
長女が、まだ小学校に上がる前の時期から始まった習慣でした。
ものすごい早口で「パパモモコ」と教えてくれるのです。
「パパ、菊池桃子がTVに映ってるよ」を意味しています。
バラエティ番組だと、カメラアングルの兼ね合いで一瞬しか映らないこともよくあります。それで早口になっていたのだと思います。
いつも「早く見て!」という強烈なニュアンスがありました。
ある日、電気店にいるときに、例の早口で「パパモモコ」と言われました。彼女が指差す方向を見ると、三菱の洗濯機に菊池桃子さんのシールが貼られていました。イメージキャラクターだったのです。
ちょうど洗濯機を買いに来ていましたので、その製品を買いました。値引き交渉はせず、店頭の現品をシールが貼付されたまま納品して欲しいとお願いし、了承して頂きました。
今度は、都内のある百貨店で、トイレから出てきた刹那に、「パパモモコ」と言われました。
ところが、周囲を見渡してもそれらしき宣材が見当たりません。
「パパモモコ、パパモモコ、いたよ」
「なんだって!」
「桃子そこにいた」
平日でしたので、売り場は空いていました。
まさか! そのまさかだったのです。
やや遠目の後ろ姿と一瞬だけ横顔が見えました。
明らかにプライベートでしたので、声をかけるのにためらいがありました。
長女は、Say Yes!等の代表曲を歌えましたので、その作戦で近づくことも考えたのですが、それはファンとして横紙破りの行為だと思いました。深い罪悪感がありました。
「忙しそうだからいいや、またTVで会えるしさ」
「そうだよね」
あれでよかったのだと思います。
のちに驚いたのですが、長女は、菊池桃子さんとアルバイト先でも接近遭遇しているそうです。パパモモコの真の運を持っていたのは、私ではなかったということです。

応援を卒業することはありません。
Posted at 2023/01/18 07:59:46 | |
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