emergency！

ある日の朝 まだ寝坊助ヅラで家の中をさまよっていた時
遥か彼方から聞きたくない音が近づいてきた


ん～？救急……車か……？
朝っぱらから大変だな……


やがて救急車の音はドップラー効果を残し去った
消防の方々は大変だな……２４時間常に待機していなければならない


そんなこんなでまた……愛してやまない…………シャドー＆ディープ㈱に出向く


毎日同じ道を走ると やはり同じ車がいたりする
何年も前後したりすれ違う車もいたり


みんなも頑張ってんだな……


段々と混み始めてきた
やはり工事車両が増えてきている


ふと前方にかすかに……見えた！
悪魔の使い(？)が好んで使う光
誰もがひれ伏す道路界最強の力を誇る奴ら……


ったく……こんな朝から熱心な事だ


私は不機嫌につぶやく
しかし……その明かりの位置が高い
そして今朝聞いたあの音……


救急車だ！


しかし……片側一車線の道 双方渋滞中である なかなか救急車も進めないようだ


ふむ……救急車が来る前にどこかスペースがないか？
こんな時は車幅が１８００mmを超える車は邪魔以外の何物でもないな……


歩道の切れ目に頭を突っ込み隙間を作った これだけのスペースがあれば救急車も通過出来るだろう


私は救急車が来るのを待った


次の瞬間 黒いものが私の横を抜けていく！


あ！？


私の直後にいたN社の２リッター級ミニバンが私を追い越した


お おい！ちょっと！！


さらに某ドイツ系MB社のE３５０が続きさらにT社の１.８リッター級のセダンが続く


だが！N社のミニバンは間一髪滑り込めたが……MB社製E３５０は救急車と隣車線に挟まれ身動きが取れなくなった
しかも 直後のT社製１.８リッター級セダンがクラクションを鳴らしまくる
早く進めと……
初心者マークをつけたねーちゃんだ！


ただならぬ状況に隣車線の車たちはさらに左へと寄る
救急車も何とか縫うように抜けて行った


MB社製E３５０のおばちゃんは速度を上げ去って行った



初心者マーク付けてのあの攻撃はなかなかない……つうか あんたら救急車来てんのにさぁ…

道を空けるために避けた車追い越すか？
もちろんねーちゃんには私は攻撃開始
ベッタリと張り付きヘッドライトをオンに！右ミラーからわかる位
車体をだし蛇行！！
遂には前方から車が来ないのを確認し
右側に並び 窓を全開！


ごるぁぁぁぁ！この初心者小娘！テメェ常識も知らねェのがぁぁぁ！！


さらに追い越し！割り込みブレーキ攻撃！！
降りていき窓を叩きまくり怒鳴り散らした！
ねーちゃんは貝になりだんまり


ふん！なんだよ！あの勢いはどーした？オラ！！



全く……朝から妄想族かよ！？
自分の妄想馬鹿さ加減にうんざりしながら
初心者ねーちゃんの後ろをゆっくりついて行った