
自験の「実録」を「どぶろっく」バージョンでご紹介します。
1997年の古い話ですが、TVの企画で生まれた「愛と自由とセーフティードライブ」のANDY'Sというバイクチームをご存じでしょうか。ANDYこと、石橋貴明リーダーを筆頭に、定岡正二とデビット伊東が加わった異色の3人組でした。
あるとき、このチームのテーマソングを作ることになりました。オファーを佐野元春に出すと聞いて、食事中の箸が止まってしまった記憶があります。夢想に近い噴飯ものの話にしか思えず、TVに向かって、「それは無理だよ」と思わずつぶやいてしまいました。硬派なロック&ブルース路線を行く佐野氏がこの仕事を引き受けるわけがないとの確信がありました。
こうした経緯があり、佐野元春自身が水上バスに乗って、さっそうと登場したときには、驚愕しました。即興で、石橋氏が書いた歌詞に直しが入っていきました。「答えが見つからなくて、よりも、答えが見つからない、といい切ってしまったほうがいいよね」という具合です。
佐野元春は、新結成した「Hobo King Band」でのレコーディングをしている最中でしたが、「フリーダム」という見事な曲を、ANDY'Sに提供しました。その結果、「Hobo King Band」名義による最初の楽曲は、自分ではなく、ANDY'Sとなりました。
番組プロデューサーの手腕といってしまえば、それまでですが、佐野氏の心を動かしたなにかがあったはずだとみています。一つは、自身が車好きだったからなのではないか、と推察しています。学生時代に「いすず117クーペ」を愛車にしていたそうですし、曲中にも、車がよく登場します。
そして、代表曲「約束の橋」に、興味深いフレーズがあります。「西の果てから東の果てまで、休みもなく車を走らせてゆく」という歌詞です。続けて、「街の果てから森の果てまで」となり、「月の岸辺から燃える砂漠まで」と結ばれます。サビは、「君のためなら橋を架けよう」となっています。
佐野氏にとって、「約束の橋」が一つの集大成として作られた曲であったことを勘案すると、ANDY'Sに、その世界観と合致するものを見出したのかもしれません。
実録は、以上です。
ここで、「どぶろっく」師匠の登場です。
近年の深夜ドラマ「婚活食堂」で、菊池桃子さんは、おでん屋の女将役で、様々な婚活の橋渡し役を演じていました。
――もしかしてだけど、そろそろ女将自身が俺への橋を架けてもいい頃なんじゃないの~。
英語の「Bridge」には、曲の間奏という意味もあるっていうじゃない。拙者と桃子は、人生という楽曲の間奏にいるのかもしれません。拙者、自慢ではないですが、かなりのオンチですから。切腹!
(桃乃木侍)
Posted at 2024/06/20 08:25:05 | |
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