THE TALLのブログ一覧

　今年の夏ぐらいからだろうか、軒下にやたら大きな蜘蛛の巣が張る。写真じゃぁうまく写らないのだが、肉眼だとやけに目立つ。

　蜘蛛が巣を張ったとて、別に実害はない。
　それどころか、巣一面に雨上がりの雫が着こうものなら、真珠のネックレスさながらの輝きを放つのである。


　とはいえ、竿を持ち出して巣を払う。

　ふと見ると、コンクリートの上に、その主が落ちた。

　カンダタでも踏み潰さないだろうこの宝石、小生もそっとしておいた。

　お釈迦様は罪深い小生にも糸を垂らして下さるのだろうか。

　郊外の渓谷が紅葉の見ごろだという。薄暗いうちに起き出し出発。
　
　冷え込んだ朝。前日の好天で地面が温められていたのだろう，行く手に朝もやが立ち上っている。


　朝もやの中に飛び込む。

　渓谷には，まだ朝日が差し込む時間ではなく，紅葉の輝きも今ひとつ。

　もう霜が降りる季節なんだ。

　哀愁が漂うすすき。

　寒いはずだわ。１℃しかない。

　ぐるっと回って峠を越え，ダム湖へ。湖面にも靄が立ち込めている。

　そうこうするうちに，背後の山から朝日が顔を出した。とたんに輝く紅葉。

　このダム湖畔の展望デッキの傍には，こんこんとわき出る山水が。自転車トレーニングに明け暮れていた頃は，この水をボトルに詰めて走り出したもんだ。柔らかくて甘みがある水なのである。

　もたもたしてたら，朝飯の時間が遅くなる。急がねば…と前方の車道ど真ん中に黒い物体が点々と…

　そろそろと近づくと…逃げようとはしない。

　猿の群れやんけ。

　この辺りは平年でも２m以上の積雪がある山間部。彼らにとって，きびしい冬がやってくる。

　がんばれ。生き延びろよ。