
苫小牧を出港する太平洋フェリー「きたかみ」。

萌の丘で桜を見たつづき、苫小牧西港に到着したのは16時ごろ。

この日は稚内を出発して走行距離は486km、自宅からの総走行距離は4千kmを少し越えていた。

商船三井フェリーのさんふらわあは運休日。

昨年の春はここから商船三井フェリーのさんふらわあで大洗まで乗船した。
太平洋フェリーの先がポッカリ空いているのはちょっと寂しい。

苫小牧西港では川崎近海汽船のシルバーフェリーを含めた3隻が並ぶその姿は圧巻だった。

車輛待機場にはどんどん車が入ってくる。

太平洋フェリーは過去に「いしかり」と「きそ」に乗船していて「きたかみ」は初めて。
2019年2月に名古屋港で開催された「きかたみ」の見学会で船内に入ったことはある。

乗船手続き前に同意書を渡されて署名をした。
これが噂に聞いていた同意書かと思ったが、今日はそんなに揺れるのかなと聞いてみると、
4mの波の予想とのことで大荒れということでは無さそうだと思った。

乗船予定時刻は19時出港の2時間前となる17時、予定通り17時過ぎに船内に入ることができた。
乗船から出航までたっぷり時間があるとゆっくりできる。

部屋は1等クロスツイン。
2019年に名古屋港で開催された「きたかみ」の見学会で船内を見て、この部屋に泊まりたいと思った。
その名の通り2つのベッドが交差する、他のフェリーでは類を見ない形状の部屋だ。

保冷庫ながら冷蔵庫あり。

シャワールームとトイレ、洗面台。

個別空調は嬉しい。

「いしかり」「きそ」と異なって電磁式ポットから電気ケトルに変わった。
この方が一度にたくさんのお湯が沸かせるので助かる。

お茶のスティックは太平洋フェリー共通。

この部屋、定員1~2人となっていて繁忙期の1人利用でも貸切料金がかからない。
新日本海フェリーのステートAツインだと定員2人となっていて、
繁忙期の1人利用だと0.5人分の貸切料金が必要となる。

船外へ出てみる。

まだ青空が残っているが、この後、仙台へ向かうと雨の予報となっている。

夕日は見られそうかな。

夕食をどうしよかと迷っていた。
苫小牧出港が19時に対して、レストランの営業時間が18時半から20時。
出港の様子は外で見たいので、それからレストランへ行くと混んでいるかなと思った。

「きたかみ」の居住エリアは6階と7階しかないことが他の2隻と大きく異なる。
2019年の見学会の時は太平洋フェリーに関して全くと言っていいほど知識がなく、
苫小牧と仙台を往復する船だからシンプルな構造なんだろうなという目で見ていた。

3層吹き抜けのような象徴的なスポットもこの船には無い。

当時の見学会へ行った人の感想に残念だったという言葉が複数見られて驚いた。
先代の「きたかみ」は決してシンプルな構造ではなく、他の2隻と同様だったこと知った。
それだけに「きそ」「いしかり」に続く新造船に期待が大きかったのだろう。

もうすぐ太陽が沈みそうだ。

18時20分過ぎ、太陽が山の中へと沈んでいった。

船内のショップで購入した御船印、これで太平洋フェリー3隻分が揃った。
乗船日が分かるように翌日ではなく当日に購入するようにしている。

19時ちょっと前、あっという間に暗くなった。

西の空はまだ赤い色が残っている。

19時、船が動き出す。

苫小牧西港を離れる。

北海道とはお別れ、これで終わりかという寂しさが湧く。
毎回同じ感想になってしまうが、北海道滞在というのはあっという間に終わりを迎える。
時間が過ぎるのを早く感じるというのは、そのくらい北海道滞在が楽しいということを意味する。

前年の春は苫小牧港から商船三井フェリーのさんふらわあに乗船して、
出港後しばらくすると山の間から羊蹄山が見えてきたが、この雲の様子では無理そう。
船内へ戻ることにした。

結局、この日はレストランで夕食を食べなかった。
レストランが混んでいて、一人客はカウンター席でお願いしますという声が聞こえた。
そのカウンター席のイスが高くて落ち着かなない感じがして、めずらしく気が乗らなかった。
長距離フェリーのレストランの食事は楽しみにしていて、最近はかかさずレストランを利用していた。

翌朝、この時期の日の出は4時半ごろなので、それより少し前に起きて外を見たが、
天気予報通りでとても太陽は出てくる感じではなかった。
その時の写真はなく、この写真は朝6時過ぎに撮ったもの。
乗船した「きたかみ」は全室満席で、昨夜はこのスペースも人でいっぱいだった。

朝食はレストランで食べよう。

このメニューを見ただけでも魅力的なものがたくさんある。

展望通路「プロムナード」となっている場所。

すぐ向こうはレストラン、この船のレストランは壁で仕切られていないため、
昨日は料理の匂いが船内に漂っていた。

レストランの席を確認してみた。

良い席を見つけた。
写真では分かりにくいが中央やや左の2人掛けのテーブルだが、
通路に面しているためか、イスが一つ抜かれていて1人用のテーブルになっていた。
1人しか座れないテーブルなら座ってもいいだろう。

昨夜はレストランの入口でお一人様はカウンター席でお願いしますという声が聞こえていたので、
この海沿いの4人用のテーブルはさすがに無理だ。

レストランがオープンする7時15分の少し前に行って数人の列に並ぶ。
オープンしたらまず目を付けていた席を確保した。

料理を取るための並ぶ人の列がすぐ目の前になるが気にせず一人の朝食を楽しむ。
ヨーグルトやオレンジもあり、外の景色は見えないものの居心地が良かった。
何度も料理を取りに行ってレストラン閉店間際まで1時間半ほどゆっくりずっと食べ続けて満足。

食後の朝9時前、外部デッキへ。

昨年の春は商船三井フェリーで苫小牧から大洗の航路に乗船した。
その時は太平洋の水平線上から昇る太陽を見ることができて印象に残っている。

9時20分、仙台港が近づいてきた。
昨夜の船内放送では25時で大浴場を閉鎖するとのことだったが、その閉鎖はずっと続いていた。
乗船前に同意書を書いたものの、小さくはないが大きくもない揺れだったかなという印象。
昨年夏、新潟~小樽航路に乗船した時がこれまでで一番揺れた時で、
立っていることも困難な状態で、よく昼食のレストランが営業していたなと思った。

9時30分、前方に仙台港が見えている。
他の船舶との関係で定刻より10分早い9時50分到着とのこと。

車輛甲板開放の放送で車へ移動、帰りの道中の写真は撮っていないためこれが最後の写真。
10時過ぎに船外へ出ることができて、あとはひたすら帰るのみ。
19時半に自宅に到着して、この日の走行距離は643km。
苫小牧から仙台のフェリーに乗船したのは初めてで、仙台港から帰るのも初めて。
昨年春の商船三井フェリーで大洗港から帰った時よりも早い時間に帰宅できた。
北海道内での走行距離は3798km、本州分も含めた総走行距離は4676km。
雄大な北海道の風景に加えて、春の季節ならではの桜と雪化粧の山をたくさん見ることができた。
どこへ行っても非日常の風景が広がる北海道、毎年行っても何日滞在しても飽きることはない。
この後の記事で春の北海道の旅のまとめのようなダイジェスト版を書きます。