
自験の「実録」を「どぶろっく」バージョンでご紹介します。
10数年前にTVで放送された「爆笑大日本アカン警察」で、菊池桃子さんが、番組の企画として、食事の様子を隠し撮りされていました。場所は、フジテレビの食堂でした。彼女が注文したメニューは、牛丼、サラダ、味噌汁の3品もあったのですが、これを2分18秒で完食してしまいました。それ以来、「仕事ができる女性は、早食いができる」という概念が自分の中で定着しました。
――つい最近、印象的な出来事がありました。
カウンター8席しかないスパイスカレーの超人気店を訪問したときのことです。いつも行列の店で、この日も店外で5番目に並ぶことになりました。店内から4人が間もなく出てくる気配を察知しており、「ラッキーだ」と感じていました。
ところが、大きな誤算が生じました。半分近くを食べ終えている女性二人組が、イエローカードを提示したいくらいスローなのです。サッカーの試合で、終盤になると、故意にピッチへ倒れ込む反則まがいの行為があります。リードしているときや露骨な引き分け狙いで中東勢がよく使う戦法で、5秒で立ち上がれるところを1分以上費やします。ゴールキーパーが、完全な演技で、まるで内臓破裂でもしたかのような苦悶を見せることもあります。そんな光景がオーバーラップしてきました。
「スマホを眺めながらの食事じゃあ、当然遅くなるよね」
「その食べかたでは、味が分からないよね。ほかの店にいって欲しかったなあ」
「君達に早食いなんて無理だよね。桃子とはなにかもが対極の感じだから、まあ、仕方ないね」
心の中での悪罵が止まりません。
いつの間にか、私の真後ろで密着するような距離に、ひときわ目立つ女性が立っていました。
今回は、この若い女性が主人公です。米倉涼子似のビジネスマンで、真夏のファッションがとてもクールでした。30万円くらいはしそうな生地で、紳士服でいえば、アルマーニ級のハイエンド路線に見えました。
結局、私とその女性は、ほぼ同時に着席することになりました。端と端でしたが、偶然、注文も同一のものになりました。食べ始めたのもほぼ同時でした。
驚いたのは、食後に立ち上がったタイミングも同時になったことでした。むしろ、数歩出遅れた感があったくらいでした。自分は早食いのほうなのですが、それをうわまわってくるとは、なかなかのつわものです。桃子さんといい勝負ができるかもしれないと思いました。
会計のときに、早食いを成し遂げた女性の皿が視界をよぎったのですが、予想外の状況が見えてしまいました。半分以上を残していたのです。厳密には、早食いではなかったのですが、食べログ3.7級の名店でしたので、早食いよりも恐ろしいものを感じました。どこかの経営者に間違いないな、とは思いました。
実録は、以上です。
ここで、「どぶろっく」師匠の登場です。
――もしかしてだけど、俺の食べる速度に合わせているうちに、桃子も早食いになってしまったじゃないの~。
Posted at 2025/08/02 08:49:38 | |
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