか♪」

たとも「えっ?今週イケるの?でも、必要純正パーツ、さっきっ頼んだばかりだし・・・。あ、でも納期聞いてなかった。ちょっと電話で聞いてみる。」





たとも「もしもし?日産プリンスさんですか。さっき依頼したデフのパーツのことなんですが、納期はいつぐらいでしょう?」

日産「全て本社(相模原)に在庫がありましたので、明日の9:00には着きますよ!」

たとも「・・・わ、わかりました。よろしくお願いします(心の声:こっちは四国なのに、日本の物流、ハンパねぇ@@;)」





たとも「あ、空線さん?明日、パーツ揃うらしい。でも、デフやってたら、足(クルマ)ないし、(空線さん)電車やろ?店にパーツ受取や、オイル買いにいかないといけないし、車無しだと無理っぽくない?」

空線「いや、家のくるまがあるので、問題ないですよ♪」

たとも「・・・じゃ、やりますか(心の声:梅雨の晴れ間、それに空線さんという強力な助っ人が整ってしまった!もう、やるしかないね♪)

・・・てな具合です。

で、翌日、これらを受け取って、



デフ降ろして、



デフ組んで、



デフ載せて、



走ってきましたw



走った感想は、パーツレビューにまとめていますので、もしよろしければご覧ください。

また、デフ交換作業は、月曜日のCBR さんの整備手帳が非常に判り易く、大いに参考にさせて頂きました。ありがとうございます。

BNR32は、純正でも機械式LSDですが、しっかり効かせれば、走りが激変します。

これでまた一つ、BNR32の封印を解除する運びとなりました^-^v
Posted at 2014/06/08 22:06:45 | コメント(8) | トラックバック(0) | 車いじり | クルマ

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「雨上がりなので誰も来ないかもしれないなぁ☀️」
何シテル?   06/15 10:40
【所有車歴】 S13→HCR32→S15→JZS171→BMW F10→ 走りのBNR32、上質さとゆとりを愉しむW212、更なる非日常を求めたCBR600...
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