
原子力発電についての正しい知識と、環境放射線モニタリングなどの安全対策や防災対策について知るため、住民を対象とした原子力関連施設の見学バスツアーに参加してきました。
2年前にも同バスツアーに参加してるので、これで2回目のリターンズです。
2年前のブログ:
原子力関連施設の見学バスツアーに参加 とほぼ内容重複いたします。
バスで巡り見学する原子力関連施設は以下の3箇所です。
①原子力防災センター 9:15~10:10
②原子力環境センター 10:30~12:35
③原子力発電所 13:00~15:25
朝の集合場所であり最初に見学する原子力防災センターには、一日駐車出来る場所が無いため、マイカー利用せず公共機関の路線バスを利用して向かいました。
早い時間に近くのバス停に到着してしまったため、時間調整で最寄りのお城に寄ってみました。
まだ朝早くて城内にはほとんど観光客おらず、清掃作業の方たちの姿が見えるだけ。

本丸です。 人がいなくてオールクリアーな状態で撮影出来ました。
国宝の天守閣を眺める。

ここで引き返して原子力防災センターに向かいました。 歩いてすぐ近く。
朝の集合場所であり最初の見学地である原子力防災センターに到着です。

3階建(一部4階建)。 原子力災害対策特別措置法に基づく緊急事態応急対策拠点施設に指定。
建物の横に空間放射線量のモニタリングポストが1局設置してあります。(画像左)

原子力発電所の周辺地域にこのモニタリングポストが24局設置されており、測量データを2分置きに原子力防災センターに伝送して、異常が無いか集中的に監視しています。 画像右の電光パネルには各地のモニタリングポストから伝送される現在の測量データが切り替わり表示されていました。
原子力防災センターの3階が受付&集合場所。 全体会議室に通され着座する。

全体会議室とは、原子力災害時に各関係機関の職員が集まり、緊急事態対応方針の確認や事故状況、モニタリング情報等の報告など関係機関相互の情報共有を目的とした全体会議をするための場所です。 内閣総理大臣官邸、原子力規制庁、県庁及び市役所などとの間を結ぶ、テレビ会議やモニタリング情報等各種データを表示するための大型表示装置が設置されています。
今回集まった見学バスツアー参加者は定員50名のところを全員で22名でした。

ここでは、県の原子力安全・防災対策や国の原子力防災体制などについて説明がありました。
その後、原子力防災センター施設の見学を。 まずは3階から。
緊急時対策支援システム(ERSS)

発電所で緊急事態が発生した場合に、発電所から常時伝送されている原子炉の水位などの発電所情報を表示し、発電所の状態を把握するとともに、事故の進展予測(放出放射線量、放出開始時刻などの予測)を行って、応急対策の実施を支援します。
その他、緊急時モニタリングセンター(EMC)、気象情報システム、広報用のシステムらを見学。
2階に降りて、国・県・市の各防災関係機関用ブース、原子力規制事務所、資材倉庫などを見学。
(2年前は2階部分の見学は無かったので初見学。)
1階に降りて、車庫で見つけた原子力防災車。 屋根に赤色灯が装着してある緊急車両。

この車が赤色灯を光らせて走る姿は想像したくないですね。
放射線防護対策設備。

放射性物質を除去するフィルターを通して、施設内に外気を送り込み、施設内の気圧を高めます。 (航空機内のような気圧を高めた状態にする)
原子力災害発生時、原子力防災センターは最後の砦として応急対策を行う拠点施設となります。
ここでバス移動となります。

原子力防災センターから10分ほどバスに揺られて。
到着したのは原子力環境センターという施設。

原子力環境センターとは、原子力安全・防災対策の体制強化として設置され、周辺地域住民の健康と安全を確保するため、環境放射線監視や放射性物質の調査などを行うとともに、広報機能として研修や情報提供も行う施設です。
研修室に通され、3班に分かれてテーブル席に座りました。

ここでもらった資料とハンドタオルです。
2年前にももらったオリジナルキャラクター?のハンドタオルが嬉しい。

男の子がモニ太、女の子がリング。 それと犬のシャインと鳥のスカイ。
環境センターの研修室では、放射線測量の体験実習を行いました。
放射線は、人の五感(視覚・触覚・聴覚・味覚・臭覚)では感じることが出来ないので、放射線測定器で調べます。 測定器を使って主な放射線であるα線、β線、γ線の性質を体験してみます。
なお、測定の値は、ある時間当たりの放射線の総量を示す線量、μSv(マイクロシーベルト)です。
アルファ線(α線)測定器

アルファ線(α線)は、陽子2個と中性子2個からなる粒子。
透過力は極めて小さい。 物質を透過しにくく、薄い紙や皮膚の表面近くで完全にエネルギーが吸収されてしまう。(紙一枚で止められる。)
体外からの被ばくはほとんど考えなくてよいが、α線を出す物質が体内に入ると危険度が高い。
ベータ線(β線)測定器

ベータ線(β線)は電子。
透過力は小さいが、α線の数100倍ぐらいの透過力を持っている。(厚さ数mmのアルミニウムやプラスチックで止められる。)
体外からの被ばくは皮膚表面だけが問題。 β線を出す物質が体内に入ると、体内組織に影響を与える。
α線、β線については、ウラン鉱石とか様々な物質の放射線を測定してみたりして実習。

距離を離してどうなるかとか、紙やアルミ板で遮るとどうなるとか、体験して学習した。
ガンマ線(γ線)測定器。

ガンマ線(γ線)は、電磁波。
透過力が大きく、身体深くまで到達する。 (鉛やコンクリートなど密度の高い物質で止められる)
体外からの被ばく原因の主要なものである。
γ線の測定については原子力環境センターの職員さんが実演するのを見守りました。

線源にプローブ(検出器)を向け線量を測定。 徐々に距離を離して線量測定値の変化を調べる。
測定値と距離とをグラフにすると、反比例することが分かる。 原子力災害時はなるべく遠くに避難することが大事。
実習の後は施設内を見学。
農畜産物、海産生物、土壌、水、浮遊粉塵などに含まれる放射性物質の種類と量を測定するため、その前段階として測定しやすい状態にする資料前処理室を訪れてます。

採取したものを、蒸発・濃縮・乾燥・灰化などして測定しやすい状態にするのだとか。
次に、環境試料中に含まれるβ線やγ線を放出する放射性物質の量を測定分析する核種分析室。

放射能調査・測定する機械の前で難しい説明を受ける。
モニタリング機材室では、持ち運び可能なモニタリングポストなどを拝見。

この可搬式モニタリングポストを各地に置いて、より細かい地域の測量データを取得できます。
左:防護服です。

右:汚染検査の機械。 防護服脱衣後、身体に汚染が無いか最終確認します。
施設見学後は研修室に戻り、嬉しいお昼ご飯の配給を受けました。

原子力関連施設見学バスツアーはお弁当とペットボトルお茶が出る。 どうも、ご馳走様でした(^^♪
お昼休憩の後、再びバスに乗って最後の見学地である原子力発電所へ向かいます。
まずは、原子力発電所の隣りにある見学施設の原子力館を訪れました。

普段から自由に見学できる施設で、原子力発電所の仕組みや電気エネルギーの大切さを学習できます。 海抜150mの高さにあり海がよく見える。 ここからは夕陽が綺麗に眺められそうです。
原子力館受付のお姉さんが綺麗で素敵でした。(*^^*) ホールの中に通されて。

ここでは、原子力発電の仕組み、原子力発電所の概要などの説明を受け、広報ビデオも視聴する。
原子力館でもらったパンフ、シャープペン、メモ帳です。(帰宅後撮影)

シャープペンはウラン燃料(ペレット)実物大模型付きペンシルであるとのこと。
そして、またまたバスに乗り込み、いよいよ原子力発電所の構内へと入っていきます。
しかしながら、やはり原子力発電所構内の撮影はNG牧場でした。

ゆっくり走るバスの中から構内を見学します。 職員の方が分かりやすい説明をしてくださり、時間もたっぷりと見学出来ました。 高台でバスを停め、寒空の下いったん外に出て構内を見渡し眺める場面もあった。
3つある原子炉は現在稼働していません。 1号炉(廃炉措置計画認可を受領)、2号炉(再稼働のため適合性審査を申請)、3号炉(建設完了し、適合性審査の申請準備中)、海抜15mの防波壁、高台にある免震重要棟などなどを見学しました。
この後、運転士の運転訓練シュミレータ施設も見学。(写真撮影NG)
再び、原子力館に戻り熱の入った質疑応答が交わされて見学は終了です。
原子力関連施設見学バスツアーは、朝の集合場所であった原子力防災センターに戻って、16時頃そこで解散となりました。 お疲れ様でした。
丸一日たっぷりとバスで巡る貴重な見学会でしたね。 大変ありがとうございました。
今回は、難しく地味な内容のブログとなってしまいました。 申し訳ございません。<(_ _)>
最後に夜カフェに行く機会がありましたので、この癒しの画像でフォローいたします。

落ち着く空間で美味しいコーヒーとシフォンケーキを頂きました。 どうも、ご馳走様でした(^^♪