• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
イイね!
2024年04月30日

【2024年春 遠征記その3】木次線汽車旅

【2024年春 遠征記その3】木次線汽車旅 その2 からの続きです。

備後落合駅を発車した木次線、宍道行き列車は、ゆっくりゆっくりと勾配を登っていきます。



木次線は、中国山地の中央にある山あいの分岐駅、備後落合駅から北上し、山陰線の宍道駅を結ぶ路線。
三次と島根県の江津を結んでいた三江線が廃止となった今、広島方面と山陰地方を結ぶ唯一の鉄道路線となっていますが、もともと途中にスイッチバックがあるように勾配が急で、路盤の関係もあって速い速度で走ることができない、という難点があります。
それでも、かつてはこのあたりの道路事情が悪く、鉄道移動が最適の交通手段だったのですが、並行する国道も整備されて、車での移動が鉄道よりも全然早くなってしまっているのが現状です。

かつては広島との間を結ぶ直通の急行列車なども走っていたのですが、今では全線を走り通す列車は1日に3本のみの本数となっています。

今回の行程も、この木次線のダイヤをベースに組み立てます。上下線の列車と接続列車を調べた結果、備後落合駅14時44分発の列車が、ほかのルートとの接続も一番うまくはまりました。

列車は山の中、というか鬱蒼とした森の中を走っていきます。速度は制限がかかっていてほぼ25㎞/hほど。途中、制限解除の標識が出た時だけ、少しスピードアップするという具合で、宍道駅までほぼ3時間の乗車時間となります。

乗客は、数えたところ11名。(ちなみに、先ほどの賑やかなご婦人グループの姿は見えません)
こちらのレールバス(キハ120形)は全車ロングシートなので、乗り合わせた乗客の顔ぶれはすぐにわかります。地元の人らしき乗客は個人的に推察する限りですが見当たりません。

0430-0270
木々の間からは渓流が。通常、車窓から眺めていて撮りたい風景があっても、速度が出ているとなかなかうまく撮れないのですが、のんびりのんびり走っている木次線ですので、画像がぶれることなく写真に収めることができます。

ぐんぐんと登って行った列車は、やがて三井野原駅に到着。目の前にスキー場のゲレンデがあります。
三井野原駅を出発する頃には、外は霧がかってきました。
だんだんと車窓は白くなっていきます。そして、いよいよループ線に差し掛かるころ…乗客から感嘆の声が漏れ聞こえました。

0430-0290
白い霧と新緑の木々、そして向こうにR314三井野大橋の赤い橋脚。
皆、窓に張り付いて一斉にカメラのシャッターを切っています。

霧に煙る雄大な景色なんてそうそう見られるものではなく、こうして写真に収めて、実際にこの目でもじっくりと眺めることができたのは本当によかったです。

ここから、線路は大きく弧を描くようにループし、スイッチバックの区間へと入ります。

ループ状になっているトンネルを抜けると、林の中で停車。
運転士さんが反対側の運転席へと移動します。

0430-0300
今走ってきた線路が横に現れます。

0430-0310
スイッチバックの中の駅、出雲坂根駅に到着。
立派な駅舎は、観光施設も兼ねているのでしょう。目の前をR314が通っているので、鉄道でなくクルマで訪れることもできます。というか、クルマで訪れる人の方が断然多いのでしょう。

こちらの名水「延命水」も味わってみたかったのですが、残念ながら停車時間はわずか。
ここで再び進行方向を変えて発車。

0430-0320
またまた、今走ってきた線路が右手に分かれていきます。

木次線は、備後落合駅から島根県に入るまで、R314とほぼ並走します。
片側1車線の快走路であるR314、鉄道がスイッチバックで登る箇所は、「奥出雲おろちループ橋」という立派なループ橋で通り抜けます。見ていると、並走する車も、我々の乗るレールバスをどんどん追い越していきます。

出雲横田駅あたりから、周りにお店や民家も見かけるようになりました。

0430-0330
亀嵩駅。松本清張の小説「砂の器」や、蕎麦屋さんが併設されている駅として有名です。

0430-0340
出雲八代駅。駅名標と黒ずんだ改札口、何十年も変わっていないのでしょう。

0430-0360
木次駅に到着。ここで16分停車。
乗客もホームに降り立ち、思い思いに写真を撮ったりして過ごします。私もホームに降りて屈伸運動。何しろここまでで2時間。退屈しない車窓ですが、ロングシートに座りっぱなしで体がすっかり固まってしまいました。

このあたりからは周りも開けてきます。
列車の本数が少し多くなり、木次駅ですれ違った列車などは2両編成になっていました。
乗客も、普段使いの通学の高校生などが乗り込んできます。さすがの木次線も、人口の多い宍道駅に近づくあたりでは、まだ通学の足を担っています。
こちらも普段の乗車モードに戻り、移りゆく車窓を見るともなしに見るだけで過ごしました。

0430-0390
17時43分、終点の宍道駅に到着。

降り立った乗客は三々五々分かれていきます。
私も荷物を抱えてホームに降り立ち、ここまで連れてきてくれた列車を感謝の念をもって見届けます。

反対側のホームに、岡山行き特急「やくも」が滑り込んできました。今年登場したばかりの新型車両で颯爽とした特急列車は、まるで別世界の乗り物のように見えました。

その4 に続
きます。
ブログ一覧 | 鉄道旅 | 日記
Posted at 2024/05/04 22:50:12

イイね!0件



タグ

今、あなたにおすすめ

関連記事

【2024年春 遠征記その2】備後 ...
kumayuさん

チ○チ○ぶらぶら男3人奥出雲の旅
たけやん@岡山さん

また出てしまった日曜(^_^ゞ
たけやん@岡山さん

JR木次線・芸備線 駅印&ジオラマ③
シロ柴さん

人も車も慣らしが必要
うどん子@総統閣下さん

【2024年春 遠征記その4】宍道 ...
kumayuさん

この記事へのコメント

2024年5月4日 23:41
さすがkumayuさんは、筋金入りの乗り鉄ですねっ!

1年半ほど前に、出雲横田駅~三井野原駅間を車で追いかけておろち号を撮った時の興奮を思い出しつつ拝読しました。
次回、行くことがあれば、今度は是非乗ってみたいと思います。

特急「やくも」は、国鉄色の旧型の運行がいよいよ最後の時期に入っていますが、タイミングが合わなかったのでしょうか??
コメントへの返答
2024年5月5日 13:52
ありがとうございます、と言っていいのかどうか…(笑)

本当はもう少し、駅や車内の様子を撮りたいのですがなかなか…
以前のTMKさんのブログはもちろん拝見し今回の予習にさせていただき、また今回帰宅後に復習で今一度拝見しました。
そして今回、クルマで追跡可能ということが十分わかりました(笑)
備後落合駅や奥出雲おろちループ橋あたりの展望は良かったので、今度は別の角度から見たくてクルマでも行きたくなりました。

国鉄色「やくも」ですが、今回の行程ではどう工夫しても合いませんでした…残念
2024年5月4日 23:55
いい旅だ~!(笑)
自分が旅している気分になります。
で、やくもで一気に陰から陽に飛ぶのですね?

40年前、出雲に住む車部の同期の奴の結婚式に出席するため、初めてやくもに乗りましたが、振り子システムの違和感で、気持ち悪くなった覚えがあります(笑)
新型車両では、新システムになっている様ですが、どうでしたか?
コメントへの返答
2024年5月5日 13:51
自分が旅しているみたい>そう仰っていただけると嬉しいです。

一気に「陰」から「陽」へ。
時間的には十分可能ですが、普通はそんな用事がなかなか無いですよね。

うちの近所では、「しなの」が383系の振子式ですが、一昨年、たしかDWRに参加させていただいた帰りに乗った時には、私は特に違和感なく乗ることができました。
271系は最新型になりますから、さらに改善されていると思いますが、果たして…

プロフィール

「太平洋を望みながら…」
何シテル?   05/01 13:10
ルーミーやハスラーで行く、ドライブラリーと下道ドライブ、1泊や日帰りの街歩き小旅行、更には日常生活で興味のあるお話などなど、ブログで細々と綴っていきます。 ...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

掲示板

<< 2024/6 >>

      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      

リンク・クリップ

街歩きの記録 
カテゴリ:街歩きの記録
2010/06/20 13:32:53
 
ドライブラリー デジタルトリップの距離計測方法 
カテゴリ:ドライブラリー関係
2007/05/06 20:39:40
 
OQM 
カテゴリ:ドライブラリー関係
2007/02/15 21:47:58
 

愛車一覧

トヨタ ルーミー トヨタ ルーミー
アルファードに代わり、ぐっと小さくなってルーミーがやってきました。 取り回しの良さと後席 ...
スズキ ハスラー スズキ ハスラー
スイフトスポーツに代わってやってきました。 可愛さの中にも精悍さがあるデザインに魅かれて ...
ホンダ フィット ホンダ フィット
ドライブラリー&通勤専用車として、2003年2月~2008年8月まで活躍してくれました。
ローバー 200シリーズ ハッチバック ローバー 200シリーズ ハッチバック
95年式 ROVER216GTIです。(2000年~2002年所有) スタイルと内装の良 ...
ヘルプ利用規約サイトマップ

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車、今いくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)
© LY Corporation