
自験の「実録」を「どぶろっく」バージョンでご紹介します。
少年期に田舎で育ちましたので、ある程度の虫刺されは、慣れっこでした。雑木林や草むらに入る際の通行料的な感覚だったと思います。ある程度のレベルまで広範に刺されると、もうそれ以上は刺されなくなると勝手に思い込んでいました。
不思議なもので、同じ種類の蚊に刺されているのに、腫れと痒みの具合は一様ではなく、身体の部位によって差がありました。印象でしか記せないのですが、手首と足首には、熱感を伴う大きな隆起ができる確率が高かったように思います。
母親からは、「掻くと雑菌が入るから、その前にウナかキンカンを塗りなさい」といわれていました。くわえて、野生の少年が、ジュニア・ランボーなりのサバイバル術を心得ていました。患部に爪を立ててバッテン印を付け、応急処置完了です。この部位は処置済みという目印にもなっていました。帰宅後に薬を塗ると、顔が歪んでしまうほどの激痛が走るのですが、これが効いている実感になっていました。まるで解毒されている感覚でした。薬理学的には間違っており、薬の成分や添加剤が組織を過剰に刺激しているだけのよくない状態であろうと思われます。
米国では、食器文化の違いで、温めたスプーンを押し当てる方法があります。今は、手のひらに乗るサイズの加温装置が商品化されています。
おそらく、最善の方法は、局所を冷やして掻かないことであろうと思われます。チューチューアイスを押し当てる方法は、いつでもできたはずなので、やっておけばよかったです。毒は熱に弱いという先入観があり、思い付きませんでした。
高校生になると、かつてのジュニア・ランボーは、バッテン印に意味はがないと悟り、軽く曲がった一本線を刻むようになりました。腫れが大きければ大きいほど、巨大な「桃子命」のマークが身体に刻まれました。それが嬉しかったのです。また、腫脹による熱感を伴った患部を頬に当てると、異様な心地よさがありました。
実録は、以上です。
ここで、「どぶろっく」師匠の登場です。
――もしかしてだけど、桃子が俺に爪を当てたら、妙に痛むんじゃないの~。
▼解説~「Lonely night、涙を瓶に混ぜたから、妙に痛むでしょ、マニュキュア」
これは、ほかの女性を目で追っているカレシに嫉妬した女性の行動を描いた歌謡曲の一部です。カレシの肩に光る爪を立てたところでした。
森雪之丞作詞の「Cガール」は、1988年に発表され、浅香唯のキャリア最大級のヒットとなりました。マイクが右手持ちの稀少派で、エネルギッシュな歌いかたでした。
この描写は、数多ある歌謡曲の中でも、とりわけ秀逸で印象に残るものでした。唯さんにも好感は抱いていましたが、できれば、桃子さんに歌って欲しかったです。いまだに、その嫉妬があります。
Posted at 2024/08/24 08:23:33 | |
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