絶滅０１

かつて…
この世の全てを焼き尽くすかのような
真夏の日射しがあった


アスファルト上にあるものは
全て焼かれ ミイラ化した


だが…
そんな地獄の中に於いて
抗(あがな)うレジスタンスがいた


漢(おとこ)そして女傑(アマゾネス)である


全てを焼き尽くす真夏の太陽に戦いを挑み
汗ぶったらしながら
エアコンなどという人間を堕落させた利器を捨て去った
類い稀な存在


何故そこまでさせるのか


頑なに蕀(いばら)の道を歩むのか
漢(おとこ)や女傑(アマゾネス)にしか
真意はわからぬ


季節が巡り全てを焼き尽くす真夏の太陽も
その力を失った
柔らかな…過ごしやすい気候


もちろん漢(おとこ)も女傑(アマゾネス)も
存在していた
しかし…レジスタンスするべき太陽が
その力を失ったため
相対的に彼らのレジスタンス活動も
その価値を失ないつつあった


爽やかな風の中窓全開
至極当たり前である
別に漢(おとこ)や女傑(アマゾネス)でなくても…である


しかし
そんな彼らが不遇の時代は終焉
再び太陽が牙をむく


わざと自らの力をセーブし
超低温の風を送り込む作戦に変わった


真夏の灼熱には耐えられる漢(おとこ)
しかし…極地から派遣された低温の地獄には耐えられなかった


そう
真夏の灼熱の地獄にすら戦いを挑んだ
者たちは


今！
絶滅したのだ！


いや…したはずだった……