どうも最近 “1冊” の作品ではちょっと物足りなく感じる事が多い…
1冊っていうと大体頁数が(文庫で)350~400くらい。
ざっくり映画1本分の内容量なんだろうけど、
なんかその程度ではドラマの掘り下げに限界があると思う。
基本テレビ見ないですけど、たまーーにテレビドラマの1話完結の推理サスペンスを見ても思う。
正味40分でそんな凝った話なんてできないやん。
「え?それで終わり?もう一山無いの?」ってなる。
前後編に分けるシリーズがあるのも納得。
映画にしても、90分くらいじゃなんだかねぇ…
てなると、掘り下げた面白い話ってなると、やっぱ頁数700程度は必要になってくるんじゃない?
という思いが、先月、上中下3巻の作品を読んでから一層強くなりましたん。( ̄▽ ̄;)
マーク・グリーニー 『暗殺者の追跡』 (2019)
原題『MISSION CRITICAL』
いやぁ面白い!(・∀・)
長く続いているシリーズ物ならではの面白さが炸裂しとる。
1作越しにお預けを食らったジェントリーとゾーヤの関係が大いに発展するし、
ある意味今回の主人公はゾーヤとも言える。
てーかね!ジェントリー・ゾーヤ・ザックのチームプレーとか、ナニソレ胸熱!(;゚∀゚)=3
更にハンリーまで銃持って現場に出てくる始末。
んが、やっぱりそこはグレイマン、
ドリームチームは決して磐石の土台ではなく、刹那的な危ういバランスの上にある。
シリーズのこれまでの流れもあるし、「この良い感じはずっとは続かんのやろうなー…」と思いながら読み進むも、
今までに比べたら少ぉぉーしだけ “ご都合主義” が増量されてる?(笑)
著者もゾーヤの事は今後もちゃんとメインヒロインとして育てていくつもりのようだなコレは。よしよし(笑)。
悩める中間管理職ブルーアの今後の立ち回りも注目か。
前2作での、ともすれば見落としてしまいそうな伏線をキッチリ拾って今回の大きな話に持ってくる辺り、さすがの手腕。
ただ…日本人、特に関西人としてこれだけは著者に言いたい…
OSAKA International Airportは今は国際空港ではないのだ!残念ながら!ww
ギリシャ行きの飛行機なんか飛んで無いのだよ!www
アーネスト・クライン 『アルマダ』 (2015)
幼い頃に父親を亡くし、田舎町の中古ゲーム屋でバイトしながら母と暮らす高校生ザック。
彼は異星艦隊と戦うオンラインゲーム《アルマダ》で世界6位の実力を持つゲーマーでもあった。
そんなザックの日常は、ある日教室からぼんやり見上げた空に現れた1隻の宇宙船によって終わりを告げる。
実は人類は存亡の危機にあり、《アルマダ》のプレイヤーこそが地球の命運を握るのだという。
シミュレーション、アクション、シューティング等のジャンルを問わず、軍事系のゲームはそのまま軍事訓練ツールとなりうる。というテーマは多く語られるし、
実際、米軍が取り入れているシミュレーターを開発しているのはゲーム会社だし、
少し分野は変われど身近な所では、グランツーリスモからプロのレーサーが生まれたり、
事実、ゲーム≒シミュレーターは現実世界のスキル習得に一定以上の成果がある。
本作はそのテーマを、あくまでフィクション、SF然とした切り口を崩さず(つまりはご都合主義やアニメ物理学的な要素を恐れず)に、リアルとバーチャルの切れない表裏関係を見事に描いている。
作中の台詞にも出てくるが、
一昔前のSFエンタテインメントは、シンプル・単純・一元的なモノが多かった。
「宇宙人が攻めてきたからやっつけろ」「敵は敵だから倒せ」というような。
それが最近では、「表面的な部分に囚われるな、その裏にある意図は何だ?」「敵にも正義や事情がある」というような。
これこそが “目の前のパズルを解かずにいられない” ゲーマー思考なのかもしれない。
本作はこの部分もキーになる。
古いタイプの官僚的な軍人と、懐疑的で科学的なゲーマー。
ワタクシ自身、似たような思考で物事を見ることが多いので共感する。
…まぁ、お陰で無駄に遠回りして考えて、素直にそのまま見るというのが逆に難しかったりするんですがw
著者の、SF作品やRockやPunkの膨大な知識も上手く作品に練り込まれていて、その “オタク知識” を遺憾なく発揮している?(笑)
B・A・パリス 『完璧な家』 (2016)
原題『Behind Closed Doors』
ロンドン郊外の豪華な邸宅で暮らすグレース。
ハンサムで優しい夫にも愛され、人は彼女を “全てを手にした幸運な女” と羨む。
だが、真実を知る者は誰一人いない。
グレースが身も凍るような恐怖のなか、閉ざされた家で囚人同然の毎日を送っているなど…
理想の夫婦、完璧な夫の裏の顔とは。
完璧な紳士だった男が、結婚した途端モンスターに!
自由を奪われた監禁生活!(但しエロは無しw)
脱出しようとするも全て先読みされて打つ手無し!
…という、まぁ…よくあるパターンの話。←
「英国で100万部突破の話題作!」だそうですが、
…うーん…まぁ普通?( ̄  ̄;)
この手の監禁・脱出系の話が陥りやすいジレンマは、
脱出がより困難な状況を次々作り出すことで話が面白くなる一方、解決策がどんどん狭まっていく事。
本作も、主人公グレースの八方塞がりの絶望感はよく表現されているけども、脱出トリックがイマイチ面白さ≒意外性に乏しい。
「まぁそれくらいしかできんよなぁ」ってなる。
妹のミリーが家に来てから、ミリーの機転で切り崩していくという展開の方が面白かっただろうし、痛快さも増しただろうに。
そうなるもんだと思って読んでたら、そこまで行く前にアッサリ終わってしまって物足りなかった。(・ε・` )
Posted at 2019/10/30 12:00:09 | |
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