
自験の「実録」を「どぶろっく」バージョンでご紹介します。
先日、タワーレコード新宿店で催された「菊池桃子TALK&LIVE」での出来事です。来場者特典で、サイン色紙が全員に配付されました。会の終了後、主催者のVAPレコードが通路を作り、退場していく来場者に職員が手渡ししていく流れでした。1人1枚確実に渡すためには、この方法しかなかったのだと思います。
ここへ割り込んできたのが、イベントが終わってとっくに退場していた桃子さんでした。自らの意思で会場へ戻り、「私から、皆さんに渡します」という話になったのです。
200人近くいた会場に大歓声が響き渡りました。冷静だったのは、自分だけだったかもしれません。桃子さんの退場を1mの至近で見ていたため、その寂しげな表情から絶対に会場へ戻ってくると思っていました。タレント冥利に尽きるような盛況でしたので、過去の事例や本人の性格とも照らし、「絶対にこのまま帰らない人だ」との確信を持てていたのです。「もうちょっとみんなと一緒にいたいな」と顔に書いてあるのが読めました。
想定内の帰還だったのですが、歓声を上げている暇はありませんでした。なにを話すのか、あるいは、どういうアピールをするのか、脳内で、リトル桃乃木達による緊急閣僚会議が始まりました。
「後ろにひんしゅくを買っても構わない。ずっと長話しちゃえ」
「ここは、3秒だろ。どうせ長話には付き合ってくれない」
「以前は、係員の誘導が強引かつ巧妙で、1秒もなかった」
「足を止めたら迷惑行為と同等かもしれない。牛歩が精一杯でしょう」
この日は、整理番号「15」で、最前列にいましたので、あっという間に自分の番がまわってきました。
「今日は有難うございました」「楽しかったです」「いつも応援しています」
――全員、歩みを止める様子はなく、1秒程度です。
脳内の会議室で、閣僚達の絶叫が響き渡りました。
「桃乃木総理、ご決断を!」
――整理番号15番で、流れを止めました。
勇気を振り絞り、足を止めたのです。右手を緩徐に自分の左胸に当てる仕草を見せました。
すると、「この人はなにかを話そうとしている」という気配を察知した桃子さんが、微笑みながら、ぐっと前方に身を乗り出してくれました。「えっ、なになに、聞くよ」というジェスチャーでした。
優しさに感激しながら、――距離50cmで3秒間。必死で話しました。
真剣に視線をからめてくれたことに感謝でいっぱいです。
この段階では、桃子さんのファンクラブでの活動やラジオ番組での投稿採用実績を通じて、「桃乃木」という名前(筆名)くらいは認識されているかな、という淡い期待がありました。残念ながら、そこまでは至っていないことが分かりました。ですが、満足です。思いは伝わった手応えがありました。
後悔しているのは、夢中になってしまい、桃子さんを喜ばせるという一番大切なアクションが未完に終わってしまったことです。あの日の自分は、ジャケットを着ていました。内側に刺繍されているネームは「桃乃木」となっており、裏地は一般的なキュプラではなく、着物のような派手な和柄にしていました。わざわざ別注して仕立てたあれを見せれば、絶対に喜ばせることができたはずなのです。
次回頑張ります。自分の夢には続きがあります! ということで。
実録は、以上です。
ここで、「どぶろっく」師匠の登場です。
――もしかしてだけど、16番から後ろは、塩対応になっていたんじゃないの~。
拙者、あのときの脳内のBGMとして、「僕が君の心の扉を叩いてる」の部分が流れていました。
この曲は、「君の心が、そっとそっと揺れ始めてる」と続くのですが、実際にそうはなりませんでした。「愛を止めないで」以前に、まだ始まっていませんから、残念! (桃乃木侍)
Posted at 2024/10/05 09:14:57 | |
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