
1980年代に製造されたウィルソンプロスタッフミッドというラケットです。数多くのトッププロ達が使用した名品でした。今でもときどき使用しています。
私の中では、当時大好きだったブルガリアの妖精こと、マニュエラマレーバが華奢な身体で使いこなしていたラケットという印象がいまだに強いです。
ラケットの性能もさることながら、このFAIRWAYという本革グリップがたまりません。マニアが垂涎する英国製のカーフスキンなのです。
現在は、ツアープロをはじめ、かなり多くのプレーヤーがオーバーグリップと呼ばれるものを上に巻きつけてプレーしています。古くからのFAIRWAY愛好家として、そういうことは考えてみたことさえありませんでした。
都市伝説よりは有力な話として、このグリップにメタノールを塗布してメンテナンスすると、長く新品同様の感触が維持できるという話がありました。こうして快適に使用可能なレベルを維持できているのがその証左です。
久しぶりにラケットを手にしたとき、そうか、そういうことだったのか! と気づいたことがあります。
レクサスUXのやや太めのハンドルを握るたびに、どこか懐かしいような親近感を覚えていました。それもそのはずで、このFAIRWAYのグリップと太さが同一で、感触も似ているのです。手入れすると好みの感触が維持できる点までもが共通しています。
最後にマニュエラの思い出をひとつだけ。
来日中の彼女と偶然遭遇したことがあり、後顧の憂いを断つために、声をかけました。大会会場の下見にきていた様子でした。近くにマネージャーを務めていた彼女の母親がいたのですが、どうぞというアイコンタクトを頂き、少しだけ話ができました。サインと握手にも応じてくれて欣喜雀躍の心境でした。自分は練習で指の皮がボロボロだったのに、彼女にはマメひとつなく、同じラケットを使っているのが信じられなかったです。

Posted at 2022/07/06 07:02:08 | |
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