
自験の「実録」を「どぶろっく」バージョンでご紹介します。
菊池桃子さんのサイン会が開催されました。会場の東京某所は、駐車場が多いエリアでしたので、洗車したての愛車で駆けつけました。
付近を通過しただけで、会場は一目瞭然でした。とある場所に、ピンク色の服を着た集団がいるのです。ピンク色の髪もいました。あの集団に入るのは気が重いなあと感じている私も、ピンク色のレンズを入れたサングラスをしており、周囲から浮くのに十分過ぎるMANIAオーラを放散していました。
ところが、会場に入ると、MANIAの密度は、一気に下がり、病院の待合室のような風景になっていました。緊張のためか、誰一人として例外なく、表情が重たいのです。
サイン会のセッティングは、長机が漢数字の「二」の形で並べられていました。桃子さんが腰かけながらサインを書く机と、他方は来場者の荷物置きです。自分の順番の5人前になると、その机にすべての荷物を置き、寸鉄帯びずの状態で桃子さんと向き合うことになります。
私の5人前に公式ファンクラブMOMOCANS’のメンバーがいて、必死に自己PRをしていました。百戦錬磨の戦士です。それでも緊張してしまうくらいのセッティングだったと思います。「桃ちゃん、有難う」といい残して退場する際に、私のバッグを持っていってしまったほどでした。直ぐ過ちに気づいてくれたのですが、危うく事故になるところでした。
無理もない話です。10mの距離では、「菊池桃子は実在するんだ」という感動があります。5m以内だと、「TVや画像と違って実物のほうが断然美しい」と嬉しくなります。3mを切ると、尋常ではない顔立ちの整いかたに驚かされ、人間離れしていると感じるようになります。2mで、「この世のものの美しさではない」と気づき、「彼女は妖怪なのではないか」という疑念が湧いてきます。泣きたくなるくらいの美しさを拝めます。1m以内は、完全に桃子ワールドです。巨大なピンク色のシャボン玉の中で二人きりになれている感覚が生まれます。そして、自分がこの世に生まれた意味を悟ります。――俺は、桃子を応援する宿命を背負っているのだ。
数えたら、今回が19回目のイベント参加でした。一対一での会話タイムは、3回目の経験となります。10秒くらいの持ち時間しかありませんので、自己PRは、最低限に抑えました。とにかく、日頃の想いを直接伝えられる嬉しさを抑えるのに、ひと苦労がありました。
「MOMOCANS’でいつも応援しています。自分の名札も作ったんです」
桃子さんが少し前のめりになり、私の胸ポケットにあるその名札をじっとのぞき込んでいました。営業慣れしている方ですので、たとえ私をよく認知していなかったとしても、旧知のニュアンスを出しながら、「いつも有難うございます」という笑顔を見せてくれるものと予想していました。
観察されていたのは、1秒くらいだったと思います。
――桃子さんは、まったく予想していなかったリアクションを見せました。
かしこまって一礼し、ひとこと。
「存じております」
続けて、20くらい用意していたシナリオの中から、これだというものを選択しました。
「今回のDVD、ちょーよかったですよ。歌唱も素晴らしかったし、バンドの演奏も最高でした」
「本当? よかったあ」
「俺の声援もコーラスとしてバッチリ収録されていました」
「一緒に参加してくれたのね。ふふふ」
終わってみると、あれも話せばよかったという様々な思いが沸き起こってきます。瞬間での判断を要し、その場、その空気での最善を探らなければならず、なかなか難しいものです。とりあえず、「存じております」で、少なくとも五百年は幸せな気分が続きそうです。
実録は、以上です。
ここで、「どぶろっく」師匠の登場です。
――もしかしてだけど、「存じております」は、「ぞっこんであります」を俺が聞き間違えたんじゃないの~。
燃える想いは、Beautiful。
あんたがった、その他大勢、永久Loving you。
Posted at 2025/11/22 10:21:03 | |
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