
遠い昔の話ですが、中央高速道の相模湖付近で、視界が失われるほどの集中豪雨に見舞われたことがありました。先行車両のテールランプを凝視しながらハンドルを抱き抱えるようにして徐行するしかありませんでした。
その時点でも相当怖かったのですが、反対車線から飛んでくる大量の水しぶきで断続的に視界がゼロになる状態にもなりました。心臓が喉から飛び出そうになる、あるいは、全身の血液が逆流するような極限の恐怖を味わいました。――それがガラスケアの原点となりました。
思えば、最初に覚えたカーケアが、相模湖以来の、ガラコでウィンドウを撥水させることでした。その後、いくつかの同効品を試してみたこともありますが、どれも大差はなく、施工の好みで選ぶ状態が続いています。特に近年は、いずれも高性能で、もうこの領域は行き着くところまでたどり着いてしまったのかもしれない、と感じています。それに、ディテイリングが習慣化すると、もはや耐久性がどうこうというのは、あまり大きな恩恵を感じられなくなってしまうものです。
不思議なことに、欧州のディテイリング用品にはガラコ的なアイテムが稀少で、70種類近い品揃えがあるSam's Detailingでさえ、レディ・トゥ・ユースタイプのものは発売されていません。ソフト99からは輸入車専用のものまで出ているのですが、現地ではあまり市場性がないということなのでしょう。
SiO2テクノロジーのコーティング剤は、ガラスにも使用でき、Sam’sでいえば、CERAMIC FOAMやBOOSTを施工すれば、ガラスの撥水は完了しています。かつて最重要視していた工程が簡略化され、それはそれで歓迎すべきことなのでしょうが、副次的効果のような流れでガラスケアが終わってしまうことに、釈然としない部分は残ってしまいます。
とはいえ、冷静に考えてみれば、車体へのコンタクトはミニマムが望ましく、CERAMIC FOAMは、最新かつ最善の選択肢の一つに違いありません。
結局、ディテイリングの処方を決める際に、一番悩んでしまうのが撥水をどうするかになってしまうことが多いです。
そこで、チビチビとした使用量ですが、クラシックな撥水剤も常備しています。
Sam'sのGLASS CLEANERは、撥水性がない純粋なクリーナーなのですが、これを使用すると、本当に視界がクリアになるので、施工する価値を感じています。すると、仕上げには、合わせ技でクラシックなあれを投入することになり、これで今日のディテイリングが完成だという満足感が湧いてきます。TershineのVision+ - Glass Cleaner Coatingもとても良い製品だと思います。
選択肢の多い現在のディテイリングは、実に楽しいです。
Posted at 2022/03/11 12:38:32 | |
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