24年前の今日、阪神淡路大震災が発生しました。その後、日本中で数々の大きな地震が起きてきましたが、あの阪神淡路大震災がきっかけとなり、日本での地震に対する対策や対応が進歩しました。そういう点でも、あの阪神淡路大震災は忘れてはならない震災であり、今でも毎年1月17日になるとニュースで阪神淡路大震災についてのことが流されます。
今日はここでも平成に残る大災害を忘れないためにも、平成最後の1月17日に阪神淡路大震災復興応援企画の回を紹介しようと思います。その企画回がウルトラマンダイナの第35話「滅びの微笑(前編)」とその続編である第36話「滅びの微笑(後編)」です。放送されたのは阪神淡路大震災から6年後の1997年です。そしてウルトラマンダイナの劇中設定は2017年ということで、阪神淡路大震災から22年後の世界が描かれました。劇中ではすっかり復興した神戸と大阪が描かれていて、実際の2017年と変わらない神戸と大阪がテレビの中にありました。劇中でホリイの息子ツグムの台詞にも
「神戸は大震災から立ち直った不屈の町や。怪獣ぐらいじゃびくともせん!」という言葉も出てきます。ちなみに六甲山、大阪というと昭和ウルトラ世代には初代ウルトラマンのゴモラを思い出す人もいるかと思いますが、この回はそのゴモラの登場したウルトラマンの第26話「怪獣殿下(前編)とその続編の題27話「怪獣殿下(後編)」のオマージュとなっています。オマージュについてはストーリー紹介のあとに触れたいと思います。それではストーリー紹介に移ります。
TPC科学局と民間企業PWIが共同開発を進めていたコスモネット計画により、太陽系惑星間がネットワークで結ばれようとしていた。元GUTSのシンジョウはロムロス3世号で冥王星に行き、「ミス・スマイル」と呼ばれていた氷が作り出した冥王星地表の模様を確認することに成功した。
しかしそれから2ヶ月後、ロムロス3世号は冥王星の鉱石サンプルを運ぶ途中で消息を絶ってしまう。そのことはシンジョウの盟友である元GUTSのホリイにもすぐに知らされた。その日はホリイの娘ミライの誕生日だったため、妻ミチルと息子ツグムの4人で六甲アイランドの高級ホテルでお好み焼きを食べる予定になっていた。
ロムロス3世号が消息を絶った事実はスーパーGUTSにも伝えられ、ヒビキ隊長はリョウ隊員、ナカジマ隊員、アスカにクラーコフで至急ロムロス3世号の捜索へと向かわせた。ホリイは娘ミライの誕生日会のため、早く帰る予定だったが、盟友シンジョウが行方不明になってしまったことを知り、コスモネットを使い必死に調査していた。妻ミチルはミライとツグムの3人でお好み焼きを食べることになってしまい、ミチルとツグムはいつも仕事ばかりしている父の不満を漏らしていた。
その後、クラーコフは無事ロムロス3世号を発見、乗員の無事も確認され、ロムロス3世号を回収し大阪のPWI研究所へと運ぶこととなった。シンジョウはリョウ隊員に迷惑を掛けてしまったと謝った。リョウ隊員にとってGUTSで活躍していたシンジョウは訓練生時代からの憧れの存在だった。
ホリイは結局誕生会に行けず、夜遅くに妻ミチルに電話し謝った。ミライとツグムが機嫌を損ねているのではとホリイは心配していたが、明日は六甲山に登るから、それで機嫌も直るはずだとミチルは告げた。一方地球に戻る途中のクラーコフで異常事態が発生する。原因は回収したロムロス3世号に取り憑いていた宇宙生物だった。墜落を避けるため、クラーコフはロムロス3世号が格納されていた第3ブロックを切り離した。そして切り離した第3ブロックは神戸の六甲山へと落下した。
ヒビキ隊長とコウダ隊員、カリヤ隊員はガッツイーグルで落下ポイントへ急行した。第3ブロックが落下した六甲山にはミチルとツグムとミライがいた。ホリイも慌てて六甲山へと車を走らせた。第3ブロックが落下した六甲山では、ロムロス3世号に寄生していた宇宙生物が、回りの岩盤を吸収し宇宙合成獣ジオモスへと変貌する。ヒビキ隊長とコウダ隊員とカリヤ隊員はガッツイーグルで攻撃するが、全く効かず撃墜されてしまう。そこにクラーコフから出撃したリョウ隊員とアスカ、シンジョウが駆けつける。しかし3人とも撃墜されてしまい、アスカはウルトラマンダイナへと変身した。しかしジオモスは亜空間バリアでウルトラマンダイナのフラッシュ光弾を防ぐと、破壊電磁波で反撃をはじめる。
破壊電磁波と硬い体表による攻撃で苦戦するウルトラマンダイナはミラクルタイプへとタイプチェンジする。そしてレボリウムウェーブでジオモスを消滅させようとする。レボリウムウェーブを受けたジオモスは一瞬消えかけるが、亜空間バリアを張っていたジオモスには効果がなかった。
カラータイマーが点滅をはじめピンチになったウルトラマンダイナはフラッシュタイプへと戻りソルジェント光線を放つが、破壊電磁波の返り討ちに遭ってしまい、エネルギーを消耗してしまう。
そしてジオモスの猛烈な突進を受けたウルトラマンダイナは吹き飛ばされ消えてしまった。
その後ホリイはミチルと子どもたちと合流、ジオモスは地中へと姿をくらました。元の姿に戻ったアスカは山の中を流れる川で倒れ込んでしまう。
また、その後のPWIの調べでジオモスが地球へと落下した直後、冥王星の「ミス・スマイル」が消滅してしまった事実が判明、「ミス・スマイル」はジオモスを地球へと送り込むための罠だったということもわかった。さらにジオモスにはスフィア合成獣の特性が見られることもわかり、PWIには正体不明の謎のメッセージも送られてきた。それは地球滅亡の警告だった。スーパーGUTSはPWI研究所でシンジョウ、ホリイと合流、ヒビキ隊長は一方的な脅しにも屈しないと宣言した。そこに体力を消耗したアスカも合流し、ヒビキ隊長の声に賛同した。
そんな中、大阪天王寺付近にジオモスが出現、通天閣を目指し進撃をはじめた。
アスカはジオモスを地上から攻撃するが破壊電磁波の反撃に遭い吹き飛ばされてしまう。アスカは再びウルトラマンダイナに変身しようとするが、川で倒れ込んだ際、リーフラッシャーを落としてしまい変身できなかった。
ここで前編が終了し、翌週の後編へと続く。
ホリイはナカジマ隊員とともに通天閣の展望室へと駆け上がり、そこからジオモスにモンスターキャッチャーを撃ち込んだ。
その後、TPCの上層部による会議が開かれた。そこでゴンドウ参謀はなぜ大阪にウルトラマンダイナは現れなかったのかと疑問を呈し、もっと光の巨人について研究し、自由に扱える兵器とするべきだと持論を述べた。そこに元GUTSの隊長であるイルマ参謀が現れ、人間である自分たちが立ち向かうべき問題だと反論し、人が人である誇りと勇気を失えば光は二度と人々を照らさないと警告した。
その頃神戸の堤防にいたツグムとミライは海に浮かぶ不思議なものを発見、近くにいた釣り人に網を借りすくい上げた。それはアスカが川で落としてしまったリーフラッシャーだった。
TPCでは会議を終えたイルマ参謀がシイナ参謀に自分も前戦に行って役に立ちたいと直談判するが、シイナ参謀はそれなら代わりにできる人間がいるとイルマ参謀を諭した。それはTPC西アジア支部に出向していたかつてのGUTSの副隊長だったムナカタだった。
スーパーGUTSもジオモスの分析を続けていた。それにより、ナカジマ隊員はジオモスの亜空間バリアがクラーコフのネオマキシマを吸収し、それによって構成されていることを発見した。それを聞いたホリイは全く同じ量の反エネルギーをぶつければ亜空間バリアを破壊できると助言した。そして、次にジオモスが地上に現れた時、亜空間バリアを破壊し、一斉攻撃を仕掛ける作戦を立てた。一方リーフラッシャーを拾ったツグムはそれがウルトラマンダイナにとって重要なものかもしれないと勘付き、それをスーパーGUTSに届けることを思いつく。
そんな中、ホリイの撃ち込んだモンスターキャッチャーにより、スーパーGUTSはジオモスが次に大阪ベイエリア南港に出現すると予測を立て、大阪ベイエリア南港へと向かった。ホリイはシンジョウを連れ、格納庫へと向かった。そこにはかつてGUTS時代に搭乗していたガッツウイングがあった。そしてホリイはロッカーから昔のGUTSの隊員服を取り出した。それはホリイの隊員服とシンジョウがホリイに預けていたシンジョウの隊員服だった。2人はその隊員服に着替えると、出撃の準備に入った。
リーフラッシャーをスーパーGUTSに届けるべくツグムとミライはテレビ局のKCBのヘリポートに潜入、リポートのためにヘリコプターに乗り込もうとしていた局員2人に頼み込みヘリコプターに一緒に乗せてもらい大阪へと向かった。
ミチルはツグムとミライがいなくなってしまったことに気付き、PWI研究室でコスモネットを介し2人の居場所を探してもらっていた。一方ジオモスはスーパーGUTSの予想通り大阪ベイエリア南港に出現、スーパーGUTSと応援に駆けつけたホリイ、シンジョウのガッツウイング、TPCの総攻撃でジオモスを撃破した。しかしナカジマ隊員が破壊した怪獣の質量が少ないことに気付いた。スーパーGUTSが倒したと思ったジオモスはジオモス本体ではなく抜け殻だった。
そしてジオモスから脱皮しパワーアップした超宇宙合成獣ネオジオモスが大阪城近くに出現してしまう。急いでスーパーGUTSは大阪へと向かう。
ツグムとミライを乗せたKCBのヘリコプターは大阪城近くに着陸し、中継しようとするが、着陸と同時にツグムとミライがどこかへと走り去ってしまう。パワーアップしたネオジオモスを前にホリイはもっと強力な反エネルギーをぶつけなければと呟くが、日本にその装備があるメカは残されていなかった。そんな状況下にTPC西アジア支部からホリイとシンジョウのかつての上司、元GUTS副隊長のムナカタが駆けつける。
地上ではアスカがツグムとミライを発見、安全な場所へ避難するように指示した。するとツグムはアスカにリーフラッシャーを託し、迎えにきたミチルと再会した。
リーフラッシャーが戻ってきたアスカはすかさずウルトラマンダイナへと変身、上空にもスーパーGUTSとかつてのGUTSの隊員たちが結集し、対ネオジオモス掃討作戦がはじまった。
スーパーGUTSとGUTSの援護を受けながらネオジオモスと互角の戦いを繰り広げるウルトラマンダイナだったが、ネオジオモスの尻尾に巻かれると、電流攻撃を受けピンチに陥ってしまう。しかしスーパーGUTSとGUTSの援護射撃でネオジオモスがひるむと、その隙にストロングタイプにタイプチェンジ、ネオジオモスの尻尾を引きちぎる。
そしてバウンスシューターとストロングエルボーでネオジオモスにダメージを与えると、ネオジオモスを持ち上げそのまま上空へと運び、最後はガルネイトボンバーとスーパーGUTS、GUTSの反エネルギービームの一斉攻撃でネオジオモスを爆破した。
そしてスーパーGUTSとかつてのGUTSの隊員たちは勝利を喜んだ。
昭和の初代ウルトラマンを知っている人にはゴモラの回を思い起こさせる点が数多く出てきたことに気付いたと思います。怪獣が六甲山に落下する点、主人公(ウルトラマン)が敵に敗れ(追い込まれ)変身アイテムを紛失してしまう点、そしてその変身アイテムを子どもが拾い、大人の手助けを借りて主人公に届ける点、通天閣の展望台のシーンがある点、再戦の際に大阪城で変身する点、他にも細かい部分を挙げれば怪獣が地中に逃げ込み再び地中から姿を現す点や、「滅びの微笑」では平成時代には珍しい戦車による総攻撃が描かれていますが、こちらもゴモラの時と同じ描写となっています。さらに前作ウルトラマンティガのレギュラー陣の登場もあり、企画回として盛り上がりを見せた回でもありました。
ストーリーとしては上出来のストーリーですが、欲を言うなら、ダイゴ、レナ、ヤズミの3隊員もどこかに入れ込んでくれたらさらに文句なしでしたが、設定上、ダイゴとレナはこの時火星に出向しているので、登場しないのはやむなしといったところでしょうか。
この回については去年の大阪地震から1年後の日に紹介する予定でしたが、平成最後の1月17日ということで、予定を変更して本日紹介することにしました。