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こんばんは。

ちょっとしたきっかけから、BCNR33用のフロント用ブレンボキャリパーが入手できるかもしれないという話が舞い込んできました。

現在、私のPBY32グロリアには、Z32ターボ用のブレーキキャリパーを流用しています。（フロント：OPZ25VA、リヤ：OPZ11V）



ブレーキのフィーリングの問題はありませんが、PBY32（1991年仕様）のブレーキはフロントがCL28VF、リヤがAD11VBであり、交換前後のブレーキの仕様を比べると、フロントのディスク径は変わらず、リヤのディスク径が5㎜拡大する形となっており、大きな差はありませんが、ブレーキ強化という形にはなっていません。

私見ですが、Y32の設計当時、乗用車用ホイールの最大径は16インチの想定で、スタッドレス装着の際は15インチ化されることも想定して、リヤには片押しタイプのキャリパーで、最もディスク径の大きい292㎜のAD11VBを採用。
ここから整備重量230kgのVG30DETにあわせて、理想的な制動力配分に近づくように設定していった結果、フロントは280㎜のCL28VFを採用したように思います。

なお、同時期のVG30DEおよびVG30E搭載車はフロントにCL28VD(ディスク径260㎜)、リヤにAD11V(ディスク径266㎜)を採用しており、VG30DET搭載車の制動力確保を図っていたことがうかがい知れます。（どちらも、スプリットポイント30、レデューシングレシオ0.4と後輪への制動力配分に差はありません）


現在フロントに装着しているのはOPZ25VAで、Z32前期型ターボ用のアルミ対向キャリパー。デザイン的にも優れモノと思っています。


リヤに装着しているのはOPZ11V。同じくZ32前期型ターボ用を流用。

さて、ここから、さらに制動力を上げるとなると、当然にディスク径を拡大していくことになるのですが、BCNR33の純正ブレーキは、フロントが直径324㎜のOPB27V、リヤが直径300㎜のOPB13Vとなります。
Y32だけでなく、Z32、HR32などとは異なり、フロントのディスク径が拡大(リヤに関してはほとんど大きくなっていない)しています。
加えて、HR32等のFR車では30に設定されていたスプリットポイントは、GT-Rでは20に設定されているようなので、かなりフロント寄りの制動力配分になっていることがうかがい知れます。

いくらAWDとは言え、VG30DETの230kgをさらに上回り、250kgを超えるRB26DETTを搭載してハードブレーキングを繰り返すGT-Rには、これくらい極端な設定にしないと対応できなかったのかもしれません。
これを見ますと、前後重量配分が56.9：43.1と、かなりフロントヘビーである私のクルマでも、BCNR33用のブレーキではフロント偏重に過ぎるということになりそうです。

結論から行くと「元々の車両の設定を大きく変えないほうが良い」ということになるのかもしれません。

【参考】
実用車として使用しているW212のE550では、前後重量配分が50.8：49.2という素晴らしく5：5に近い値を叩き出しています。

走りのイメージからは遠いメルセデスのセダンですが、車両の安定した挙動を追求するため、前後重量配分の均等化には熱心です。
「古き良き時代のメルセデス」といわれる、W124のV8搭載車やW140のV12搭載車などでは、リヤタイヤハウス近くに鉛の制振材を使っていることはご存じの方も多いと思いますが、敢えて鉛を使うことで意図的にリヤ荷重を増していることに考えが至る方は少ないのではないでしょうか。

W210やW220以降の効率性を重視した現代のメルセデスでは、意図的に重量増を招くことなく重量配分を改善するため、部品搭載位置の調整などで対応しています。（W212初期モデルでは、V6搭載車のバッテリーはバルクヘッドの助手席側に、V8搭載車はトランクの後輪車軸近くに搭載しています。）