関東は2週間以上に及ぶ雨に疲弊している.というニュースの傍ら
広島は暑すぎる快晴.バイク乗るのには都合がいい・・・・訳ではない.
暑すぎる気温下での長距離ツーリングは
どうにも,バイクにダメージを加速度的に与えている気がしてならない.
そんなもん気にしてたら,乗れねぇよ.そんなトコではあるが
昨今の耐久レースは,想定されている走行気温の2~3℃を上回ると
あっという間にマシンにトラブルが多発し,予期しない展開を描く.
市販車,それもオートバイが,世界耐久選手権を戦うレーシングマシンと
同列かっという話ではなく
V7iiに搭載されている温度計が,この時期は常に35度を超えている.
この温度計,正直言って器差がいくつで,どれほどの信頼性か
と問われるとそんなに信頼性は高くなく
エンジンの熱を拾っているぐらいなので,温度の計測という目的では
あまり役目を果たしていないと思われる.
しかし,そんな温度計で,温度の表示範囲誤差の幅が
±3度ほどだったと仮定しても
自分の体感温度,バイクの温度計,気象庁発表の気温や
路面からの熱など,様々なことを加味するに
ゴム類やワイヤー類は,大凡想定の範囲を超えるギリギリを行き来している.
そんな思い込みが突い頭を巡ってしまう.
シートの表面だって,こんな日に外で長時間駐車していたら
熱と紫外線で,確実にひび割れまでの一歩を早めてしまうだろう.
お前は夏に全身防御してチャリンコのるおばさんか
そんなツッコミが聞こえてきそうだが,
自分のマシンがホンダやヤマハ,カワサキ,スズキならば
もう少し,タフネスな使い方も辞さないかもしれない.
世界に名だたる四大メーカー謹製なのだから,なんのこれしき!である.
だが,愛車はモトグッツィだ.
日本の気候に対して,どれほどモトグッツィが設計の時点で想定を行っているか
全くのブラックボックスである.
つーか対策なんて想定してないのが普通だと思う.
故にこんな暑すぎる日に,長時間長距離はV7iiの首を絞めてる気がしてしまい
何となくだが,そこまで遠くへ行こうという気力が湧かない.
っていうか,この前の里帰りツーリングで,結構ムチャした気がしてて
なんとなく気持ち的に,ハードな使い方はちょっと控えよう.
そう思っている自分も居たりして,里帰り以降は,ちょいちょいの安近短だ.
ということで,この日は,帰省の最中
某テレビ番組で見た
アメリカの平和運動家「フロイド・シュモー」氏の
広島における,住宅建築の活動
これが,テレビ番組を見ながら,心に刺さった.

フロイド・シュモー(Floyd Wilfred Schmoe 1895~2001)
当時の情勢から行けば,敵国の人間に家を建ててやるなんて.
と思うだろう.
だが,シュモー氏の,人を慈しむキモチと
シュモー氏の言葉にある
「私は子どもたちにこう伝えます。鶴を折ることでは、核戦争を止めることはできないが、
鶴を折ることで友達ができる。そして友達同士なら決して戦争はしない。」
この言葉がとても印象的というか
現実を見据えつつも,これからの先をも見据えている良い表現だなと
そして,シュモー氏の活動を記した絵本があると知るに至り
これを卒業した母校の小学校へ寄贈して
神奈川にある母校へ通う,小学生たちに
この夏,これからの夏,広島と長崎について学習する機会の一助になれば
そう考えて,原爆資料館へ買い求めに行った次第だ.
また,母校では私の母が読み聞かせ活動を行っているので
図書室への寄贈分と,読み聞かせをする母の分と,買いに向かった.
原爆資料館自体も,2年前に訪れた時からリニューアルされ
展示内容も変化したとのことで,中もサラっとであるが回ってきた.
やはり,原爆の日からそんなに時間を置いてないせいか
来場者で賑わっており,学習の一環として訪れている子供も多く
もちろん,パッと見はアメリカ人に見える外国人も多く訪れてて
国外における広島への関心の高さを感じる.
結構な混みあいで,ゆっくり見物するには少々忙しなかったので
秋ぐらいにもう一度時間をかけて見に行こうと思う.
自宅から30分もかからない,機会はいつでもござれだ.
シュモー氏の絵本は,資料館一階の書籍・グッズ販売コーナーで扱われており
1冊,1200円.「シュモーに学ぶ会」が出版しており
その出版形態の関係上,ネットなどでは手に入れることが出来ず
資料館かシュモーハウスに出向くしかない.
値段は驚いた.安いからだ.
もっと高いんだろうと想像してたので,変なハナシ
自分が育った愛川町すべての小学校へ寄贈する分買っても
負担にならない値段である.
ま,そんな押しつけがましいこともどうかという気がしなくもない.
なので,自分の母校だけ,まずは寄贈とした.
自分が子供のころ,原爆についての学習は
ビデオ学習や教科書での1ページのみで
多くの人が死んだ,灼熱の炎が広島を覆った.
などの,学術的な内容より,抽象的で怖いね怖いね,原爆は恐ろしいね.ハイ次.
みたいなそんな扱いだった.
当時,自分の通っていた小学校の図書室には「はだしのゲン」が置かれてて
はだしのゲンも読んだ.やっぱり,あの地獄絵図は
子供的には大変ショッキングで,男子は面白半分に読むというものだったが
女子生徒は読んでいる.という光景を,あまり見た記憶が無い.
また,子供心には核兵器の持つ戦略的,政治的,軍事的,法的,科学的,工学的
様々な側面の,影響力や破壊力,歴史を一度に勉強し
統合的に自分の考え方をまとめるのは難しい.
なので,このシュモー氏の絵本「シュモーおじさん」は
そんな,小学校における教育において出会う
広島・長崎関連書籍の1冊としては
的確な1冊だと思った次第だ.
子供達には,立場を問わず,人を大切に思い.手を差し伸べる.
そんなシュモー氏の心を,絵本を通して触れてもらえればそれでいい.
事実として,広島の惨劇の後に,そのような活動で
生活を取り戻す手助けをした人もいる.
その事実を知ってもらえさえすれば,自分はそれでいい.
そこで,子供たちに非核化運動へ参画しろ,とか,核武装賛成論を唱えろとか
そんな思想的なものはどうでもよくて,この絵本を読んだ子供たちがどう考えるか
また,自宅で親御さんと,こんな本を読んだ.こんな人が居たんだって,と話をする.
そうした様々な流れこそが学習だと思っている.
そして,中学生,高校生,大学生となって
広島や長崎に関連のある何らかの学習に至った際に
シュモー氏をはじめ,外国人医師のジュノー氏など
色々な側面から,原爆についての学習のキッカケの芽となってほしい.
私は今の日本に,原子力についての無学習による恐怖がはびこっている気がしてならない.
国会議員が,原爆も原発も同じなどと,勉強不足も甚だしい発言をする程度だ.
敵を知れば百戦危うからず.
この言葉にもある様に,まずは学習を通して原子力とは,放射線とは,原子力爆弾とは
その構造やシステム,原理や科学的根拠.そうしたものを勉強するのは
むしろ今だからこそだと思う.
その第一歩の手助けになれば,幸いである.
という訳で,バイクの日は,ちょっと原爆について関わった一日になりました.
え?私自身は原爆についてどう思ってるかって?
持たざるも地獄へのキップ,持つも地獄へのキップ,となるやも知れない.
そう思っています.
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