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桃乃木權士のブログ一覧

2022年08月24日 イイね!

琉球のミスター・バーディ-3-

琉球のミスター・バーディ-3-琉球のミスター・バーディこと、大西さん(仮名)との珍道中を3編に分けてご紹介しました。バーディには隠れた意味を込めており、滅多に出会えない稀少な人物である、と読みとって下さい。パーよりもすごい、その上をいく人という意味だけは、まったくありません。大西さんは、九州の有名大学を卒業されています。

沖縄本島最南端の糸満市にあるスポーツセンターにチェックインしたのは、18:30くらいでした。部屋は、東京都内にあるビジネスホテルのゆうに5倍はある広さで、思い切り野球の素振りができる空間がありました。
大浴場でさっぱりしたあとが大変でした。TVのチャンネルが3つしかなく、ビデオオンデマンドのようなものはまったくありません。スマホがない時代でしたから、ネットも見れず、読書の準備もしていませんでした。夕飯は、ピーナッツ1粒さえ調達できず、なにもありません。
明瞭に空気の変化を感じたのは、21:00過ぎでした。魔王が発する唸り声とともに風雨が極限まで強くなり、島全体が揺れているような感覚に襲われました。瞬間最大風速ではなく、常時最大風速60mの世界でした。鬼哭啾々の気配に包まれ、室内でも恐怖を覚える荒天になっていました。
しかし、あまりにも退屈すぎて、大西さんに対する恨み節がこぼれてしまいます。人間は、呼吸するのと同じくらいは会話も大事なんだと悟りました。なによりも、話し相手もいない退屈が苦痛で仕方ありません。
気づいたら、テラスに出ていました。その勢いで外に出ました。前に進めないどころか、後退気味になってしまうほどの暴風でした。
当然無人で、車も走っていません。平時なら職質必至の格好でしたが、そのリスクは皆無でした。初めて耳にする魔王の怒声に恐怖を抱きながら、その何倍もの身震いを伴うような快感に包まれていました。命の洗濯とは、ああいう状態なのだと思います。大西さんへの恨みもきれいに流されていきました。
「魔王! 俺はこのとおり丸腰だぜ。やれるもんならやってみろ」
そんな無意味な劇団ひとりを繰り広げていました。
目の前で落雷のような大音響を伴う倒木があり、それがかなりの樹齢の大木だと分かって、ようやく部屋に戻りました。あの風速60mの世界は忘れ難い思い出です。
翌日は、台風一過の晴天になりました。優先搭乗850番に指名がかかったのは15:00過ぎでした。
Posted at 2022/08/25 00:02:06 | コメント(2) | トラックバック(0) | 日記
2022年08月24日 イイね!

琉球のミスター・バーディ-2-

琉球のミスター・バーディ-2-琉球のミスター・バーディこと、大西さん(仮名)の大きな見込み違いで、那覇空港に着いた私は、途方に暮れていました。
掲示板を見ると、「欠航」の表示が整然と並んでいました。15:00台の便を最後に、日本全国一斉に欠航です。
仕方なくJALのサービスカウンターに並びました。手持ちの搭乗券をキャンセル待ち優先搭乗券に交換してもらいました。既に850番でした。羽田行きの臨時便は、まだ何便あるか決まっておらず、早朝から並んでも、850番目に呼び出されるまでは乗れないことを意味しています。空港職員に予想を訊ねても、なにも明言してもらえませんでした。運がよければ午前中に乗れるし、翌々日になってしまう可能性もあるとのことでした。
空港にあった観光のリーフレットを頼りに、片っ端からホテルに電話していきました。高い部屋なら空いているだろうと考え、高級ホテルからあたっていきました。ところが、どこもかしこも満室になっていました。ガラケーの電池も切れかけ、もうスーツ姿のままで空港のマグロになる覚悟を決める寸前でした。
空港に観光相談所があることを思い出し、一縷の望みをかけて、そこへ駆け込みました。とても親切な職員の方がいて、貴重な情報を頂きました。こういう場合、那覇市内から30キロ以内の宿泊は無理だというのです。近いホテルから電話するのではなく、遠くからチャレンジしたほうがいいと助言されました。また、もう間もなくタクシーも仕事を引き上げ始めるので急いで下さい、と付言がありました。
こうして本島最南端、糸満市のスポーツセンターを予約できました。野球場が併設されたプロ野球のキャンプに利用されていそうな施設でしたが、宿泊できるらしいのです。
「糸満かあ」と嫌がるタクシー運転手を説き伏せ、現地に向かいました。途中から雨が降り出し、あっという間に、ワイパーがききづらいほどの雨脚になりました。私の感覚では、もうすでに豪雨でした。ところが、運転手がいうには、21時過ぎから本格的な暴風雨になるらしいのです。これが序章なのか、と背中に悪寒のようなものが、憑りつきました。このあと、本物の台風を体験することになります。生涯忘れない夜になりました。
Posted at 2022/08/24 12:12:34 | コメント(1) | トラックバック(0) | 日記
2022年08月24日 イイね!

琉球のミスター・バーディ-1-

琉球のミスター・バーディ-1-まだガラケーの時代の話です。別稿「琉球のミスター・バーディ」で紹介した沖縄出張所の大西さん(仮名)との同行を終えた私は、日帰りで東京へ戻る計画にしていました。
帰路は、16:30那覇発のJALだったと記憶しています。空港までは、大西さんの営業車で送って頂きました。タクシー料金が非常に安いエリアのため、途中で降りればよかったのです。これが、痛恨のミステイクになりました。
大西さんは、得意先のトラブルが解決したことで、とても上機嫌でした。私が、この辺からタクシーを拾いますと下車を申し出ても、とっておきの沖縄料理をご馳走したいと言いだして引き下がってくれません。苛烈な台風が接近中だったため、できれば予約より1時間早い15時台の便に変更して羽田へ戻りたい気持ちでした。台風との追いかけっこなら、航空機の圧勝です。
大西さんは、自信満々でした。「もう沖縄在住5年ですからね。台風は、詳しいですよ。このくらいの天気ならまず問題なく飛びますね」と空港へ直行してくれません。「台風直撃の場合は、空の雰囲気と風で分かります。それに、レンタルビデオに行列ができるんです。ほら、そこのレンタルビデオ屋もまだ空いてるじゃないですか」
こうして案内されたのは、空港から遠く離れた浦添市にあるソーキそばの名店でした。「本物は美味しいでしょう」と連呼され、首肯するしかありませんでした。
ソーキそば一杯だけで店をあとにしました。那覇空港へ到着したのは、16:00くらいでした。この場でも、大西さんは楽観的でした。
「僕が言ったとおりでしょう。余裕で飛んでるじゃないですか。今日は有難うございました」
大西さんの車が走り去ると、小走りで空港ロビーに向かいました。嫌な予感がしました。――そして、的中してしまいました。
ロビーは、築地市場と化していました。帰路を断たれた観光客達が、寝床を確保すべく、ゴロゴロ床に転がっていたのです。
那覇発の全便欠航が決定された直後でした。
Posted at 2022/08/24 12:12:14 | コメント(1) | トラックバック(0) | 日記
2022年08月24日 イイね!

営業同行回顧録-3- 琉球のミスター・バーディ

営業同行回顧録-3- 琉球のミスター・バーディまだガラケーの時代の話です。得意先でトラブルがあり、沖縄県の営業担当者と同行することになりました。私より4年先輩の大西さん(仮名)という方でした。電話では頻繁に話しており、声はよく知っていました。特徴のある方言を隠さない方でしたので、電話に出た刹那、大西さんだと鑑別できました。
問題は、面識がないことでした。話しかたから想像すると、漫才師のビートきよし氏風の方なのではないか、と勝手に想像していました。
出張日が8月31日になったため、大混雑が予想される那覇空港での待ち合わせには、事前の準備が必要になるだろうと思いました。よくある話として、有名百貨店の紙袋を手にする方法がありました。なのに、大西さんは、とても楽観的な方で、空港までとにかくきて下さいよ、の一点張りでした。なにも段取りをしてくれません。
職場で、この大西さんと同行したばかりの先輩がいたため、相談をしてみました。
「ああ、大丈夫だよ。直ぐに大西だって分かるから」
「いやあ、当日は、大混雑だと思うんですよ。トップシーズンもいいところですから」
「いいか。飛行機を降りるだろ。通路からロビーに出るところまで進むよな。そこで周囲を観察してみてくれ。一人だけ鳥みたいな人がいるはずだからさあ」
「鳥、ですか?」
「そう、鳥だ。両手を体の横にくっつけて羽のようにパタパタ動かしている。足もちょこちょこ動いてさ」
――当日、1秒で大西さんがどこにいるのか分かったとはいいません。しかし、3秒はかかりませんでした。
Posted at 2022/08/24 07:18:59 | コメント(2) | トラックバック(0) | 日記
2022年08月24日 イイね!

🥢グルメモ-20- 陳建一麻婆豆腐店(神奈川県横浜市)菜心是愛を行く中華鉄人の店

🥢グルメモ-20- 陳建一麻婆豆腐店(神奈川県横浜市)菜心是愛を行く中華鉄人の店国民的人気番組で大活躍した鉄人の味が気軽に味わえる店です。日本に麻婆豆腐を広めた先代陳建民氏から一子相伝の、まさしく原点の味わいといえるでしょう。

食後の定番は、杏仁豆腐ですが、マンゴープリンも美味です。迷ったら、後顧の憂いを断つために、両方頼んでもいいと思います。
Posted at 2022/08/24 17:00:21 | コメント(1) | トラックバック(0) | グルメ/料理

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筆名、桃乃木權士(もものき・けんじ)です。カーディテイリング大好き。おもに、Sam’s Detailing の用品を愛用中です。 薔薇園芸の世界には、「薔薇は...
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