
卒業式にちなんだ名曲に描写されているシーンで、別れがあります。私は、松田聖子の「制服」と斉藤由貴の「卒業」が代表曲として思い浮かびます。ともに、カレが卒業後に都会へ行ってしまうことを嘆き悲しむ点で共通しています。また、卒業式当日の描写が中心です。
私のメーテルこと、菊池桃子さんにも「卒業―Graduation―」というヒット曲があり、遠回りして下校したカレとの思い出を情感たっぷりに歌いあげています。荒井由実「卒業写真」と似たシチュエーションです。
ここで、自分自身の話になるのですが、高校の卒業式は、上述の歌謡曲とはまったく無縁の世界でした。1学年男子450名で、しかも半数近くが浪人生活確定という状況になっていたのです。
それでも、一つだけ楽しみがありました。卒業生の退場が、全国高校コンクール3位の吹奏楽部による生演奏になっていました。曲は、高校一年、二年と続けて、松田聖子でした。「赤いスイートピー」と「制服」だったと記憶しています。
自分達が送り出される番となり、親友の横井君(仮名)と賭けをしました。彼は、伊藤つかさ「少女人形」の一点張りです。私には、「卒業ーGraduation ー」しか考えられませんでした。何を賭けたのか、今でもはっきり覚えています。ーープライドです。登下校で、お互いのアイテムを自慢しながら、「つかさが最高だ」「桃子のほうがかわいい」と競い合っていたものでした。その最終決戦を迎えたのです。
内心では、三年連続で松田聖子だろうと思っていました。レコードの売上枚数、TV出演回数、ファン層の広さともに、一頭地抜けた存在でした。
吹奏楽部がイントロを演奏し始めると、全身が震えるような興奮を覚えました。横井君も自分のことのように喜んでくれました。「やったなあ、打倒聖子じゃん」と声をかけられました。
10年、20年どころか、30年経っても忘れ難い素晴らしい演奏でした。
あるとき、この話を桃子さん本人に伝えていなかったことに気づき、ラジオ番組にメールしてみました。すると、即採用され、この話を桃子さん自身が全国に紹介してくれました。最後に、「私の曲が大切な舞台で採用されたなんてとっても嬉しいです。いい話を教えてくれて有難う」というコメントがありました。母校吹奏楽部に、再び感謝しました。

当時は、泣きたくなるくらい可愛かったです。
今は、恐ろしくなるくらい顔立ちが整っていて、人間とは思えない妖怪のような美しさです。
Posted at 2023/01/12 08:26:46 | |
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