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2020年05月31日

5月の読書

5月の読書 コロナ的なアレのソレで皆様いかがお過ごしでしたでしょうか。
一応、行動制限解除な事になってますが、どうなることやら…

ワタクシは全く変化無くふつーにいつも通り仕事してましたし、
なんやかんや主に夜中にあっちゃこっちゃ隠密行動しておりましたが、
やっぱそれでも日常生活にも遊びにも色々影響が出て難儀しました。

ゆーて、これで終わりだとは思ってないし思ってはいけない。
いきなり即全開では事故りますやん。
ジワーっとパーシャルで様子見ていかないとねぇ。















 ハーラン・コーベン 『偽りの銃弾』 (2016)

原題『FOOL ME ONCE』


元特殊部隊ヘリパイロットでイラク派遣経験有りのマヤ
その時のある作戦で民間人を殺してしまい、現在もPTSDに悩まされている。
その作戦行動の映像が内部告発サイトで暴露され、マヤは一時非難を浴びて “時の人” になった。

そんな時に、目の前で夫ジョーを射殺される。
そして4ヶ月前のイラク派兵中にマヤの姉、クレアも殺されていた。

夫の葬儀後、幼い娘の監視用に設置した隠しカメラに、死んだハズの夫が映っていた。
夫と姉を殺した銃が同一と判明。
夫の死亡証明書の手配が遅れているとの理由で、遺言書の開封が延期される。
夫ジョーは本当は生きているのでは?という疑念が生じる。夫の実家もなにやら胡散臭くて怪しい。
マヤは自分を尾行しているクルマがいることに気付く。
姉クレアは殺される前の数ヶ月間、ストリップクラブに頻繁に電話していた事がわかる。



とまぁ…よくぞこんなに大量のギミックを詰め込んだものだと思うが、まだこれでも話の半分くらい。
多層構成というか、剥いても剥いてもまだ謎が出てくる。
それを550頁程で纏めてくる手腕は確かに巧い。
敵だと思っていた者が味方になり、身内が信用できなくなり、読み手すら騙してくる。
ハイテンポでジェットコースター的に目まぐるしく話が動くのに、ちゃんと纏まって締まるのは凄い。
が、なんとなくやっぱりどこか映画的というか、外連味というか、「凄いの書いたったで」的な著者のドヤ感がチラ見えするw

ウィキリークスのような内部告発サイトが物語の重要な小道具になっている辺り、時世に乗っているが、
…2歳児がそんなに喋ったり動いたりするか…?というツッコミ心が終始消えなかった。










 マリー・ルー 『レジェンド 伝説の闘士ジューン&デイ (2011)

原題『LEGEND』


古本屋でなんとなく手にとってジャケ買いした一冊。
久しぶりにファンタジー系読みたかったし。
(と言っても、別に魔法も竜も出て来ませんがw)


異常気象による洪水で地形が大きく変わった近未来のアメリカ。
カリフォルニアを中心とする共和国<リパブリック>は、エレクターと呼ばれる独裁指導者が軍政を敷き、東の<コロニー>と敵対する。
政府や軍関係者は裕福な暮らしを送る一方、スラムでは疫病が蔓延し、軍による住民の隔離も日常的な光景。

全ての国民は10歳になると “審査” と呼ばれるテストを受け、そのスコアによってその後の人生がほぼ決定する。
その審査で1500点満点を取り、軍のエリートとして歩み始めた天才少女ジューンと、
1000点以下の落第で強制労働所送りになり、そこから脱走してきてコソドロとして生きる少年デイ
追うもの追われるものとして出会った2人は、次第にお互いの中の “自分には無いもの” に惹かれていくが…



ディストピア世界を舞台にしたティーンズのピュアな恋愛ラノベ、とでも言うか。
あまり難しい事は気にせず気楽にサクッと読めるやつ。
逆に細かいツッコミを入れだすと楽しめなくなるやつ←


(著者も認めているが)影響を受けているというのか、敢えてのオマージュなのか、モロにジョージ・オーウェルの『1984』を彷彿とさせるし、
著者自身が幼少期に天安門事件をその目で見た事(マリー・ルーというのはペンネームなのかアメリカ国籍での名なのか、コピーライトにはXiwei Luとある)も本作の世界観の土台になっているのだろう。
前半はそれほどでもないが、後半、物語の核心に迫ってくるとなかなかのディストピアっぷりである。

そういう意味では、只の “ティーンズ向けラノベ” という枠に収めて捉えるのは勿体ない作品。
それでいて、2人の無垢な恋模様は実に清々しく、
爽やかな恋愛をメインに据える事で、センシティブなテーマで作品全体が重くなりすぎないように上手くバランスを取った巧みさとも取れる。

物語としてはまだ序章が終わった程度で、続刊があるそうなので探してみようと思う。









 ジャン=クリストフ・グランジェ 『クリムゾン・リバー』 (1998)

原題『Les Rivières pourpres』


2000年に映画化されたのでご記憶の方もおられるかもしれませんが、
基本、映画見ない&血が出るのは尚更w なワタクシはそんなことはツユ知らず。
「フランスミステリ史に輝く金字塔」という大袈裟な謳い文句に眉唾感はありつつ、確かに文学作品って意外とお国柄・特色があるので、たまにはちょっと毛色の違う “おフランス” もいってみようかと。

んが、読んでみて素直にこれは確かに素晴らしい作品だし、確かにフランス的だと思う。


かつてパリの花形刑事だったピエール・ニエマンス警視正。輝かしい功績も多い一方、激昂すると見境を無くし暴力に走ってしまう性格ゆえ、今は殺人捜査の一線からは外されていた。
ふいに上司から呼び出されたニエマンスは、奇妙な単独任務へ向かうことに。
ゲルノンという小さな大学町で若い男性の死体が発見された。
全裸で胎児の格好をして岩壁に押し込まれており、身体中に拷問の痕があり、両目をえぐられていた。

一方、ゲルノンから300kmほど離れたサルザックでは、小学校への泥棒と地下納骨堂への墓荒らしが同じ晩に起こった。
捜査にあたったのは、孤児院あがりの元不良少年、ドレッドヘアのアラブ2世でおよそ警官に見えないカリム・アブドゥフ警部
かつては自動車盗で生計を立てていたが、大学、兵役を経て、優秀な成績で警察学校を卒業。将来有望視されていたが、上司に逆らった為に地方へ飛ばされた。



この一癖ある警官2人を主人公として、彼らの視点で交互に事件が追われる。
初っ端からなかなかインパクトのある猟奇的な死体が出てくるのだが、それでいてどこか耽美的。死体の置かれ方(発見される “見え方” )も象徴的で芸術的。
作品全体に退廃的な空気も漂いつつ(これらを一言で表すのが文学用語で言うところの “ノワール” か)、背景にはアカデミックな知識も多分に散りばめられている。

謎が多く、しかもそれらが幾重にも折り重なって編み込まれた緻密なプロット。
かといって、わざと読者の裏をかこうと奇を衒うような事も無く(今月の1冊目ではそれが感じられた)。
ぶっちゃけ、半分ほど読んだ辺りで犯人の予想はついてしまうのだが、動機や背景の謎は依然残るのでグイグイ読み進めてしまう。また、犯人がその人物だとするとまた新たな疑問も出てくる。正にストーリーテリングの才。
被害者が実は罪人で、復讐に走る犯人に同情するシナリオや、
謎を追うのは警官でも、組織としての警察が事件を解決するワケではなかったり、
やるせない物悲しさを残す幕切れ等、そういう所がフランス的な部分なのかもしれない。


Red13指定 必読図書










 エリオット・チェイズ 『天使は黒い翼を持つ』 (1953)

原題『Black Wings Has My Angel』


50年代。WW2の戦勝からベトナム戦争の辛酸までの間、ある意味 “アメリカ黄金時代” とも言える、最後の牧歌的時代かもしれない?
「完璧な強盗小説」という謳い文句は、さてさてどうなのか。


ルイジアナ州の掘削リグで石油掘りをしていた〈俺〉は、ある町の小さなホテルで娼婦を呼んだ。
やってきたのは田舎町には不似合いな、とびきりのイイ女だった。
三日後にホテルを出た時、女と俺は一緒にコンバーチブルに乗り、コロラドを目指した。
最初は南へ向かう途中、早い段階で女は捨てるつもりだった。
だが「悪い金なんてない」と言い、金への執着やバイタリティを感じさせる女に可能性を感じた。
俺には計画があった。
共に脱獄を企て、失敗して命を落とした男が獄中で言っていた強盗計画が。



犯罪の企画・準備・実行・逃走を犯罪者視点で描くケイパー小説であり、クルマで旅するロードノベルの要素も大きい。
そして意外と、強盗シーンそのものの描写は淡白で、
終始変化していく〈俺〉と〈女〉の関係性、心理面、金を得る前と得た後の人の変化等の描写に重きが置かれている。

〈俺〉が最初、女を捨てるつもりでいたように、
〈女〉も最初は男を利用するつもりだった。

紙幣を縫い込んだ下着を穿いて逃げようとしたり、他の男のクルマに乗っていったり、捕まえて殴り合いをした後に愛し合ったり。
エネルギー溢れる時代なんやなぁと思う(笑)。
腹の探り合いをしていた2人が “計画” の為に協力して新婚夫婦の振りをし、次第に奇妙な絆で結ばれる。
しかし、次第に2人は逃亡のストレスから強迫観念に呑み込まれ、心に開いた闇の穴に落ちていき…

終盤、〈俺〉の精神が不安定になっているシーンで、
改行無しで長々と一息で綴る心理描写が、〈俺〉の切迫感・焦燥感を上手く表現している。


しかし、一冊前を読み終えて、これの冒頭数ページを読んだ時に
「あー、この雑さがアメリカやなぁw」と思ったww




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Posted at 2020/05/31 02:22:28

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