THE TALLのブログ一覧

　昨年に他界した父の最後の車がパッソだった。体調が悪いと，このパッソに乗って病院に向かったのが最後。それっきり父が運転することは無かった。
　信長ふうに言うなら，“是非に及ばず“だろうか。

　小生とて他人ごとじゃねぇ。
　最後には乗りたい車に乗っておこう。パッソ代替だ。
　

　選ぶにあたって…

　「走ることそのものを目的として造られた車！」

　これは外せない。

　何人乗れるとか荷物がどれだけ載るだとか…んなことから解放されるのじゃ。それはヴェルファイアにお任せなのである。

　といっても…

　「力を抜いて乗れる車！」

　目を三角にして攻めるのはバイクで十分。気楽にスポーティーってのがいいのである。

　それで…

　「現行車！」

　旧車はメンテナンスに手間がかかるのはバイクで痛いほど知ってる(笑)。メンテナンス・フリーでなきゃ。

　おまけ…

　「ATでいいわ！」

　軟弱なって言われそうなんだが，昨今のATは侮れない。ブリッピングさえ自動なんだから。峠を攻める歳でもないしな…。（ってCobasやR1-Zでサーキットを走りまわってるヤツの言うことじゃないんだが…笑）

　こう考えると…

　グランド・ツーリング・カー（もはや死語か？）的な車がイイんである。

　前回のブログ（こっち参照）で，“指をくわえて見てた“と書いたが，本当にそうだろうか？

　小生も含め，世の中の人の多くはこういう。

　「欲しいけれども，そんな車は買えなかった」

　でも，厳密に言えば，「買えなかった」のではない。「買わなかった」のである。

　２シーターだから？　荷物が積めないから？　維持が大変だから？

　それを望むなら，別の車種を選ぶはず。そういう不便さを凌駕するだけの購買意欲が無かっただけ。

　資金がなかったって？

　マイ・ホームをあきらめて生涯賃金を全部ブッ込めば，大概の車は買えたはず(笑)。優先順位の筆頭にするだけの購買意欲が無かっただけである。

　マイ・ホームを建てるか，それともストラディバリウス買うか，カウンタックを手に入れるか。それは人それぞれの価値観の問題である。別の物を優先したのは，その程度の“欲しさ“でしかなかっただけである。

　

　“終の愛車“を考える前に，車歴をふりかえってみよう…
　小生，免許を取ってから手元にあったバイクは，常に乗りたい車両だった。

　でも…車はそうじゃないんだな…(-_-;)

　最初の4輪愛車は「ランサーEX　1600GT」。
　テンロクのSOHCで，80PSほどと非力。でも，パワーウィンドーだなんだとゴテゴテした装備が一般的じゃない時代，けっこう軽量で１トンを楽に切ってた。だから，走らせればなかなかバランスのいい車だった。
　とはいえ…ホントに欲しかったのは「1800GSR」，俗に言う「ランタボ」だ。

　指くわえてランタボ見てたわ(笑)。


　ランサーを買い替えなきゃならないころ…世間にはスポーツ・カーがわんさか！

　頭文字Dに出てくるような車がずいぶん走ってた。でも，ちょうど結婚した時期だったんで，指をくわえてそれらを眺めながら…買ったのは「ギャラン」！

　おぉVR-4じゃん…なんて思うでしょ。違うんだな(笑)。

　バンパーやリアスポイラーはVR-4と同じ形。外見はそっくりなんだけど，選んだのは格下グレードの1800㏄。一応はDOHCだが，スポーツセダンの形をした，単なる普通の乗用車(笑)。(-_-;)

　えぇ…指をくわえて見てましたよ，VR-4を(笑)。

　そうこうするうちにミニバン・ブーム到来。父や母と同居だったんで，手に入れたのは「ハイエース・レジアス」。

　子どもを乗せ，あちこち家族旅行に出かけたなぁ…もちろん，すれ違うスポーツカーを指くわえて眺めながら(笑)。

　着脱式シートだもんで自転車競技にも重宝。なんせ４人乗って自転車４台を車内に積みこめた。これで鈴鹿サーキットの自転車レースにも，10年以上に渡り毎年参戦。

　

　20年もレジアスに乗り，さすがに故障が目立ってきて買い替えたのが，現在の「ヴェルファイア」。

　スーパーカー・ブームの洗礼を浴び，富士のF1も知ってる。それ以来，ず～っとスポーツカーに憧れながらも，乗ってた車はそれとはちょっと縁遠いのだ(笑)。

　常に指をくわえて眺めてたのである(笑)。

　

　

　“終の棲家“という言葉があるが，車趣味人としちゃぁ“終の愛車“が問題だ。まともに身体が動く残り年数を考えると，そろそろ考えねばなるまい。

　最後に乗る車は当然ながら霊柩車なんだが(笑)，これはちょっと意味が違う。
（それにしても宮型の霊柩車って近ごろ見ないね。）

　
　それじゃぁ生きてて最後に乗る車は…ってたぶん救急車なんだろうな(笑)。これもちょっと除外。


　みなさんが“終の愛車“を選ぶとしたら…何にします？

　しばらくブログを放り出していた。ちょっと病んでたのかもしれない(笑)が，思うところは確かにあった。


　父の遺産分割協議書が出来上がった。土地家屋の名義変更などの手続きが残っているにせよ，一段落である。
　末期癌を宣告された父，何を思って死んだのだろう。
　認知症の母に至っては，自分の人生を省みることさえ不可能である。

　生きるとはなんぞや？
　俺の人生ってなんだろ？


　カウンターカルチャーの余波の中で育ち，若いころから『徒然草』や『方丈記』の影響を受けた小生も他人ごとではなくなってきた。
　そろそろ引き際を考えねば。

　心のおもむくまま，やりたいことはやっておこう。
　そう思ったら，ブログを書いてる暇さえ惜しくなったのである。