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ついに今年もやってきたこの季節


黄色い悪魔たちが その猛威を振るい
世間を阿鼻叫喚の地獄にする季節が
終わりを告げる頃…


黄金色に輝くというスペシャルウィークが来る


残念ながら 競馬のスペシャルウィークは
このろくでもない素晴らしき世界から
旅立ってしまったがね


平日の1日2日を有休にすれば
9連休という とてつもない休みになる


どこの異世界のお伽噺なのかね？


私はつぶやいた
でも それは現実逃避の言い訳に過ぎぬ
現実に その異世界のお伽噺は存在するのだから


私がつぶやいた所で
黄金色に輝くスペシャルウィークは
この先 日本が存在する限り
続くのだ


日本の自衛隊がクーデターを起こし
内閣をぶち倒して 自衛隊統合幕僚監部が政権を担う 軍事政権にでもならない限りな


もしくは 赤き大陸や白熊連邦 偉大なる領袖の国から核兵器が飛んできたとか…


そんな事がない限り続くだろう


だが！
黄金色に輝くスペシャルウィーク中
仕事は結構暇だったりする
平日と同じか色が付くお給金なのに
仕事は楽勝


これはこれでアリなのだ
黄金色に輝くスペシャルウィーク
戦場への誘いでもある


余程の確固たる戦いへ赴く気概が無いと
歴戦の猛者と渡り歩く事はできない


長時間の大渋滞に耐えうる耐久力
大人数の人間を掻き分け進軍する馬力
果てなく並べる忍耐力


フィギュアなんかでよく聞くセリフがある


『買わずに後悔するなら買って後悔しろ！』


なるほどね


出掛けて疲れて…思った程じゃなかった
行くんじゃなかった
後悔する場面もあるだろう


後悔出来るだけいいんだよ


その場所に行って その場所の空気を感じる…
百分は一見にしかず


いくらインターネットが発達しても
その場所の様子はわかるが
空気感は感じ取る事はできない
現実に見て触ってみなければわからない事が多いものだ


こんな連休なんてなかなかない
休めるならば！是非！
様々な場所へ出掛けて欲しい！


黄金に光り輝く週間



カレンダーが黒いままの人間もいる
楽しんでこい！！！
そして疲れ果てるんだ！！！
そして後悔するのだ！！！


それはゴールドなスペシャルウィークを満喫できた証でもある
後悔すらできない人間もいるのだ


脱け殻になるまで疲れやがれぇ～！
(我が魂の叫び！)

かつて私はコンパクトな車に乗っていた


トヨタ スプリンタートレノGT-Z
1.6リッターツインカム16バルブ
スーパーチャージャー搭載
165馬力


同系統のGTやGT APEXより25馬力上乗せされたもの
いい気になってぶん回せば
極悪燃費に片足突っ込む位悪くなる！


スーパーチャージャーゆえに
ターボに比べて最大出力/最大トルクは控えめといえるかもしれないが
極低回転域からも力強いスタートが可能だった


もちろん最近の高出力モデルに比べれば
隔世の感はあるさ


当時 私はまだ若かった
尖ったナイフとまではいかなかったが
やはり向こう見ずな所はあった


今でこそ厳罰に処される煽り運転


当時の私はビュンビュンとスピードが出るトレノに酔いしれていた


国道も飛ばしたさ


前にいたのはターセル
しかもディーゼル
明らかにスピードが出ない代表格


黒煙を吐き出しながら走る
私には我慢ならなかった
もっとスピード出せよ！！


ボローニャターセルに張り付き
アピールする


私は若かった…向こう見ずだった
経験値も無い


ターセルのブレーキ攻撃をまともに食らった！！
幸いにしてトレノは軽くてブレーキも効きやすい


追突事故は回避した


2車線になりターセルは左折レーンに
私はそのまま直進


ターセルの運転手は窓を全開にして
凄まじい形相で喚いていた
体を乗り出してまで激しく騒ぐ！


左折するにもかかわらずだ


よほど頭に来たのだろう
そのおんつぁんは何も悪くはないのだ
若造が怖いもの知らずにちょっかいを出してきたのだ


怒り心頭はごもっとも


その時 私は学んだのだ
あぁ…世の中 おっかないんだ


以降私はベタ付け煽り運転などしない
される事はあってもやらない
もし小川直也みたいな 物凄いのがドアを開け放ち


ノッシノッシと怒りに狂った顔で来られたらチビるもの


私も1度だけ 道路のど真ん中に車をとめ
ドアを開け放ち
後ろのインテリヒゲメガネを激しく攻撃した事はある


フロントガラスを拳で何度も叩き
激しく罵倒した
サッシュレスドアだからサイドウィンドウは叩かない


もし破損させれば立場は逆転
こちらが器物損壊容疑で摘発されてしまう！


ちょっと冷静だった自分を誉めてしまったな


まさにあのターセルのおんつぁんの心境そのものだ


車は鎧を纏ったかのような錯覚をもたらす ゆえに自分が強くなったかのような感覚！


でもあくまで錯覚である


煽りまくりは その瞬間は熱くなっているからわからないだろうが
代償を支払わなくてはならなくなった時


ダメージは大きいのだ
その時 後悔しても
あとの祭り雛祭りである

疲れた…


疲れずに楽しく仕事ができる人が羨ましい
そういう人は 趣味の延長上にある場合が多いんだろう


好きな事は 疲れても疲れないのだ！


まぁ 仕事にありつけるだけいい
世の中 様々な理由で仕事がしたくても出来ない方々もいる…


仕事があるからこそ
今の極悪維持費車を走らせる事が出来る
コンビニに立ち寄り150円クラスの
コーヒーが飲めるというものだ


さて…いつものコンビニに立ち寄る


うまい棒を5本 コーンポタージュ味
サラダ味 チーズ味 たこ焼き味
あとどれかダブらせ5本にする


そして150円のコーヒーで200円
100円コーヒーの場合もある


私が店に来る頃は
屈強の野郎どもを乗せたボローニャワゴンも多くやって来る



ドズドズドズ


ん？
緑色のLEDの光がアスファルトを照らし出す
車内は群青色のLEDが照らし出す


真っ黒な先代プリウスである
もちろんテールライトも改造
尾灯だけでなくウィンカー点灯しっぱなし


エコカーには見えないな


店に入りうまい棒を購入！


ギャッハハハ！
うっそ！？まじぇ！？
え～？やべーって！！


スマートフォン片手に
店内をグルグル歩きながらスマホ
さらにデカイ声
カゴの中に色々入れている


私の後ろに並んだ
さっきのプリウス乗りのやつだ
スマートフォンはしまったようだ


私の前のおんつぁんは大量に食料を買い込んでいる
コンビニは高い…カゴ山盛りに買うなら
スーパーの方がいいんじゃね？


そう思ったりしたが…


レジ係は新人さんのようだ
他の人はいない 1人に任せているのか？
これはキツいよな
夕方だぞ？


不慣れな手つきで頑張る


ようやく他の店員が来て
『次お待ちのお客様こちらへどうぞ』


私はプリウス乗りを行かせた
彼は ど どうも的にペコリと頭を下げて隣のレジへ行った


車に乗り込みうまい棒を食べながら
コーヒーを飲む


ふぅ…
また明日頑張るか
そう自分に言い聞かせ
帰途につく

私は我がマスィーンを運転している


今日はエンジンがご機嫌なのか
加速がいい
気圧？外気温？
何が原因なんだろう


目の前には大手宅配業者のトラックが走る


その瞬間


大手宅配業者のトラックの陰から
対向の右折ダンプ
あのアメリカでよく走る長いボンネットがあるトラックみたいなやつ


ピンク色の塗装のダンプが
曲がり出す


おい！！まだ！


もちろん信号はこちらが青である！
対向側も青だろうが
直進がまだ交差点にいるのに！


あああああああああああ！！！


あっ！！！


…


……


う…ぐ？
あら？


そこには薄暗い天井があった
時計は午前4時37分


はぁ…やべーわ


全身に力が入ったんだろう
まだ体が強張っているみたいだ


それにしても…ピンク色のダンプとは…


もちろん今はまず見ない車体形状
アメリカ映画の中でしか見ないかな？


あぁ 震災時
自衛隊のトラックにいたな
ボンネットトラック…ダンプ？



かつては沢山走っていたはずだが…
やはり『鼻』がある分
積載性とか車長とかで不利？
取り回しも厳しそうだよなぁ


ただでさえデカいダンプだ
旋回性も視認性もかなり悪そうだ



でも エンジンが前方にあるから
振動や騒音は有利だったのかしら？


ピンク色のは実際に走っていたもの


数年前見た記憶がある
もう引退したんだろうかなぁ…
普段見慣れない姿だったからね
やけに印象深かった


こんな形で記憶の底から現れるとはね

私はマスィーンを駆り走っていた
平日なのに 意外に混みぎみ
右側車線も流れは止まる


真っ青なスポーツカーが来た


スバルBRZ


いまだに86と瞬間的に区別がつかない
レヴォーグとWRXも間違うからな…
正面からみたら…


スポーツカー受難の時代…いや車受難の時代によくぞここまで増えたものよ
セダンすら激減しモデルが消滅しているのだ


よく言われるBRZや86の悪口
パワー不足
何かにつけて叩かれる部分
スーパーチャージャーを突っ込んだり
ターボを入れたりする人はいる


マージンを削れば相当な出力を出せるそうだが
当然 エンジンの寿命も削れる


標準で
2.0リッターNAで200馬力超 しかも後輪駆動で比較的軽い車体


多分パワー不足を言う方々は
BRZを完璧に乗りこなし サーキットの狼どころか虎や獅子を名乗る程のレベルなんだろう


マツダのロードスターやコペンとかは
もはやスポーツカーですらない訳だな？



かつては月1万台単位で売れたモデルもあったというのが信じられないよなぁ


排ガス規制 高燃費がくるか
基本スポーツカーのエンジンは出力重視…
力があるという事は 燃料をジャンジャカ燃やす訳だもんな


次に実用性の低さ 当然スポーツカーは
理想的な空力を求めるから
車体は低くなる 人がいる空間も容積は小さくなる


荷物を置く空間なんて そもそも考慮される訳もない


日本は不景気が続く
給料が上がらないのに物価は上がる
車の価格も上がる
複数台所有も厳しい


世の中 不景気になり始めたあたりから
効率という言葉が叫ばれるようになった
無駄を排し より少ない汗でより大きい効果を得る


正しい


間違いなく正しい
しかし 効率を極めようとすると
無味無臭に感じる場合もありそう


趣味とは効率と対極にあるものと言える
スポーツカーは趣味の中でも
高価な部類に入る


趣味の塊のスポーツカーに
効率を求めるのは…無粋であろう


ただレースなどは効率は非常に大事な部分であるがね




世の中の嗜好の変化もあるか？
スポーツカーが格好いいのは普遍の理だが


所有したいと思うかは別なのだ