戦前は、普通のバイクに側車を取り付け競ってたサイドカーレース。ニーラー登場で(こっち参照)オリジナルの車体に、既存のエンジンを使うレースになった。
積載するエンジンはBMW製がスタンダードになった。なんと、1954年から1974年までの21年間、チャンピオンはすべてBMW製という独占状態。
単にボクサー・ツインというエンジン形式が、低重心でサイドカーに適してたってだけじゃない。BMW社が、国威高揚のためにドイツ人にスペシャル・エンジンを供給してたという裏の事情もある。
BMWエンジンでなけりゃ勝負にならないという状況を打ち破ったのは、2ストエンジン。
70年代半ば、ルディ・カースが造ったコレは、TZ350に1気筒加えて500cc3気筒としたマシン。なんと、側車側のホイールもステアするという独創的な仕組み。
'77年のドイツGPでは、普通の2輪レーサーより速いラップ・タイムを記録したことからも、いかに革新的だったかが分かる。
これで驚いてちゃいけない。翌年の'78年にはもっと凄いのが!
この『BEO77A』は、側車のタイヤを後輪と同軸上に配置し、両輪を駆動。それまでライダーが抱え込むように搭載されていたエンジンは、パッセンジャーの後方にレイアウトされている。車でいえばミッド・シップというところだろうか。
側車に乗ってたパッセンジャーは体重移動の必要が無くなり、単に座っているだけ。パッセンジャーがコーナーの左右に応じて体重移動する必要が無くなったんで車体は安定しており、オーバー・スピードでコーナーに突っ込んでもスピンや転覆せずドリフトするだけだった。
速いことは速いのだが、「これは、もはやサイド・カーじゃない」というクレームが他チームから出て、'79年にはレギュレーションが変更になる。
従来通りの「B2Aクラス」と、革新的なマシンの「B2Bクラス」に分離されるのだ。
なんと、このB2Bクラスのレーシング・サイド・カー、タミヤからラジコンとして発売されてたことがある。
…ちょっと長くなったんで一区切り…続く。
Posted at 2025/01/24 00:20:13 | |
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