こんばんは。
サスペンションリフレッシュの作業報告としては、最終回となります。
前回の作業完了後、車高の再調整に出したため、今回で完成。ということになります。
さらに、サスペンションリフレッシュに合わせ、エンジンマウントとミッションマウントの交換も行いましたので、そちらの報告も併せてご覧いただければと思います。
左が28年13万km使用したもので、右が新品です。
VG30DETの整備重量は約230㎏(後継のVQ30DETは約170㎏で、大人1人分軽くなっています)で、現在の常識からすると、かなり重いエンジンです。それを保持し続けると、このようになってしまうわけですね。
このマウント、液封タイプですが、液漏れに至るような破損はありませんでした。
続いて、ミッションマウント。こちらは左が新品、右が使用済みです。エンジンマウントほどではないですが、相当潰れていることが分かるかと思います。
続いて、前回、掲載し忘れていたフロントのスピンドル部分です。
現在販売されているKYBのNEW-SRなどはカートリッジ式となっているため、純正フロントショックを分解し、ここにフロント用カートリッジを差し込む形になります。
最後に、アライメント測定調整を行いました。
メーカーの整備要領書では、空車状態で実施するとありますので、スペアタイヤと車載工具は下ろし、燃料は満タンで預けていますので、ほぼ指定の状態になっているはずです。
今回のアライメント測定結果レポートを見ていて、感心したことが一つ。
前後のトラッキング幅前後差:25㎜(本来は5㎜だが、フロントには10㎜のスペーサーが入っている。)、ホイールベース左右差:0㎜というのは4つのタイヤを真上から見た位置関係がメーカーの設計寸法通りになっているということです。現代の新車でも数㎜の誤差は出るものといわれますが、約30年前でも車体の組み立て精度は高水準だったことがうかがい知れます。
これにて、作業のご紹介は終了です。
最後に、今回の費用を参考までにお知らせいたします。(事前にストックしたものがあり、部品価格には年数経過による差があります。)
【部品代】ブッシュ関係:28,037円(テンションロッドASSY左右を含む)
【部品代】スタビライザーロッド左右:7,318円
【部品代】ボルト、ナット、マスダンパー等:23,251円
【部品代】サスペンションアッパーマウント、ダストブーツ等:21,340円
【部品代】ショックアブソーバー(エナペタル製ビルシュタイン・オーダーメイド):156,000円
部品代計:235,946円
【工賃】サスペンションアームブッシュ打ち換え工賃:25,920円
【工賃】サスペンション関係整備工賃:103,411円(作業前アライメント・車高計測、装着部品の防錆塗装、作業後のアライメント測定調整を含む)
【工賃】エンジン、ミッションマウント交換工賃:25,245円
工賃計:154,576円
総計:390,522円
これを高いとみるか、妥当とみるか、安いとみるか。判断は人それぞれだと思いますが、私自身は「安い」と思っています。
勿論、自身の収入や、車の市場価値からすれば絶対的な金額は「高い」のですが、これによって得られた効用(後日、走行インプレッションを掲載します)や本来設定のない車にニスモのブッシュを使用したり、オーダーメイドのダンパーを組み付けるといった、他では得られない経験をすることができたということは、非常に価値のあることだと思っています。
今回の作業において、作業前には本来やらないであろう測定をしていただいたり、一旦は納車した後に再調整をしていただいたりと、サービス工場のほうにも尽力いただきました。
(作業にかかわっていただいたメカニックの方も、GT-RやZ以外では、普段なかなかやらない作業で楽しかったとのこと)
国産車は、確かに年数が経過するとサービス部品が入手困難になったり、経験のあるメカニックが減りディーラーでの整備が難しくなると言われますが、部品については、多少費用を積めば流用やオーダーメイトで性能向上も可能な場合がありますし、サービス工場も工期に余裕をもって預けることで、かなりのレベルで対応していただける場合もあります。
同種の作業を施してまで長く乗るかどうか。迷っている方は、一度、費用も含め、本格的に検討されることをお勧めいたします。
◆お知らせ◆
今回の作業において以下の部品が不要になりました。御入用の方はご連絡いただければ、ご相談に応じます。
①フロントショック ダストブーツ(新品)
フロントダストブーツはダンパーに付属の物を使用しましたので、ご覧のような新品が不要になりました。今後、フロントショックは今回のビルシュタインをOHして継続使用するので、純正品は今後一切使用しません。必要な方にお譲りします。(参考価格:2,590円×2)
②テンションロッドASSY左右(中古)
今回、新品に交換しましたが、外したものは継続使用できる状態です。前回の交換は2013年10月、通算走行距離103,000㎞で、その時点からの走行距離は約27,000㎞です。更にその前の交換は2000年10月、通算走行距離54,000㎞の時点ですので、その履歴から推測すれば、あと20,000㎞程度は使える可能性があります。(前回交換時新品参考価格:10,500円×2)
以下の部品は、製造廃止、メーカー在庫なしです。
・ミッションマウント(部品コード:11320)
・ミッション周辺のダイナミックダンパー(部品コード:11375+A、11375)
・リヤサス周辺ダイナミックダンパー(部品コード:55490)
・リヤサス周辺カバー(部品コード:55527、55528)
Posted at 2020/01/12 23:59:25 | |
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