
100505。GW最終日は近場で済まそうと、川崎のラ・チッタデッラへ。ダントツさんご推奨の「オーケストラ!」を観覧です。
映画『オーケストラ!』公式サイト(いきなり音が出ます!)
いやー素ん晴らしかったです。ブラボー!ハラショー!です。
邦題「オーケストラ!」、原題「Le Concert」。題名通りの音楽映画です。
主人公はロシアのボリショイ交響楽団の元巨匠指揮者アンドレイ・フィリポフ。30年前のトラブルにより現在は掃除係に廻されています。ひょんな事からパリのシャトレ座からの公演依頼のFAXを手に入れてしまう訳ですが、アンドレイは自らと同じように30年前に楽団を追われた仲間を結集し、偽ボリショイ交響楽団として再び表舞台へ!と思い立ってしまいます。そこからドタバタの奮闘劇があり、いくつかの謎を抱えたまま、ついにシャトレ座の舞台に立つことになるのですが…
とにかく12分22秒のラストの演奏シーンが超絶です。心を揺さぶられました。泣きました。音楽って素晴らしいですな…
をっと、例によって余計なネタバレ的な感想は下へ。予告編を挟んでおきます。
<映画『オーケストラ!』予告編(動画)>
さて若干ネタバレ有りです。
導入から中盤まではかなりコミカルな内容。「これなんてロシアン・ギャグ?」だなんて悩む事も多かったのです。がしかし、30年前絶頂期にあった楽団を襲った悲劇について。そして、何故ソリストは当代きってのスター・ソリスト、アンヌ=マリーでなければならないのか。何故曲目はチャイコフスキーの「ヴァイオリン協奏曲」でなければならないのか。それらの謎が明らかになるにつれ、ストーリーは急速に緊迫感を増してゆきます。そして舞台は渾身のラストシーンへ。チャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」の演奏シーン、爆発的な12分22秒で絶頂を迎えます。
ちなみに、その30年前の事件。共産主義時代のソビエト・プレジネフ政権下でボリショイ交響楽団からユダヤ人団員が排斥され、彼らを守ろうとしたロシア人も解雇された…これは史実なのだそうです。今作の監督ラデュ・ミヘイレアニュ氏も、チャウシェスク独裁のルーマニアから亡命した経歴を持つ方。やはり主人公とかぶります。そんな政治的にヘヴィな来歴を、あえてコメディタッチにしたところが、逆にラストへの疾走感を演出しているのかな、とも。
ちなみにちなみに、ヒロインのアンヌ=マリー・ジャケ役、メラニー・ロランは物凄い美人です。ラストでの天才ソリストぶりの美しい事…指揮者である主人公アンドレイと、目で語り、音楽で語るシーンはホント鳥肌もの。無言でありながらなんと雄弁なのか。そちらも見所です。
いやしかし、この演奏シーンにはホントに心を揺さぶられました。なぜだか涙が止まりません。この「ヴァイオリン協奏曲」は、音楽映画史上に残る名シーンなのではないでしょうか。本物の音楽というものは、まさに琴線に触れるものなのですね。
なんて言葉にしてしまうとヒジョーに陳腐になってしまうのですが。とにかく演奏シーンの説得力が凄まじいです。当方下賤の出自にて、クラシックのような高尚なものにはとんと疎いのですが、それでも深い感動を覚えざるをえませんでした。詳しい皆さん、素養を持たれる皆さんでしたらなおさらでしょう…ホントオススメです。
あ、でも題名は原題のままでよかったような…劇中では「Concert」がキーワードですしね。まそこはどうでもいいですか。
と言うことで、次は「アリス・イン・ワンダーランド」、「第9地区」、「タイタンの戦い」、「ダーリンは外国人」、「プレシャス」あたりでしょうかね。
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Posted at
2010/05/06 21:46:09