
夏といえば怪談ですが、今回は怖くない怪談をご紹介します。
写真の位置関係は、目前が隅田川です。桜橋付近になります。
撮影したのは、東岸の墨田区側からです。対岸奥側が台東区になり、浅草や上野があります。
撮影側は墨田区が管理する隅田公園で、対岸が瀧廉太郎の有名な歌碑がある台東区隅田公園です。墨田区側の川岸に首都高速6号線があり、春先は見事な桜並木に脇見運転をしそうになります。
蝉しぐれの佳境を迎えていますが、隅田川の両岸では、音色が異なっているというミステリーがあります。西岸では、アブラゼミとミンミンゼミが半々くらいの割合で棲みついています。ところが、墨田区側には、アブラゼミしかいないのです。
東京学芸大学の先生がライフワークとして調べ上げており、論文化もされています。墨田区側に棲息する蝉が、ほぼアブラゼミ一色なのは、事実です。
東京大空襲の影響なのではないかという学説があります。このエリア一帯は、土中まで熱せられ、文字どおりの焦土と化したといわれています。これにより、蝉は、幼虫を含めて全滅したとみられています。
のちに、復興が進み、蝉も復権してきたのですが、墨田区側は荒川にはさまれた南北に細長い三角州のような地形となっており、ミンミンゼミの進出が阻まれたのではないかというのです。種としては、アブラゼミのほうが運動能力を含めた生命力が高く、このような分布の差異が現れる一因になった可能性はありそうです。しかし、立証は難しいでしょう。
橋長169.45mの桜橋付近には、現代でも、こんなミステリーが存在しています。
Posted at 2022/08/11 07:58:32 | |
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