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2021年09月26日

シトロエンCXperienceというコンセプトモデルに思うこと

シトロエンCXperienceというコンセプトモデルに思うこと
今から5年前のこと。2016年秋に開催されたパリサロンの場で、シトロエンは「CXperience」なるコンセプトモデルを発表しました。(冒頭画像)

いかにもコンセプトモデル然としたデザイン故、デザイン面に限って言えば、まんま市販化とは考えにくいのは事実。

但し、近未来のシトロエンの方向性を示唆することを前提としているのは、これまでの法則から十二分にあり得ることです。

一方、内面の見えにくい技術はこちらも将来の市販化モデルに反映されることはあり得ることです。(CXperienceはPHEV搭載。)

ところで、「CXperience」というネーミング。発表当時も話題に上りましたが、やはりこのモデルを想起させますね。

■シトロエンCX (1974-1989)
alt
  ≪画像は拝借しました。≫
  L;4,900mm W;1,770mm H;1,375mm WB;3,095mm (プレスティッジ)

■シトロエンCXperience (2016)
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  ≪画像は拝借しました。≫
  L;4,850mm W;2,000mm H;1,370mm WB;3,000mm

往年の名モデルかつ当時のフラッグシップだったCX。サイドから眺めるデザインはまさに往年のCXにとても近似性がありますね。

シトロエンとしては、CXを現代流に解釈したのが「CXperience」ということなのでしょう。

ディメンションを調べてみました。(画像下に表記)

車幅が幅広いことを除いてはCXとほぼほぼ一緒。あくまでコンセプトモデルなので、車幅に制限はなく、ゆったりとしたサイズを与えているのでしょうね。

それにしてもデザイン面で言えば、CX同様に優雅で優美です。秀逸だと感じますね。

ところで、「CXperience」はどのようないきさつで世に問うたのか。ネコパブリッシング社のCar MAGAZINE466(2017年4月号)に興味深いことが書かれてあったので、取り上げてみましょう。
alt

デザインを担当したのは、
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  ≪画像は拝借しました。≫
フレデリック デュヴルニア(Frederic Duvernier)氏。C-CactusやC-Aircrossなども手掛けたシトロエン内部のデザイナー。

フレデリック デュヴルニア氏とのインタビュー記事から興味深い箇所を引用します。

シトロエンが小型車から大型車までカバーするメインストリームブランドである、というメッセージを発信したい。我々は大きな高級車を作れるし、このカテゴリーで新しいデザインを生み出すこともできる。それを社内にも社外にも証明してみせることが、Cエクスペリエンスに与えられた課題だった。
(引用終了)

フラッグシップたるC6が生産を終了したのは2012年12月のこと。それ以後はC5が事実上シトロエンのフラッグシップの役割を担っていました。(※中国国内の第二世代C6は除く。)

その後、DSはシトロエンから独立し、高級ブランドの位置付けとなり、シトロエンとしては自ブランドからフラッグシップモデルを世に送り出したい思いは持っていたはずです。

「CXperience」はC6の生産終了後、3年余りの時を経て突如として現れていますが、コンセプトモデルながらもシトロエンファンにとって大いに期待をさせるものでした。

続けて、

車名には長いストーリーがある。いろいろな候補について多くの議論を行ったけれど、オリジナルのCXを思い出させるデザインであることから、この車名が決まった。CXも空力的な2BOXシルエットのクルマだったからね。
(引用終了)

フレデリック デュヴルニア氏によれば、始めにクルマありきで、後からネーミングが決定したようですね。CXに経験や体験を意味する「Experience」を組み合わせたネーミングセンスが素敵です♪

さらに続けて、

オリジナルのCXから何か具体的な要素を引用しようとは、まったく考えなかった。しかし、その精神は息づいている。例えば無駄のないピュアなボディシェイプ、前進感のあるノーズ、決してアグレッシブではない顔付きなどに、CXの精神を受け継いだ。
(引用終了)

CXのデザインをそのままコピーしてリデザインしたのでは、デザイナーとしての技量や力量が問われるところ。当然のことながら、現代のさまざまな時代背景を考慮してデザインに生かすことが問われ、それこそが、真のデザイナーなのでしょう。

最後に次のとおり締め括っています。

C4カクタスや新型C3(※注 第三世代の前期型)と同じ食材を使いながら、違うレシピで料理したのが今回のデザインだ。C4カクタスから新世代のデザインを始めて、我々は本当に変わった。成し遂げたいのは、すべてを自然でゆったりとしたものにすることだ。人々の生活をシンプルにしたい。デザイナーとして、旧来のルールを壊して変化を求めるのは楽しい。それをフランス流でやりたい。
(引用終了)

こうして振り返ると、C4カクタス以降はシトロエンのフロントマスクを中心としたデザインに変化が現れ、同時に方向性に統一感を持たせていることに気付かされます。ひと目でシトロエンとわかることはブランド構築の面でメリットが高いことです。

さて、「CXperience」の発表から4年余りの時が経ち、昨年後半から発表されたこれらのモデルに注目してみましょう。

■C4 (3rd.Generations)
alt
  ≪画像は拝借しました。≫

■C5X
alt
  ≪画像は拝借しました。≫

これらのモデルのフロント周りのデザインこそ、「CXperience」のそれを強く意識し反映していますね。

■CXperience
alt
  ≪画像は拝借しました。≫

C4ⅢやC5Xを眺めていると、ヘッドライトを中心としたDRLの配置などのデザインが、「CXperience」に倣って、新しいシトロエンの方向性を感じますね。

そうかと思っていたら、
■C3 (3rd.Generations・FaceLift)
alt
  ≪画像は拝借しました。≫
先にフェイスリフトが実施となったC3には早速手が加えられていましたね。よく目を凝らしてみると、DRLの配置は異なることに気付きますが、デザインは同じ。

抜かりがないとも言えますが、シトロエンとしては一刻も早く共通化させていきたい思惑が見て取れます。

最後になりますが、「CXperience」とは単にシトロエンのフラッグシップモデルのために世に問うたコンセプトモデルという認識に過ぎませんでした。しかしそれは大きな間違いだということをC4ⅢやC5Xを眺めていてわかりました。

今後のシトロエンモデルとブランド自体の方向性にとても興味を持ちました。どのようになっていくのか期待していきたいと思います。

なお、C4ⅢやC5Xの子細なデザイン分析も面白いところです。それについては改めて取り上げてみたいと思います。長文になりましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました(^^;


※「CXperience」発表当時のイメージ動画を見つけたのでどうぞご覧ください。
ブログ一覧 | シトロエン | 日記
Posted at 2021/09/26 10:44:04

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この記事へのコメント

2021年10月6日 22:01
観音開きの4枚は良いかもしれませんね…

デジタル計器類はしょうがありませんが…
コメントへの返答
2021年10月7日 20:29
こんにちは。
あくまでコンセプトモデルなので、ドアはスケッチのとおり具現化させたのでしょうね。

計器関係ではセンターにワイドなディスプレイが占めていますが、市販車に技術が応用されるのかもしれませんね。

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「インパネ&ナビ画面がしれっとフランス語表記に変わるのって、最近のシトロエンあるあるだよね😅」
何シテル?   05/19 06:07
クルマ大好きです。日本車、ドイツ車、イギリス車、イタリア車、フランス車、スウェーデン車などなど。ブログではいろいろなことを記していて、時には違った切り口で記して...
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