その2からの続きで、今回は戦後~現在に至るまでの展示をご紹介していきます。
まずは「米欧日 それぞれの再出発」をテーマにした展示より。
①フォード・ファルコン(米)
②シボレー・コルベア(米)
ポルシェやVWビートルと同じくRRで空冷の水平対向エンジンを搭載したモデル
ですが、初期モデルに於いてリアサスに起因する操縦安定性の欠陥を指摘された
ことで、後期はリアサスの構造を見直してその問題が解決されたにもかかわらず
販売が低調になってしまい、悲運のモデルとして語られています。
③シトロエン2CV(仏)
VWビートルや後述のミニとともに一度も大きなモデルチェンジがないままに
40年以上ものモデルライフを送り、(アミ6やメアリなど)派生車種を含めると
500万台以上生産されたベストセラーモデルですが、開発コンセプトが非常に
ユニークなことでも知られ、どんなものか?は下述の通り。
時は1930年代・・・
フランスの田舎町では農民たちが手押し車や牛馬の曳く荷車に輸送を頼って
おり、かつ当時のシトロエンのラインナップに小型大衆車が欠落していることに
(当時副社長だった)ピエール・ブーランジェさんが気付き・・・
・50kgのジャガイモ及び樽を載せて走れること。
・60km/hで走れること。
・3リッターのガソリンで100km以上走れること。
・荒れた農道を走行できるのみならず、カゴ一杯の生卵を載せた上で荒れた
農道を走行しても卵を割ることなく走れるほど乗り心地が快適なこと。
・シルクハットを被ったまま乗り込めること。
など普通に考えたら有り得ない条件を技術陣に提示し、さらにその上で当時の
農夫たちでも買えるような値段にすることも命じて開発させて世に出しましたが、
当初は主にマスコミや上流階級の人々から「ブリキ小屋」とか「缶詰」などと揶揄
されたりで評価は芳しくありませんでしたが、いざ売り出されると・・・
農民を含む庶民に大いに受け、開発コンセプトの正しさが証明された
ばかりか、上述の通り40年以上もの間に大きなモデルチェンジもなく
モデルライフを送ったんですから分からないものです。
④モーリス・ミニ マイナー(英)
今さら多くを説明するまでもなく初代ミニですが、イギリスの自動車工業界の
状況を反映してか、生産及び販売する会社が変わっても40数年もの間作り続け
られたモデルですが・・・
途中でVWビートルに対するタイプ3及びタイプ4、2CVに対するディアーヌと
同じく、ミニもオースチン・メトロを後継車種に据えたにも拘らず・・・
そのメトロが思ったよりも売れず、結果的にミニよりも先に生産~販売中止と
なったから皮肉なものですし、ビートルや2CVと同じくミニがいかに偉大か?が
伺える話ですね。
⑤BMW イセッタ(独(大元を辿れば伊ですが))
第二次大戦が終わってから数年はドイツを含むヨーロッパ諸国に於いて、経済
復興の道半ばで多くの人々がちゃんとした車を買えない状況だったのに加えて、
1956年のスエズ危機の影響で原油の供給が不安定になったことも相まってか、
ちゃんと屋根がついたスクーターのようなマイクロカーが一時的ながら人気を
博しておりましたが、BMW イセッタもそれに当たります。
ちなみにこちらのモデルは元々イタリアのイソ社で作られたイセッタをBMWが
ライセンス生産したものですが、最終的にはイソ社のイセッタよりも生産台数が
多くなったそうです。
⑥トヨタ・ランドクルーザー(20系)
現在まで続くランドクルーザーとしては初代に当たるモデルです。
この次の代の40系が日本のみならず海外でも支持され、そのまた次の70系に
モデルチェンジされるまで20年以上も販売され続けたロングセラーモデルと
なりました。
⑦フライングフェザー(住江製作所)
現在も会社が存在する住江織物さんの子会社である住江製作所さんが50年代
中期に製造~販売した軽乗用車ですが・・・
四輪独立懸架の足回りや徹底した軽量化などは目を瞠るものがありましたが
あまりにチープなことで市場からは受け入れられず、メーカー自体も経営的に
余裕がなかったために発売から1年で生産中止となり、販売台数は50台にも
満たなかったそうな(´;ω;`)
ちなみに「三丁目の夕日」(漫画)や「プロジェクトX」でもこの車が取り上げられて
おりました。
⑧スバル360
日本の初期の軽自動車を語る上では外せない存在。
元々富士重工(今のSUBARU)のルーツが中島飛行機だっただけに、航空機の 技術を応用したモノコックボディを採用したことで車重が軽く、かつサイズ
からは考えられないほど室内が広く取られ、ファミリーユースにもなんとか
対応できそうなレベルなのが受けたのか、1958年の登場から1970年に生産
及び販売が中止されるまで40万台近くを売る大ヒットとなりました。
今回はヘタッピな解説を加えて無駄に長くなっちゃいましたので、その後の話は
また改めさせていただきますm(_ _)m
Posted at 2021/08/10 05:37:11 | |
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