今年も職場の近くにある科学館に連日出張に来ています。今年も来たついでに色々と覗かせてもらいました。その一つに南極の氷がありました。自衛隊の協力で、南極の氷を運んでいただき展示しているようです。小さな気泡がたくさん閉じ込められていて、少しずつ溶ける時にその気泡が弾けるパチパチという音がしていました。やはり貴重なもののせいか、近くに警備員代わりに自衛隊の方が立っていました。
今日は南極の氷を紹介しましたので、南極が舞台となったウルトラマンダイナの第25話と第26話を紹介します。この2話は1998年2月28日と翌週3月7日に放送された「移動要塞浮上せず!(前編)」と「移動要塞浮上せず!(後編)」の前後編となっていて、51話あるウルトラマンダイナの折り返し地点となった部分です。前後編シリーズということで、怪獣が3種類登場し、豪華なストーリーとなっています。前編ではウルトラマンダイナが凍り漬けにされてしまい敗れてしまいますが、後編ではヒビキ隊長の活躍でウルトラマンダイナが復活、さらにはスーパーGUTSの決死の作戦で地球の危機が救われました。また、海洋開発局のエジリ主任はこの2話にしか登場しない人物ですが、あまりのダメ上司ぶりに印象に残る上層部となってしまいました。それではストーリーを紹介していきます。
TPCは人工太陽NSPカンパネラを打ち上げ、マイ隊員の誘導コマンドにより人工太陽は予定の軌道へとのせられた。街頭ニュースでもNSPカンパネラ計画が順調に進んでいることを伝えていた。
そんな中、南極海底基地アイスキャッスルのコンピュータが水棲生命体スヒュームによってハッキングされてしまい、海水冷却装置が停止してしまう。冷却装置を確認しに隊員2名が向かうが、背後から半魚人兵士ディゴンが出現、2人は襲われてしまう。その後もディゴンによって次々と隊員たちが襲われる事態へと発展してしまう。
一方、南極の水温が異常に上昇していることに気付いた海洋開発局のエジリ主任はスーパーGUTSに調査の協力を依頼、それを受け、アスカ、カリヤ隊員、ナカジマ隊員が南極に出動、既に南極にいるコウダ隊員たちと合流し調査に当たることとなった。南極にはエジリ主任も同行、基地に残るヒビキ隊長に代わって南極ではエジリ主任がスーパーGUTSの指揮をとることになった。しかし傲慢で嫌みな態度のエジリ主任に隊員たちは苛立ちを隠せなかった。
その頃、アイスキャッスルはディゴンによって制圧され、スヒュームによって粉々に爆破されてしまう。爆破寸前、アイスキャッスルのハラシマ主任だけが間一髪脱出に成功し、難を逃れた。その爆破をクラーコフのマイ隊員がレーダーで捉える。しかしエジリ主任は若い女性隊員であるマイ隊員を信用せず、クジラじゃないのかと馬鹿にする。爆破があった場所にはアイスキャッスルがあり、アイスキャッスルを心配したコウダ隊員はコネリー07で偵察中のリョウ隊員とカリヤ隊員に現場上空から確認するよう指示を出した。しかしその直後、アイスキャッスルとの通信が復活、それによりエジリ主任はマイ隊員の見間違いだと決めつけほくそ笑んだ。しかし自分の目に自信があったマイ隊員はガッツマリンで調査に行かせてほしいとエジリ主任に食い下がる。エジリ主任は時間の無駄だと吐き捨てるが、コウダ隊員がエジリ主任の発言を遮り、マイ隊員に出動許可を与えた。
そしてマイ隊員はリョウ隊員とともにガッツマリンでアイスキャッスルへと急行した。
自分の指示を無視する隊員に怒ったエジリ主任は基地に残るヒビキ隊長にクレームの通信を入れる。しかしヒビキ隊長は隊員たちを信用し、自分の部下たちが従えないような指示を出すエジリ主任に問題があると言い返した。その直後、クラーコフとの通信が途切れてしまう。
犯人はスヒュームだった。スヒュームはクラーコフのメインコンピュータに侵入、クラーコフのコンピュータをもハッキングし浮上システムを停止させてしまう。それによって南極の海上に浮かんでいたクラーコフは海底へと沈んでいってしまった。
カメラでクラーコフに巻き付くスヒュームを発見したアスカはレーザーで攻撃しようとするが、コンピュータをのっとられたクラーコフは攻撃も不能に陥ってしまう。その頃アイスキャッスルに向かっていたリョウ隊員とマイ隊員は現場で粉々に破壊されたアイスキャッスルを目撃、その近くで岩礁に激突していた潜水艇から瀕死のハラシマ主任を救助した。
リョウ隊員はそのことをクラーコフのコウダ隊員に報告するが、コウダ隊員からクラーコフがのっとられたことを知らされる。その直後、スヒュームがコンピュータを介して隊員たちに話しかけてきた。人類の宇宙進出を快く思っていないスヒュームは地球を侵略するため人工太陽を南極に誘導し、南極の氷を全て溶かし地球を水の星へと変えようと企んでいた。クラーコフではコンピュータをのっとられ攻撃不能に陥っていたため、カリヤ隊員とアスカがシューティングブースから手動で攻撃しようと通路からシューティングブースに向かうが、それに気付いたスヒュームはカリヤ隊員とアスカのいる通路へディゴンを向かわせる。カリヤ隊員とアスカはガッツブラスターでディゴンを撃つが、ディゴンは次から次へと出現、さらに通路のシャッターが突然閉まり、カリヤ隊員とアスカは分断されてしまう。
ディゴンの群れに囲まれ危機に陥ったアスカはウルトラマンダイナへと変身、ディゴンを全て制圧するとテレポーテーションでクラーコフ外へ脱出し巨大化する。
ウルトラマンダイナはクラーコフに絡みつくスヒュームに挑もうとするが、宇宙海獣レイキュバスが出現、ウルトラマンダイナの足を取り、行く手を阻む。
ウルトラマンダイナはレイキュバスを担ぎ、南極大陸の陸地まで浮上する。しかしウルトラマンダイナはレイキュバスの冷却ガスを浴びると一瞬で凍り付けにされてしまう。そこにスヒュームによって誘導された人工太陽が迫り来る。
人類滅亡の危機が迫り来るところで(前編)が終了、次週の(後編)へと続く。
エジリ主任はスヒュームの襲撃により全ての機能を失ったクラーコフから何とか一人逃げだそうと喚いていた。それをコウダ隊員とナカジマ隊員から咎められると、エジリ主任は全てはマイ隊員が悪いと責任をなすりつける。
通路に取り残されたカリヤ隊員はディゴンに行く手を阻まれていた。人類滅亡の危機に直面したTPCは人工太陽の爆破を決断、TPCのゴンドウ参謀は人工太陽爆破のためパッションレッド部隊を宇宙に向けて出撃させるが、それに気付いたスヒュームはレイキュバスを操り、パッションレッド部隊に火炎弾を発射させる。火炎弾をまともに受けたパッションレッド部隊は一瞬にして全滅させられてしまった。
スヒュームは今度余計なことをすれば人工太陽を日本の上空で発動させるとコンピュータの音声を介してTPC上層部に脅迫した。人工太陽の誘導電波を遮断するにはクラーコフの爆破以外方法がないため、ナカジマ隊員とコウダ隊員は自分たちの手で自爆装置のスイッチを入れ、カウントダウンを開始させた。
それに気付いたエジリ主任はまたしても自分は犠牲になりたくないと一人で大声を上げ、作戦室の扉をこじ開け脱出しようとする。コウダ隊員とナカジマ隊員が自爆装置を作動させたことを察知したスヒュームは、それを阻止するため、作戦室にディゴンを送り出した。
その頃、クラーコフに戻れなくなってしまったガッツマリンのリョウ隊員とマイ隊員もどうにかしてクラーコフの誘導電波を止める方法を考えていた。そしてリョウ隊員は誘導ミサイルに乗ってクラーコフの排水溝から中へと侵入する方法を思いつく。しかしミサイルに搭乗するのは非常に危険で、マイ隊員はそんなことは無理だと反対した。しかしそれ以外方法はなく、リョウ隊員はマイ隊員が無理なら自分が行くと告げるが、その時クラーコフの自爆装置作動を知らせる電気信号が点灯する。残された時間は15分、マイ隊員はそれでもミサイルに乗ることを拒むが、リョウ隊員に叱られ、奮い立ったマイ隊員はミサイルに乗ってクラーコフへと突入する決意をする。しかしクラーコフの作戦室には既にディゴンが次々と侵入、コウダ隊員とナカジマ隊員がガッツブラスターで撃退するも、ガッツブラスターのエネルギーが切れてしまう。ディゴンに襲われ絶体絶命のコウダ隊員たちだったが、通路から天井裏を抜けて駆けつけたカリヤ隊員がガッツブラスターでディゴンを一蹴し、難を逃れた。マイ隊員も意を決してミサイルでクラーコフの排水溝へと突撃する。
一方南極大陸では凍り付けにされたウルトラマンダイナにレイキュバスが迫るが、ウルトラマンダイナと隊員のピンチにヒビキ隊長がβ機で駆けつけレイキュバスに攻撃を仕掛ける。
ヒビキ隊長はレイキュパスの火炎弾を受けるが、それでも飛び続け凍り付けにされたウルトラマンダイナのすぐ上を通過する。そのヒビキ隊長のβ機を撃ち落とそうとレイキュパスは再び火炎弾を発射するが、ヒビキ隊長はそれを避けると、火炎弾は凍り付けのウルトラマンダイナの周囲に着弾、それにより氷が溶け、ウルトラマンダイナが復活する。
スヒュームはマイ隊員が乗った誘導ミサイルを妨害しようと触手で排水溝を塞ぐが、ガッツマリンのリョウ隊員が水中ミサイルでスヒューム攻撃、スヒュームが一瞬ひるみ触手を縮ませた隙にマイ隊員は排水溝へと無事侵入した。復活したウルトラマンダイナは再びレイキュバスに挑む。クラーコフの自爆装置作動まで残り3分、メインコンピュータの部屋に辿りついたマイ隊員からコウダ隊員に通信が入る。マイ隊員は残された時間でコンピュータの奪還に挑む。
ウルトラマンダイナも残されたエネルギーでレイキュバスに挑むが、レイキュパスの巨大なハサミに挟まれ絶体絶命のピンチに追い込まれてしまう。その上空に人工太陽が迫り来る。
レイキュバスは冷却ガスで再びウルトラマンダイナを凍らせようとせまるが、間一髪ミラクルタイプにタイプチェンジしたウルトラマンダイナは宇宙へと飛んだ。そして宇宙で人工太陽にネイチャーコントロールを発射し人工太陽から光エネルギーを引き出すことに成功、エネルギーを回復したウルトラマンダイナは急いで南極のレイキュバスに向かって急降下し、ミラクルロケットアタックを見舞う。
マイ隊員もコンピュータの奪還に成功、機能が回復したクラーコフからカリヤ隊員がスヒュームに熱線砲を発射しスヒュームをクラーコフから引き離す。マイ隊員も背後に迫っていたディゴンを間一髪のところで撃退、レイキュバスもウルトラマンダイナのレボリュームアタックを受け消滅した。
それにより人工太陽の奪還にも成功、クラーコフの自爆装置も残り2秒で停止させ、最悪の事態を免れた。しかしまだ生きていたスヒュームは「また出直してくるわ」と告げ、宇宙へと逃走を図るが、テレポーテーションで宇宙に瞬間移動したウルトラマンダイナのハンドシューターで吹き飛ばされ、最後はネイチャーコントロールで人工太陽から強大な光エネルギーを解き放つと、それを受けたスヒュームは爆死した。
その後ガッツマリンで救助されたハラシマ主任も奇跡的に回復し、隊員たちは花束を渡し快気を祝っていた。そこにエジリ主任が現れ雰囲気が一転する。エジリ主任はヒビキ隊長に今回の任務の報告に来たと告げると、ピリピリとしたムードになったが、エジリ主任は、素晴らしいチームだったとヒビキ隊長に報告、その後隊員たち一行はカラオケへと向かっていった。
エジリ主任からクレームをつけられた際にヒビキ隊長が言い放った「彼ら(自分の部下)が従えないような指示を出すあなたが困った」というセリフや、追い込まれた中、各隊員の連携など、スーパーGUTSの組織力やヒビキ隊長の隊長としての資質などが随所に描かれた回でした。全体を通してスーパーGUTSの隊員の活躍が目立ちましたが、その中でも特にマイ隊員の活躍や成長が目立つ回ともなりました。