さてさて、2ヶ月に及んだクラッチ諸々の修理がようやく完了しそうです。
連休中に引き取りに行って、
オラ、8日にMLSの走行会さ行くだw
しかしまぁ…
ミッションのOHを目論んだものの、
ナンダイカンダイ断念した話はまた後日改めて。(・´ω`・)
テア・フォン・ハルボウ 『メトロポリス』 (1926)
なんとまぁ、約100年前の作品。
著者夫婦が一次大戦後のニューヨークにインスピレーションを受けて “未来都市” を書き上げたもの。
最初から映像化前提で、映画の原作として書かれている。
100年前基準の “未来” なのだが、
先入観無く読むとそれはそれで面白い。
今の感覚で勝手に “未来的イメージ” が補完される(笑)。
(個人的には九龍城や、FF7のミッドガル等)
が、当時の映画を見ると色々と( ゚д゚)ポカーンするのだろうw
物語は、まぁ、この手の題材ではよくあるパターンと言っちゃなんですが、
管理社会で機械に搾取される労働者。それらを率いて、神にも等しい管理者に反旗を翻す扇動者。
破壊・混沌・再生・融和。
親子二代に渡る、三角関係痴話喧嘩w
時代的なものなのか、この著者がそうなのか、
かなり哲学的、象徴的、神話的な要素が強い。
小説というより戯曲的な印象を受ける。
話の展開は早いのだが、(原文も訳文も言い回しが古いせいか)あまり頭に入ってこないww
ご都合主義全開のシナリオも相まって「なんかよくわからんけどそういうことになったみたいだな」的なザックリ理解で読み進めてたのは秘密w
まぁ…要はそんなもんってことで(爆)。
映画の方は、無声映画時代の最高峰の撮影技術で、映画史を語る上で非常に重要な作品らしいです。
文学どうこうより映像の方が語られる機会が多いっぽい。
ちなみに、著者の名前にある「フォン von」は、ドイツ人名で貴族の家名の前につける前置詞。英語のofやfromに相当。
この著者の場合は「ハルボウ家のテア」という意味。
ヨーロッパ語族では同じ意味の前置詞がよくあるが(「ヴィンチ村のレオナルド」等)、例えばイギリスの爵位敬称サー sirは個人に対してだが、ドイツ語のフォンは家に対して世襲で使用できる。
夏海 正隆 『スクランブル 復讐のフランカー』 (2002, 2009)
2月に読んだシリーズの続き。改題した「僕はイーグル」の3巻。
大ボリュームの上下巻分割。
相変わらず、1巻からずっと続く一連のストーリーの流れなので、途中から読んでもワケワカメになりますw
今回も相変わらず「射てない自衛隊」をまざまざと描き出すわけですが、
1、2巻でいわばそのリアルな “基本ルール” を徹底的に説明してきたあとで、
今回はかなりフィクション強めで冒険してる。
今まで色々と法や権力に抑えつけられて来た多くのキャラクターが鬱憤を晴らす回。
前半上巻では、敵方テロ組織〈亜細亜のあけぼの〉のエースパイロットにスポットを当て、
敵方組織も一枚岩ではない所や、“その母体となる某国” が何処なのかわかるような情報が。
まぁ最初から丸わかりなんですけどねw
白昼の東京都内で “某国” の諜報員同士の銃撃戦やビル爆破。
ようやく冒険アクション小説っぽくなってきたじゃないか(笑)。(・∀・)
そして下巻では、いよいよ日本海で〈亜細亜のあけぼの〉Su27&ミグ編隊 vs 自衛隊F15編隊 の空戦が。
今回、敵エースは(偵察機の)Su24フェンサーから、生粋の戦闘機Su27フランカーへ乗り換え。
電装系が西側に大きく遅れをとっているものの、空戦能力 “だけ” なら今でもアメリカの最新鋭機より強いと言われるフランカー。 (個人的に、世界で一番美しい戦闘機だと思う)
クルマで例えるなら、電子制御一切無しの超ハイパワー車。空冷ポルシェターボやコブラ、TVRとかのイメージ?
作中では、この「電装系がローテクな兵器」という点を逆手に取った不意討ち作戦によって、イーグル6機が墜とされる。(そんな墜とされたらもう空自終了ちゃうんかいw)
それに対して、非武装の救難ヘリで戦闘ヘリを墜とすという離れ業を披露する元戦闘機乗りの空自ヘリパイロット。
さて、どんな方法で戦ったのか…?
戦闘機乗りと言えど、その多くは20代半ばの若者。
まだ大人とは言い切れない彼らの、精神的な成長も本シリーズの見所の一つ。
相性の悪い女子パイロット2人が、普段と逆のポジションでの編隊訓練を重ねる内に、コンビネーションが良くなっていく辺りはニヤッとする。
しかし…日本社会に浸透している “某国の休眠工作員” というのは、多少の誇張はあれど現実なんだろうなぁ。
右とか左とか赤とか、政治の金、官官接待、政権とヤクザ、国家権力の裏側、そういうのをわかりやすく勉強できる、良い “現代社会” の教科書です。
サム・ロイド 『チェス盤の少女』 (2020)
原題『The Memory Wood』
チェス大会の会場で誘拐された13歳の少女 イリサは、気付くと真っ暗な地下室で鎖に繋がれていた。
床をチェス盤に見立て、物理的な地図と記憶の整理として活用して頭を使って犯人に対抗しようとするイリサの前に、イライジャという少年が現れる。
そばの森で遊んでいて、以前もこの地下室で別の少女に会ったという。
やがて現れた粗暴な犯人は、イリサにメッセージを読ませYouTubeで公開するが…
誘拐・監禁された少女が頭脳戦で脱出を謀る、というのが一つのテーマではあるんですが、
後半、なかなか劇的な “基本ルールの変更” が入り、
ありきたりな監禁モノとは一味違う新しさがあります。
ちょいバレすると、2人の人物が実は同一人物。
それに更に時間のトリックも絡めて、「ふほほぉ、そう来たか(笑)」。
「イリサを助けたい」と言いながら、積極的な行動は何もしないイライジャ。
それでもイリサは最大限イライジャを利用して外界にコンタクトを取ろうとする。
その方法が「ほぇー!この子頭良いねぇ!( ゚д゚)」と膝を打つ。
事実をベースに嘘を混ぜて、わかる人にはわかる暗号メッセージにして送るというテクニックは好きだ。
終盤なかなか凄惨な泥沼劇になるも、読後感はむしろ爽やか。
なお、少女監禁ですが性的要素は一切御座いません。
Posted at 2021/04/30 10:00:19 | |
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