• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

Dell@一二四朗のブログ一覧

2021年11月28日 イイね!

2021年WRCはトヨタ圧勝のシーズン

2021年WRCはトヨタ圧勝のシーズンようやくこのことについて書いています。

今年のWRCはまさにトヨタのためのシーズン
そう言っても過言ではないぐらい
トヨタが勝ちまくったシーズンになりました。

ヤリスWRCは2017年のデビューから
この2021年のシーズン末まで足かけ5年を走り
全58戦を戦い、総計で26勝を挙げるに至りました。


写真=トヨタガズーレーシング公式HPより

これはライバルチームの各車種と比べてもダントツで
2017年のWRカー最終規定車種を投入したのは

・トヨタ(2017-2021)
・シトロエン(2017-2019)
・フォード(2017-2021)
・ヒュンダイ(2017-2021)

であり、19年いっぱいで撤退したシトロエンのみが
僅か3年間の活動となっていますが
それでも、総参戦あたりの勝率はトヨタが圧倒的です。

トヨタのこの全58戦における勝率は、なんと44.8%!
フォードはオジェ離脱以降勝利に恵まれず、15.5%
ヒュンダイは前戦スペインまでで17勝を累計し、29.3%
19年いっぱいまでのシトロエンは全39戦で、15.4%です。
ちなみに、16年まで覇権を握っていたVWの勝率は
13年開幕戦~16年最終戦の全52戦で、勝率82.7%(!?)

最早どういう事なんだという勝率ですね。
ある意味では21世紀のランチアというか
17年以降で、ライバル達と相見えることがありませんでしたが
13年以降、VWとオジェのコンビが如何に強力な
タッグだったか思い知ります。
(シトロエンがローブ引退や開発縮小などあったにはせよ…)

いずれにしてもVWの撤退を引き金に、17年シーズンは
大きくドライバーズラインナップがシャッフルされ
Mスポーツ(フォード)がWタイトルを獲得するなど
選手権が色々と話題騒然となったのは記憶に新しいところです。

それでは、この5年間に及ぶヤリスWRCのシーズンを振り返ってみましょう。

◆2017年シーズン
レギュラードライバー布陣
【ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組】
【ユホ・ハンニネン/カイ・リンドストローム組】
【エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組】

ヤリスWRCは2017年デビューで
最も後発、99年の撤退以後、実に18年ぶりの
トヨタ製スーパーパーパスビルドとして
フィンランドの地で産声を上げました。
現トヨタ社長の豊田章夫氏と、4度のワールドラリーチャンプT.マキネン氏の
親睦を深めた事を発端に、15年の復帰発表
16年シーズンの開発を経て、17年のモンテカルロにヤリスWRCは
降り立ったわけです。ドライバー布陣も全員がフライングフィンという
オールフィンランド体制で中々話題となりました。

ヤリスWRCのデビューはラトバラによる2位獲得で幕を開け
なんと次戦のラリースウェーデンではいきなり優勝を果たします。
当のマキネンも、17年は学習のシーズンであり
勝負権があるとすれば、フィンランドと言っていたのですが
まさかの2戦目の勝利、これには私も含め
日本のスペクテイター達やラリーファンも騒然としました。

結局このシーズンはフィンランドもラッピが優勝し
全2勝を計上、デビューイヤーにしては出来すぎとも
言える年となりました。

【優勝】年13戦中2勝
・ラリースウェーデン ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組
・ラリーフィンランド エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組



◆2018年
レギュラードライバー布陣
【ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組】
【オイット・タナック/マルティン・ヤルベオヤ組】
【エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組】

この年は、昨シーズンで一気にタイトル争いへ名乗りを上げた
エストニアのオイット・タナックを迎え、ヤリスWRCは
いよいよ快進撃を開始します。
開幕から4戦は優勝はありませんでしたが、第5戦アルゼンチンでタナックが優勝
ラフグラベル戦では苦戦を強いられるものの、フィンランドからは
苦手なラフグラベル戦のトルコを含む破竹の3連勝を飾ります。
シーズン後半戦を失速気味になるライバル達をしり目に、最後のオーストラリアで
ラトバラがトヨタとしてのシーズン5勝目を記録し
復帰2年目にして、19年ぶりのマニュファクチャラーズタイトル獲得となりました。

ドライバーズタイトルを争っていたタナックは惜しくもチャンピオンには
手が届きませんでしたが、セバスチャン王朝に風穴を開けるのは
時間の問題と目されるほど、強力なラリーを周囲に見せつけました。

【優勝】年13戦中5勝
・ラリーアルゼンチン オイット・タナック/マルティン・ヤルベオヤ組
・ラリーフィンランド オイット・タナック/マルティン・ヤルベオヤ組
・ラリードイッチュラント オイット・タナック/マルティン・ヤルベオヤ組
・ラリーターキー オイット・タナック/マルティン・ヤルベオヤ組
・ラリーオーストラリア ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組



◆2019年
レギュラードライバー布陣
【オイット・タナック/マルティン・ヤルベオヤ組】
【ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組】
【クリス・ミーク/セバスチャン・マーシャル組】
育成枠
【勝田貴元/ダニエル・バリット組】ラリードイッチュラントよりヤリスWRCに搭乗

ヤリスWRCは参戦3シーズン目を迎えます。
前年までのE.ラッピがシトロエンへ移籍、新たに元シトロエンエースのK.ミークを招聘。
しかし、このシーズンは、速さはあれど肝心なところでヤリスWRCにトラブル。
という場面がよく見られました。
ターマックイベントでは、リム由来のトラブルでのスローパンクチャーが目立ち
タナックが勝ち星を加算する一方で、ラトバラとミークは未勝利に終わります。
ドイツからはOZと開発した新ホイールを武器に"ガラスの足"を解決しますが
中盤戦のイタリアでは、首位走行中のタナックのヤリスWRCが
最終SSでステアリングトラブル、5位へ転落してしまいます。

更に最終SSで攻める必要のないミークも凡ミスで8位へ転落と
暗雲がゆっくりと忍び寄ってきます。その後も、タナックが勝利を重ねるも
ラトバラとミークが不安定なラリーを繰り返し、ドライバーズタイトルは
タナックが射止めたものの、メイクスタイトルは防衛ならず。
そのタナックも、シーズン中からマキネン代表との不仲説が囁かれ
ついにタイトル獲得後、ヒュンダイへの移籍が発表されます。
このタナックの移籍には下位カテゴリーのトヨタ車の扱いに関して

マキネン側とタナック側でビジネス的な側面でソリが合わなかったという話や
ナンバーワン待遇の是非など、色々絡みがあった模様。

とういうところで、せっかくチャンピオンを輩出したけれど
そのチャンピオンは王者の肩書を手土産に他所へ行ってしまうという
01年のスバルの様な顛末となってしました。(R.バーンズが02年にプジョーへ移籍)

年間勝利数では6勝を挙げたものの、ライバルチームの戦略を打ち破るに至らず…
ドイツでは93年サファリ以来のトヨタによる表彰台独占や
TGR育成プログラムから勝田貴元選手が本格デビューなど
光る話題がありました。しかし、終わってみれば釈然としない感じであり
翌年に向けて、ドライバーラインナップが一新されることになります。

【優勝】年13戦中6勝
・ラリースウェーデン オイット・タナック/マルティン・ヤルベオヤ組
・ラリーチリ オイット・タナック/マルティン・ヤルベオヤ組
・ラリーポルトガル オイット・タナック/マルティン・ヤルベオヤ組
・ラリーフィンランド オイット・タナック/マルティン・ヤルベオヤ組
・ラリードイッチュラント オイット・タナック/マルティン・ヤルベオヤ組
・ウェールズラリーGB オイット・タナック/マルティン・ヤルベオヤ組


◆2020年
レギュラードライバー布陣
【セバスチャン・オジェ/ジュリアン・イングラシア組】
【エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組】
【カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組】
育成枠
【勝田貴元/ダニエル・バリット組】

開幕戦、2戦目と通常通りシーズンが進行したものの、メキシコ以降
COVID-19をはじめとする世界的なパンデミックの影響で
全7戦となった20年シーズン。
トヨタは新たに、撤退したシトロエンから、当時6度の世界王者として
君臨していたセバスチャン・オジェ
Mスポーツからウェールズ出身のエルフィン・エバンス
フィンランドの新進気鋭、ハリ・ロバンペラを揃えてシーズンに挑みます。

オジェは、昨シーズンのシトロエンの開発の遅さを理由に
オプション規約を行使してトヨタへ移籍。その移籍劇は
シトロエンがWRC辞めます。という言い訳に利用され
オジェは他のドライバーに失礼極まりないと、シトロエンを非難する一幕も
確かに、19年、新天地を求めて移籍したラッピ等が椅子の無い状態になるなど
シトロエンの無責任な急撤退は、サービスパークに波紋を呼びました。

さて、肝心のこのシーズンはというとCOVID-19の影響で全7戦となり
シーズン中版に半年近い空白が空くなど、WRCのみならず
どのカテゴリーでも大きな影響がありました。
トヨタはオジェとエバンスが2勝ずつあげるものの
マニュファクチャラーズタイトルは、ヒュンダイの3rdドライバー交代作戦に苦戦
勝ち星こそ、7戦中4勝とライバルチームをリードしましたが
取りこぼしが散見され、最終戦モンツァでは
オジェとタイトルを争うエバンスがコースオフ、これが響き
Wタイトルはお預けとなりました。しかしドライバーズタイトルは
オジェが奪還に成功、7度目の世界王者となり、オジェはVW、フォード、トヨタと
異なる3ワークスでチャンピオン獲得という、J.カンクネンに並ぶ
偉業を打ち立てました。(カンクネンはプジョー、ランチア、トヨタで獲得経験あり合計全4回)

【優勝】全7戦中4勝
・ラリースウェーデン エルフィン・エバンス/スコットマーティン組
・ラリーメキシコ セバスチャン・オジェ/ジュリアン・イングラシア組
・ラリーターキー エルフィン・エバンス/スコットマーティン組
・ラリーモンツァ セバスチャン・オジェ/ジュリアン・イングラシア組



◆2021年
レギュラードライバー布陣
【セバスチャン・オジェ/ジュリアン・イングラシア組】
【エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組】
【カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組】
育成枠
【勝田貴元/ダニエル・バリット組】エストニア迄
【勝田貴元/ウィリアム・キートン組】ベルギー迄
【勝田貴元/アーロン・ジョンストン組】フィンランド以降

22年から新規定となるWRC、ついに97年シーズンから続いた
広義的なWRカー規定が役目を終える最後の年
トヨタはチーム代表のマキネンが、トヨタのモータースポーツアドバイザーへ異動
新たに、19年までのレギュラードライバーを務めたラトバラがチーム代表を務め
更に、活動本体もTGR-E(元TTE)に移管するなど、体制も目新しくなりました。

そして、この年は開幕から、トヨタの勢いが凄まじいものとなりました。

先に言っておきますと、先述の通り今年は
全12戦中9勝という、勝率75%にも達するシーズンで
ラリーのトヨタここにあり。と言わんばかりのシーズンとなりました。

★開幕戦:ラリーモンテカルロ
開幕はオジェが昨年逃したモンテ優勝を強力に手繰り寄せる力走で制覇
続く2位にはエバンスが続き、ロバンペラも4位、育成枠の勝田選手も6位に入るなど
力強い1-2フィニッシュ、パワーステージも完全制覇で
シーズンをスタートしました。
今年から完全1社供給となるタイヤがピレリに代わり
マッチングの是非が主題となったこのラリーで、トヨタ勢は見事な走りを見せたことも
特筆すべき点と言えます。

【優勝】セバスチャン・オジェ/ジュリアン・イングラシア組
【2位】エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組



★第2戦:アークティックラリーフィンランド
ラリースウェーデンのCOVID-19によるキャンセルで
急遽、スノーラリーの代替イベントとなったアークティックラリー
過去の選手権外の当イベントにトヨタはヤリスWRCを持ち込んでおり
ロバンペラの初優勝が期待されました。
が、トヨタの事前テストと、本番では気温に大きな差があり
ラリー開始直後から、トヨタ勢はセットアップが上手く合わず苦戦。
最終的に敵陣のタナックに優勝を許してしまいます。
ですが、ロバンペラが2位を確保し、相手チームの1-2フィニッシュを阻止
シーズンを通して、こうした相手の1-2を阻止するのは
非常に大きな意味を持ち、ロバンペラが打ったこの楔は
大きく価値のあるものだったと言えます。

【2位】カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組


★第3戦:ラリークロアチア
シーズン最初の"ドライ"ターマックイベントは、初カレンダー入りとなる
クロアチアとなりました。ここで、トヨタ勢はチームメイト同士の
熾烈な走りを展開。2日目、3日目とオジェとエバンスがリードしながらも
激しく争い、最終的には0.6秒差でオジェがシーズン2勝目を獲得
オジェはこの最終日、リエゾンで一般車と絡む交通事故もあり
大きく揺さぶられる気持ちの中で、最終SSのマキシマムアタックを敢行
7度の王者の底力を見せつけました。

【優勝】セバスチャン・オジェ/ジュリアン・イングラシア組
【2位】エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組



★第4戦:ラリーポルトガル
シーズン最初のグラベル戦となるポルトガル
昨年までの展開を読めば、上位スタートとなるトヨタクルー達は
出走順の不利を囲うもので、下馬評でも序盤戦で燻っていた
ヌービルやタナックが来ると見られ、3rdのソルドもいぶし銀らしく
堅実な攻めでトヨタを脅かします。
しかし初日からエバンスが2位につけると、タナックの脱落などもあって
2日目には首位浮上、そのまま最終日まで走り抜け、シーズン初勝利
オジェも終わってみれば3位でポディウム登壇という
不利を囲うと懸念されたラフグラベル3連戦の初戦を勝ち星で飾りました。

【優勝】エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組
【3位】セバスチャン・オジェ/ジュリアン・イングラシア組



★第5戦:ラリーサルディニア
続くサルディニアは、敵陣のダニ・ソルドが過去2連覇しており
出走順を生かした難敵として立ちはだかると予想されました。
もちろん、前戦リタイアに沈んだタナックや
ここまで昨年モンテから勝ち星のないヌービルも当然
上位に食い込むものとの見方がされ、シーズン序盤戦を占う意味でも
トヨタは苦戦を強いられるとの下馬評でした。
しかし、初日こそ先行を許すものの、2日目以降はクロアチアの再演
トヨタが1-2を堅持して、ラフグラベルを2連勝しました。
タナック、ソルドが共にデイリタイヤした影響もありますが
相手が落としたときに、確実に拾うのもまた強さです。

【優勝】セバスチャン・オジェ/ジュリアン・イングラシア組
【2位】エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組


★第6戦:サファリラリーケニア
19年ぶりの開催となったサファリ
序盤から荒れた展開となり、トヨタ勢は初日からやや失速気味
エバンスは岩にヒットしデイリタイア、ロバンペラも
マシンが砂地にスタックしてデイリタイヤし、大きく出遅れる。

トヨタ勢としては、勝田選手が総合2位につけるも、メイクスポイントの対象に
ノミネートされていない勝田選手はスキップされるため
初日4位のオジェが最上位となり、トヨタの快進撃も一旦ここまでか
という様相がDAY1であった。

しかしDAY2から、流れは大きくトヨタに傾いていきます。
まず、オジェの上位を走っていたタナックがデフロスターのトラブルで
運転席側が曇ったままになる症状に見舞われ失速
ヌービルがトップに代わるもの、続く最終日ヌービルが
リアサスペンションを破壊しまさかのリタイア

SS15終了時点でなんと勝田選手がラリーリーダーに立つ展開
その後ろにはオジェが付け、DAY1からは考えられなかった
トヨタ1-2となります。
そして、最終SSまでに勝田選手は手持ちのタイヤ選択が少なく
オジェに逆転を許してしまいますが、総合2位でフィニッシュ
優勝はオジェとなり、勝田選手の記念すべき初ポディウム登壇となりました。

日本人のWRCイベントにおける表彰台登壇は
94年のサファリラリーにおける篠塚健次郎氏の2位以来およそ27年ぶり
95年の世界2リッターカップの藤本吉郎氏の95年のST185での優勝から
起算すれば26年ぶりの日本人によるWRCポディウムです。

これでトヨタは序盤戦で5勝をマーク、不利を強いられたにも関わらず
ラフグラベル3連戦を全てモノにしてしまう快進撃を演じました。

【優勝】セバスチャン・オジェ/ジュリアン・イングラシア組
【2位】勝田貴元/ダニエル・バリット組


★第7戦:ラリーエストニア
昨年の初開催に続いて、今年も開催となったラリーエストニア
敵チームのタナックの地元であり、下馬評では出走順の有利からも
タナックが勝つだろうという空気の中、ラリーは始まりました。
が、初日を終えてトップに立ったのはロバンペラ
そのままロバンペラは追いすがるブリーンを突き放し
最終的に59秒までリードを拡大。自身初優勝と共に
トヨタが落とすと考えられたエストニアを制する大金星を挙げます。
タナックはラリー序盤にコースオフからのパンクで失速したことこそあれど
競争力を示したブリーンを冷静に突き放して堂々の優勝です。

【優勝】カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組


★第8戦:イープルラリーベルギー
ここではハッキリとイベント経験の差が現れました。
トヨタ勢は初のベルギーですが、ヌービルは地元かつ
過去にも出走経験があり、タイヤのマッチングなどでも
トヨタは後れを取ります。
全日程を通して、ヌービルとブリーンを捕えられず
トヨタ勢は3-4-5でフィニッシュとなります。しかし
最後のパワーステージではオジェが2番時計を記録するなど
相手チームのフルポイント完勝はギリギリで阻止
マニュファクチャラーズタイトル戦線で、相手に差を詰められるも
依然として大きなリードを維持して、アウェイ戦を切り抜けました。

【3位】カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組


★第9戦:アクロポリスラリー
ロバンペラの大立ち回りで初日が始まりました。
ロバンペラは初日タナックと激しい首位争いを続け
2日目からはグイグイその差を広げて、2日目の終わりに
30.8秒のリードを築きます。
更に、ロバンペラは3日目の最初のSSもスーパーベストで
他を圧倒し、そのままリードを堅持し最終SSのパワーステージも制し
フルポイントで2勝目をマークしました。
僚友のオジェも3位に入り、パワーステージはトヨタ勢が上位独占
ベルギーで詰められたマニュファクチャラーズタイトルポイントを
再び突き放す事に成功しました。

【優勝】カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組
【3位】セバスチャン・オジェ/ジュリアン・イングラシア組



★第10戦:フィンランドラリー
17年の復帰以来負けなしのフィンランド
ここまででエストニアとアクロポリスの優勝で波に乗るロバンペラに
大きな期待がかかります。
しかし、トヨタのフィンランド連勝記録のためにチームをけん引したのは
エルフィン・エバンスでした。2日目にロバンペラはコースオフし
土砂山にぶつかり、手首を痛めてしまいます。
しかしエバンスは、ロバンペラの失速を補って有り余る強さを発揮
エバンスはラリーを通してその力強さを堅持し
18年、19年とヤリスでフィンランドを完勝していたタナック相手に一歩も引きません。

結果的に、最終日は4ステージ中、パワーステージを含む3ステージで
エバンスが1番時計を記録し、イギリス人として2人目のフィンランドウィナーに
輝きました。
これでトヨタは復帰以来のフィンランドを全て優勝、WRカー最後のシーズンも
しっかり防衛を果たしました。

また来季22年にトヨタ復帰が発表されたE.ラッピも4位に入るなど健闘

結果的にこのイベントの終了時点で、オジェとエバンスだけが
タイトルを競える得点差となり、トヨタから3年連続で
ドライバーズとコ・ドライバーズのチャンピオンが
輩出されることが決定され、残る2戦が天王山となります。

【優勝】エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組


★第11戦:ラリーカタルニア
開幕のシェイクダウンからSS1とエバンスが飛び出しますが
その後はヌービルに詰め寄られ、逆転を許し
そのままリードを許したままラリーを終える結果となりました。
3位につけていたオジェも、2日目の最終SSでエンジンストールに見舞われ
最終日にソルドの逆転を許し、4位という結果に
オジェが3位であれば、パワーステージの結果如何で
トヨタのメイクスタイトル決定もあり得ましたが、最終戦モンツァへと
持ち越しになりました。

【2位】エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組


★最終戦:ラリーモンツァ
迎えた最終戦、トヨタはメイクス獲得のマジック点灯が5ポイントのため
ラリースタートから、ロバンペラに絶対完走命令を敷きます。
対し、ドライバーズタイトルを競うオジェとエバンスは
SS1から激しいバトルを展開、初日、2日目、最終日と
いたるところで秒差のバトルを繰り広げます。

-閑話休題-
ちなみに、全くラリーとは話がそれますが
このモンツァでSS2とSS4に指定されたCosta Valle Imagnaは
なんと、ほぼほぼレッコ県のコモ湖畔の目と鼻の先
つまり、モトグッツィの故郷、マンデッロ・デル・ラーリオまで
なんと車で30分の距離がゴール地点なのでした。
グッツィ生まれの地で、トヨタが激走する。
グッツィスタ兼トヨタリアンの私には尊さが強すぎて
しばらく悶絶していました。

最終日SS14ではオジェにヒヤリとする場面もありました。
オーバルのバンク部分に用意されたシケインで
オジェがヤリスの右前フロントを掠める瞬間が
しかし、ヤリスに問題は無く、間一髪で難を逃れます。
こういう部分もオジェの強さというか、凄さを思い知らされます。

結局最終SSを前に、エバンスがエンジンストールに2回見舞われる展開になり
勝負は決します。オジェが優勝を決め、同時に8度目の世界タイトルを獲得
15年コンビを組んだイングラシアの引退を優勝で送り出すという
2人にとってこれ以上ない結果で21年シーズンを締めくくりました。
また、最終SSはロバンペラが完走した時点でトヨタのメイクスタイトルが決定
観衆の前ではロバンペラがドーナツターンをする一幕も
(2001年のカタルニアではパニッツィが突発的に行いFIAに叱られていました)

本件はどうも織り込み済みだったようで、サーキット内ということもあり
お咎めなし。ヨンネのペースノートにはドーナツの写真が貼られ
ゴール後のインタビューでは、ドーナツターンの事由を

ペースノートの記載ミス(笑

というフィンランドジョークも飛び出しました。

またトヨタは18年シーズン以来のメイクスタイトル奪還で

1994年のディディエ・オリオール/ベルナール・オセッリ組以来の
トヨタWRC完全制覇となりました。

これでトヨタのメイクスタイトル獲得数は
1993年
1994年
1999年
2018年
2021年

と5回を計上するに至り、プジョーと並ぶWRC歴代3位の記録となりました。

また年間で9勝を計上したのは日本車メーカー初であり
過去に、97年シーズンはスバルが年8勝、98年シーズンは三菱が7勝を記録
していましたが、今回改めてトヨタが塗り替える形となりました。


写真=左:英国スバルHPより 右:トヨタガズーレーシング公式HPより

ここまで足早に5年感のヤリスWRCを振り返りましたが
本当に強いマシンになったなと感じます。

歴代WRカーの中で、通算20勝を超えるのは
ヤリスWRCや206WRCで、クサラWRCやポロWRCはまた更に異次元の勝率なので
普通に考えたらヤリスや206でも傑作ラリーカーと言われます。
インプレッサも、モデルで切り分けず、97年から08年まで累積すれば
勝ち星はかなりの数ですが、GD8、GDB-C、GDB-Fなど
切り分けると、その勝ち星は散逸していきます。

そして25年間に及んだWRカーがこのモンツァでついに引退となりました。

1997年、ワールドラリーカー規定として施行され
時のスバル、フォード、トヨタが飛びついて、後にセアト、プジョー、シュコダが続き
99年には最大で7台ワークスが競うイベントもありました。

97年の開幕戦モンテカルロはスバルのP.リアッティがインプレッサWRCで優勝し
記念すべきWRカーの歴史は、日本車が紡ぎ始めたと言ってもいいでしょう。
そして、この21年のモンツァでオジェがヤリスWRCで勝利を収め
その歴史の最後を飾ったことは、とても嬉しく、歴史の始まりと終わりを
日本車の二台が華々しく担ってくれた事は大きな誇りです。

25年前のリアッティの優勝と、先日のオジェの優勝に乾杯とありがとう!!



来シーズン、ラリー1規定となってWRCは新たな1ページを開きます。
各チームともに開発は佳境に入っており、モンツァ後休む間もなく
テストが行われています。
TGRのプレスリリースに寄せた豊田章夫社長もコメント中に
今年はクリスマス休暇返上になる皆さんには苦労を掛けます。
とコメントする一幕もあるぐらいなので、相当スケジュールは詰まっているのでしょう。

ですが、WRCはこの1カ月半のインターバルを経て、来年の1月には
もうモンテカルロが開幕します。
私たちスペクテイターにどんな戦いを見せてくれるのか
今から楽しみですね。

トヨタはいよいよGRヤリスをベースとしたGRヤリスRally1がデビューします。

エバンスとロバンペラを主力に据え
王者オジェは数戦のスポット参戦、そのシートをシェアするのはラッピです。

オジェはスポットであるあため、出走順の有利を生かして
グラベル戦で活躍してもらえれば、トヨタのメイクス防衛も
きっとプラスに作用してくれることでしょう。

22年の開幕戦が今から待ち遠しいですね、来年こそは
ラリージャパンも開催が実現してくれることを願って
今年のWRC振り返りとさせて頂きます。
Posted at 2021/11/28 20:01:36 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2021年11月07日 イイね!

グッツィモーニングラリー 箱根ターンパイク

グッツィモーニングラリー 箱根ターンパイク久方ぶりです。

毎度毎度久方ぶりです。
前回のル・マン24時間に関するエントリー以来ですね。
すっかり寒くなっちゃいました。

先日11/3にグッツィモーニングラリー箱根ターンパイクと称して
facebookとTwitterにて、エントラントを募り
グッツィスタのミーティングを企画・実施いたしました。

私は言い出しっぺなので、予定より早めの行動で朝の4時半には家を出ます。



寒ぅーい!!!!!!!!



豚まんおいしー!

なんですけど、変に休憩して、建物とか入って
身体を温めちゃだめですね、寒暖の差を余計に感じて
やっちゃダメだなと今更ながらに思いました。

寒いなら一貫して寒い(この時期だけなら)の方が良いかなと

なんやかんやで6時半にはターンパイクに到着
天気も良く、会場になるスカイラウンジ目指して上りますが
イヤー寒いっすわwwwwwwwwwwww

9℃って、1月や2月からしたら十分暖かいんですけど
夏気分のままでいると十分寒くてひょえーwwwwww



富士山が綺麗でした。



朝焼けの富士山なんて久々に堪能。

っつー具合でコーヒー飲んでノンビリしていると
7時からエントラントの皆さんがわらわら集合しだして
なんと朝8時の段階で10台近くが集結。

その後もどんどん増えまして







最終的には累計28台(入退場自由だったので、累計としました。瞬間最高は23台です。)

おーたくさん集まって頂いてありがとうございます!

facebookはコミュニティ内限定で募集していたので
数が把握できていたのですが
Twitterは結構フォロー外のグッツィスタにも届いていた様で
結構集まりまして、いや皆さん遠路はるばるありがとうございますホントに

途中には、まったくこんなことをしているとも知らない
ル・マンIIIの方も飛び入りで参加だったり、ホント盛況でした。

実は8/28にも第1回と称してグッツィモーニングラリー有間ダムをやっていたんです。

ただ緊急事態宣言の最中だったので、facebook限定の
それぞれワクチン接種なり、体調が不安でないことなど
色々縛って短時間でやったもんですから
あんまり公に言っていなかったんです。

ただ初回に参加いただいた方々から、是非二回目も!
という暖かいエールを頂いて
調子乗って二回目がこの箱根でした。

当初、10/31の開催予定だったんですが
天候不順で延期となりまして、結構前乗りしてくれて
構えてくれてたエントラントの方々も居て、ほんとスンマセンて感じ

11/3の"ディレイ"となった本会は、逆に10/31が都合悪かったけど
出られる~!ってことではせ参じて頂いた方もちょくちょくいらして
遅延してやってよかったなぁと思いました。

皆さんの参加マナーも大変よく、不用意な問題や事故・トラブルなく
無事に終えることができました。

この冬には、都心で第三回がやれたらいいかなって思っています。
箱根は、静岡・愛知エリアからの参加者も結構来て頂いたので
アクセス性の良さから、来年の春先に第四回目として
再び考えています。

ゆくゆくは長野のビーナスラインとかでもやってみたいですねぇ

Twitterにも当日の模様をちょくちょく掲載していたら
関西エリアのグッツィスタ達からも

関西でやってや~!なんて冗談交じりの嬉しい声も頂きました。

でも関西はちょっち厳しいっすねwwwwwwwwww
でも、自分がなんかのツーリングついでに関西で
やるならそれもまたアリかとは思うんですが

なんせレッキが難しいので、ロケーションの安全性確認が課題ですね。

当会は基本マスツーをしない集合型現地解散オフミですが
なによりも来場者の安全が第一ですから
主催の私がロケーションの勝手を知らないのは結構不味いことなので
関西エリアからも参加できるようなパターンの会は
タイミング次第ですかねぇ。

ということで、第二回目のグッツィモーニングラリーへご参加頂いた
エントラントの皆さん、ありがとうございました。

第三回も企画中です。
続報をお待ちください。

にほんブログ村 バイクブログ モトグッツィへ
にほんブログ村
Posted at 2021/11/07 19:17:40 | コメント(0) | トラックバック(0) | バイク | 日記

プロフィール

「V100マンデッロ詳細が明らかに http://cvw.jp/b/715559/46735644/
何シテル?   02/10 09:07
Dell@一二四朗ともーします。 V7iiストーンでドコドコと走ってます あっちにドコドコ,そっちにドコドコ 気ままにゆったり適当がマイルール ...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2021/11 >>

 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930    

リンク・クリップ

日本ブログ村【モトグッツィ】 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2016/09/05 22:37:13
 

愛車一覧

トヨタ ヤリス トヨタ ヤリス
8/7ついに待望のヤリスが私のところへやってきました。 8/23履いてみたかったOZレ ...
モトグッツィ V7iiストーン モトグッツィ V7iiストーン
2016年3月29日納車 ずっと恋い焦がれてたV7iiを我が手に
プジョー 206 (ハッチバック) プジョー 206 (ハッチバック)
W124以来6年ぶりのクルマとして購入。 2020年7月24日にヤリスの納車が翌週に控え ...
ホンダ GB250 CLUBMAN (クラブマン) ホンダ GB250 CLUBMAN (クラブマン)
勢いで決断し,京都から引っ張ってきました. 初めて乗った日は,ヘルメットの中で顔がニヤニ ...
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation