
シリンダーブロックのホーニング。
適正なクリアランスにするための作業であり、クロスハッチを形成して、油膜確保、耐久性向上のために行う・・・わけだ。
ところで、
ピストンメーカーのクリアランス推奨値ってありますよね?
例えばそれが、5/100だったり、CPなら広めで、7.5/100だったりする。
ピストンの使用する材料の膨張率によってもかわるのでしょうね。
でも、
クリアランスって、シリンダーのどこを測って言っているのか?
最大値で言っているのか、平均値で言っているのか?
その昔、とある加工屋さんにボーリング・ホーニングを出した時、
仕上がってきたものに検査表がついて来ていて、
依頼する際に指定したとおり、出来映えは、4つのシリンダー全部7.5/100って書いてあった。
今思えば、どう考え立って、0.1ずつ制御してぴったり合わせるのは難しいだろうし、
シリンダーの場所によっても違うはずだ。測定誤差もあるだろう。
そう考えると、
簡単に、7.5/100とは言い表せない気がする。
まあ、シロウト相手で、クレームも避けたいから、検査結果はきちっと合ってるよの意味で、書いてくれていたのであろう。こういう数値を見ると、一般の人は、まあ安心するよね(笑)。
ピストンメーカー推奨のクリアランスは、狙い値としては大切だし、逸脱するとトラブルの元だろう。
ただ、
そのエンジンが、レース向けであったり、例えばストリート向けであったり・・・
場合によっては、レースのドライバーの乗り方(回し方)によっても、味付けが必要だったり・・・
ピストンは純正なのか、社外なのか、どこのメーカーなのか・・・その材質は?
シリンダーブロックは、鉄なのか、アルミなのか・・・
オイラの勝手な想像だが、
単に、ピストンとのクリアランスを、零点いくつに合わせることが目標値なのではなく、
いろいろな要素があって、
ホーニングには相当なノウハウが必要なんだろう。
でも、
通常の内燃機屋さんは、加工してそれでおしまいが多いと思うのだが・・・、
そのエンジンの結果が、どうなったのか?、パワーは出たのか?
使用後のシリンダーやピストンの状態はどうなっているのか?
それをフィードバックして、さらに加工する。そして次に生かす。
結果を見ることで、技術が進歩する。
簡単には言い表せない技術が、きっとあるんだろうなぁと、オイラは想像している(笑)。
ちょっとでも、その何かを知りたくて、
例えば、今までシリンダーの加工が上がってきたら、一応寸法を測ってたけど・・・、
それってなにか意味があったのか?
いや、ないわけじゃないだろうけど、
ダミーヘッドつけないホーニング作業は、クリアランスをうんぬん言っても無意味だと言うよね?
じゃあ、ヘッドが無いと、シリンダーの寸法は、どう変わるの?
今回の実験エンジンは、数年前、とある86で使ってたブロックをもらって、そのままオイラが持ってたピストン入れて使っていたので、・・・ホットスタッフさんの加工ではない。
ご覧のとおり、今ではキズも多くなってる。
今回オーバーホールにあたっては、ホーニングでキズを消したいが、
ホーニング作業って、どんなんだろう(笑)?
その、ホーニングする気持ちが知りたくて・・・(笑)。
自分でやってみたくなったwww
まあ、精度は正直追求しないし、できない(笑)。実験エンジンだからいいかwww!
でも、
先に書いたとおり、ダミーヘッドがないと意味が無いんだよね?
う~ん、やっぱり、精度は追求しないといっても・・・
できることならダミーヘッドを付ける”意味”が知りたいよなぁ(笑)。
と、あれこれ考えて・・・
なんちゃってダミーヘッド作ったよ(笑)。
流石に分厚いのは無理だったから、15mm厚のジュラルミンでwww
IN/EX側の各ヘッドボルトも、それにあわせて少々短いヤツを準備。
ココまでの作業をするまでに、車庫内を20℃に保つ・・・
そうすると、日が暮れてしまった(笑)。
ホーニングには、巷で有名な?、コイツを使用!!
ドリルにつけて、マシン油つけて、
ホーニング~www
してみたけど・・・、
一応、クロスハッチできたけど・・・ホットスタッフさんより、目が粗いなぁ・・・(笑)。
比べるなってかwww
この工具使う場合は、もっと、回転数を早くして、ストロークスピードも早くしたほうがいいのかな?
はて、大丈夫なんだろかwwww(爆)
で、寸法測定だが・・・
まずは、洗浄後、ブロックが冷えたので、また温度が安定するまで待つ・・・。
その間、晩御飯でも食べる(笑)。
と言うわけで、いよいよ測定!
ダミーヘッドを付けた状態と外した状態で、シリンダーの寸法を測ってみる。
測定には、上死点から20mm、60mm、100mmの位置に穴を開けた治具を使う。
これはホットスタッフさんで教えてもらった。同じ場所を測るのに便利であるw
(ちなみに、ダミーヘッド厚み分ずらした穴もあけてある)
クランク軸方向
ダミーヘッド有り
20mm 60mm 100mm
#1 82.001 82.002 82.003
#2 82.004 82.005 82.003
#3 81.998 82.002 82.001
#4 82.002 82.001 81.997
ダミーヘッドなし
20mm 60mm 100mm
#1 82.000 82.005 82.006
#2 82.011 82.012 82.008
#3 82.001 82.007 82.005
#4 82.000 82.002 81.996
違いを見る限り・・・
わずかずつだが、ダミーヘッドが無いと大きめの寸法な感じ。
でも、意外とクランク軸方向は、上から下まで、ほぼ同じな感じだ。
それと、ダミーヘッドありの方が、数値もそろってる気がするので、気分はいい(笑)。
お次は、スラスト方向
コッチの方が大事な気がするよねw?
ダミーヘッド有り
20mm 60mm 100mm
#1 81.999 82.024 82.009
#2 81.997 82.016 82.004
#3 82.010 82.016 82.006
#4 81.992 82.023 82.005
ダミーヘッドなし
20mm 60mm 100mm
#1 82.004 82.037 82.023
#2 82.001 82.028 82.027
#3 82.013 82.024 82.017
#4 81.993 82.026 82.016
ヘッド上部の変化は小さいが、
なんとダミーヘッド有無で、シリンダーの下に行くほど、変化は大きいんだな。
ダミーヘッドつけると、引っ張られる感じ?下側が狭くなってる。
しかも、ダミーヘッドつきは、中央が広めのマタニティーホーニングになってるぞwww
サイドスラスト考えると、フリクションロス低減で、まっすぐ真円より、こちらの方が良い気がするよね(笑)。
と勝手に良いほうに考える(爆)。
ちなみに、ヘッドボルトに近い、ココだけは、ダミーヘッドが無いと、シリンダーが膨らんで少し狭くなってる。そう考えると、ダミーヘッドあったほうが良いよね!
自分でやってみて、何かがわかったのか?といえば、何も大してわからないんだけど・・・、
しかも、なんちゃってダミーヘッドだしwwww
でも、
これはこれで、エンジン組むの楽しみだなぁ^^;
うん、それだけ(笑)!
ただ、もともと広めだったクリアランスが、さらに1/100ほど広くなっちゃったので、ブローバイが心配だけどね。
ちなみに・・・
C男号のシリンダーブロックは、こちらで、プロがしっかり作業しています(笑)!
http://blogs.yahoo.co.jp/hotstaff_power/34576510.html
今回は○○な処理もwww
こちらの仕上がりも楽しみです!