
<魅惑の泡>
先週土曜は毎月恒例のワイン会「Salon de Soleil(サロン・ド・ソレイユ)」にお邪魔して来ました。
場所は恵比寿のイタリアン「
リストランテ デッラ コリーナ」さんにて。
こちらはソムリエ・女優の竹本聡子さんが主催されるワインの会。
1時間ほどのワインについての講義、講義内容に沿ったワイン各種、そしてワインに合わせたコースが楽しめます。

<moremore!>
今回はザ・泡特集。
講義もワインもオール・スパークリングという、なんという贅沢空間…バブルのあの頃をちょっと思い出しました。
flickr 1012- Salon de Soleil Wine Class
御酒:1108 Salon de Soleil 35th ワイン会参加/泡沫のテンプテーション の事
御酒:1107 Salon de Soleil 34th ワイン会参加/次回は泡特集 の事
御酒:1106 Salon de Soleil 33th ワイン会参加/Visca! Espana! の事
御酒:1105 Salon de Soleil 32th ワイン会参加/Io amo LUCE! の事
御酒:1104 Salon de Soleil 31th ワイン会参加/イタリア南部 の事
御酒:1102 Salon de Soleil 30th ワイン会参加/イタリア中部 の事
御酒:1101 Salon de Soleil 29th ワイン会参加/イタリア北部 の事
御酒:1012 Salon de Soleil 28th ワイン会参加/フランス総集編 の事
竹本聡子先生 公式ブログ

<泡沫候補>
饗されたワインのリストは以下の通り。すべてスパークリングワイン。
・ヘンケル・トロッケン ロゼ NV(ノンビンテージ)
Henkell Trocken Rose NV
ドイツ ゼクト(モーゼル) ヘンケル&カンパニー(Henkell & CO)造
ガメイ、ピノ・ノワール シャルマ方式
「淡いサーモンピンクのロゼ。チェリーな果実香、バランス良好。」
・マス・フィ・カヴァ・ブリュット NV
Mas fi Cava Brut
スペイン D.O、カヴァ(ペネデス) ジョセフ・マサックス(Josep Masachs)造
チャレロ40%、マカベオ35%、パレリャーダ25% トラディショナル方式
「熟成長め、きめ細やかな泡、辛口爽やか。コスパ高し。」
・ルミエール・ペティヤン 2009
Lumiere Petillant 2009
日本 山梨 ルミエール(Lumiere)造
甲州100% メトード・アンセストラル方式
「日本を代表する老舗。ルミュアージュ・デゴルジュマンも手作業の丁寧な造り。09年は甲州種由来の薄スミレ色が美しい。そして美味しい。」
・ギブソン・スパークリング・メルロー NV
Gibson Sparkling Merlot
オーストラリア 南オーストラリア(バロッサ・ヴァレー)
メルロー87%、シラーズ11%、ムールヴェードル2% トラディショナル方式
「珍しい赤のスパークリング。柔らかい口当たり、程よいタンニンの余韻。引き締まった印象。」
・クリスタル 2004
Cristal 2004
フランス AOC(シャンパーニュ) ルイ・ロデレール(Luis Roederer)
ピノ・ノワール55%、シャルドネ45% トラディショナル方式
「言わずと知れた露帝アレクサンドル2世専用シャンパーニュ。全てに格別。透明感が段違い。ロマノフの薫り。」

<なんとなく>
毎度ながらすんばらしかったです。いやー夏はスパークリングですよ。
黄金のそして淡いピンクの土台に、細く糸引くように立ちのぼる細かい泡…まず美しさがMAX。
口当たりはもちろんしゅわっと最強。べたつく甘さのものは一本とてなく、ロゼにブリュットに甲州に赤と味わいのバリエーションも豊富。ナイスなセレクション。
うん、これは癖になります。危険です危険。主にお財布的に…(笑

<クリスタル>
そして、今回の目玉は何と言ってもルイ・ロデレールのクリスタル。
かのロマノフ王朝アレクサンドル2世専用オーダーメイド、そしてかのフレディ・マーキュリーも愛用したってすげぇ品だ(ft. 僕の宗教へようこそ by Kingshow)
ルイ・ロデレール社は1819年発足。家族経営を崩さず、190haの自社畑でブドウ必要量の八割をまかなう、シャンパーニュハウスとしては希有な老舗。
そのロデレール社のプレスティージュ・シャンパンがこのクリスタル。1876年、元来ロマノフ王家に生産量の三割を納めていたロデレール社に、時のツァーリー・アレクサンドル2世が、オレ様専用のシャンパンを造れとオーダー。
伝聞では、テーブルに並べた時に、それとすぐ分かるようなボトルで、というもの。そこで生まれたのが、品名の元でもあるクリスタル製の透明ボトル。テーブル上ではナフキンに巻かれて並ぶので、ボトルそのものに特徴を付けた、と。見た目もゴージャスきわまりないです。

<フラットボトム>
一説には、暗殺を恐れた皇帝の意向もあったとか。
まずクリスタルは透明。毒物の混入による色の変化を見抜ける。一般のシャンパン用ガラスボトルは、澱をため内圧に耐えるため、ボトル底に深い窪みがあるもの。強度のあるクリスタル製にすることで、底をフラットにでき、爆発物や毒物の持ち込みを防止できる。等々。
現在ではクリスタルではなく、強化ガラス製になっていますが、透明の伝統は受け継いでいます。透明故の日光による劣化を防ぐため、イエローのセロファンに包まれ箱詰めされているのもまたオサレ。
なんて、蘊蓄をつらつら連ねたくなるような、そんな由緒正しき由縁の深き逸品だったのでした。
もちろん実力も格別。正調ゴールドな酒色に細かく繊細な泡が長く細くたちのぼり、一口含めば、ふくよかな舌触りに滑らかなのどごし。味わいはかなり骨太コッテリ。柑橘系の口当たりに濃い果実味。ほんのりとハニー&ナッツな後味…それでいて透明感が半端無いという。よくわかりませんがとにかく凄いとしか。
ゲスな話で申し訳ないのですが、お代はネットで安くて20〜30K。聞くところによると、銀座でお願いすると85Kだったり…まー、私の人生ではこの先またお逢いすることもないでしょうけども(笑
それだけに素晴らしい体験でした。そしてそんなすんばらしいものを、なぜか私の所だけおかわりが4回も来て頂いてしまって…なんでだろ?つうか有り難すぎます。


<デ・ラ!>
お食事も抜群。そこは定評のあるデ・ラ・コリーナさん。
アンティパストはタスマニアサーモンのカルパッチョにイタリアンハム盛り合わせ、カプレーゼ。お皿が素敵。
プリモはペスカトーレ・ビアンコ。贅沢アカザエビの甘味が横溢。


<コリーナ!>
セコンドはミラノ風チキンソテー。皮がぱりぱりでジューシィ極まります。ドルチェのバナナティラミスまで美事。
毎度素晴らしいイタリアン。そしてサービスも最高。店員さんが必要以上にイケメン揃いで。そちらの御用向きにもピッタリでありましょう。コストパフォーマンスも抜群で、特にランチのお得さは特筆だとか。オススメのお店です。
ということで、次回は9月10日(土)。
近年のニューメインストリーム・カリフォルニアワイン特集。場所は愛宕のJ.H.V.さん。
カリフォルニアもいいですよね…ってどこでもイイって言っているような気もしますが、ホントにイイと思います。最近では完全にブランド化してますし。興味深い&美味しいと思いますですよ。
flickr 1012- Salon de Soleil Wine Class
御酒:1108 Salon de Soleil 35th ワイン会参加/泡沫のテンプテーション の事
御酒:1107 Salon de Soleil 34th ワイン会参加/次回は泡特集 の事
御酒:1106 Salon de Soleil 33th ワイン会参加/Visca! Espana! の事
御酒:1105 Salon de Soleil 32th ワイン会参加/Io amo LUCE! の事
御酒:1104 Salon de Soleil 31th ワイン会参加/イタリア南部 の事
御酒:1102 Salon de Soleil 30th ワイン会参加/イタリア中部 の事
御酒:1101 Salon de Soleil 29th ワイン会参加/イタリア北部 の事
御酒:1012 Salon de Soleil 28th ワイン会参加/フランス総集編 の事
竹本聡子先生 公式ブログ

<ボーノー>
最後にちょこっとスパークリングワインについての覚書を。
スパークリングワインとは、発泡性、ワイン内に二酸化炭素が溶けこんだワイン。一般に20°で3気圧以上のガス圧を持つもの。
起源は17世紀半ば。フランス・シャンパーニュ地方ベネディクト派僧院の出納係、ドン・ペリニョン司祭による発見。
寒冷なシャンパーニュ地方ではスティル(通常)ワインの製造中、発酵が途中で止まってしまうことが多かった。その状態で瓶詰めをしてしまい、季節が暖かくなると瓶内の未発酵成分が発酵を再開、二酸化炭素が発生。内圧に負けた瓶が割れる事例が多発。残ったワインをなめてみると、発泡している&割と美味しい…シャンパンのはじまりはじまり、と言う。
ちなみにモ・エ・シャンドン社のドンペリは、このドン・ペリニョンさんの名前です。ちなみにちなみに、「シャンパン」はスパークリングワイン内の一形態で、フランス・シャンパーニュ地方産の一定の厳しい基準に準拠したものを指します。
各国でのスパークリングの呼び名は、フランスではヴァン・ムスー(シャンパーニュ(特)、クレマン(特)、ペティヤン(微))。イタリア、スプマンテ(スプマンテ・クラシコ(特)、フリザンテ(微))。スペイン、エスプモーソ(カヴァ(特))、ドイツ、シャウムヴァイン(ゼクト(特)、ペルルヴァイン(微))。
(特)は特定の地方製法に規定のある高級スパークリング。(微)はガス圧低めの微発泡です。
製法としては5つ。
トラディショナル方式。瓶内二次発酵製法、スティルワインを瓶に詰め、糖分と酵母を加えて密閉、瓶内で発酵させ二酸化炭素の泡を得るもの。発酵後も熟成澱引きが必要。手間がかかるが風味も増す、シャンパーニュなど高級品の製法
シャルマ方式。瓶内二次発酵の工程を大きな密閉耐圧タンクで代替するもの。コスト低下、大量生産が可能。ガス圧などはトラディショナルに劣る。
トランスファー方式。瓶内二次発酵後の行程を加圧式タンクで代替。トラディショナルより簡便、シャルマ方式より高品質。
メトード・アンセストラル方式。アルコール発酵が終わっていないワインを冷却し発酵を止め瓶詰め。瓶内で発酵を再開するもの。二次発酵無しの瓶内発酵。ドン・ペリニョンさんの見つけたアレと同じ、古典的製法。弱発泡でムラが出やすい。
炭酸ガス注入方式。スティルワインに炭酸ガスを注入。安い。

<蜂蜜色の誘惑>
そして世界の高級スパークリング。フランスは言わずと知れたシャンパーニュ。「収穫(ヴァンダンジュ)」も手摘み、「圧搾(プレスラージュ)」も丁寧かつ少量(4tのブドウから2.55klのみ搾汁)。「調合(アッサンブラージュ)」で原酒をブレンドし各メゾンの特色を作成。「ティラージュ(蔗糖と酵母添加)」し瓶詰め。
「瓶内二次発酵」後は熟成期間最低15ヶ月(ノン・ヴィンテージ)もしくは36ヶ月(ヴィンテージ)が必要。発酵中も「動瓶(ルミュアージュ)」、5〜6週間に渡り、瓶を静かに揺らしながら回転、ピュピトル(滓下げ台)に口を下に並べ、滓を瓶口に集める作業が必要。発酵終了後は「滓抜き(デゴルジュマン)」。滓のたまった瓶口をマイナス20℃に凍らせ、開栓。内圧で滓を含んだ凍ったワインの一部が噴出、滓を取り除く。
その後もリキュール(糖分)を添加し「味の調整(ドサージュ)」をし、「打栓(ブシャージュ)」、「ラベル貼り(アビアージュ)」してようやく出荷ができるように。この間最低3年。この手間を考えれば、シャンパンのあの値段にも頷けようと言うものですな。大吟醸の製法を知った時の割安感を思い出します。
シャンパンにも「ノン・ヴィンテージ(複数年アッサンブラージュ)」、「ヴィンテージ(好出来年単年長熟)」、「プレステージ(特製メゾン最高級ブランド)」が。順番に高いです。つうか倍々です。
プレステージには、今回のルイ・ロデレールのクリスタルの他、モ・エ・シャンドンのドン・ペリニョン、テタンジェのコント・ド・シャンパーニュ、ペリエ・ジュエのベル・エポック、クリュッグのクロ・デュ・メニルなど。当方はまだドンペリとクリスタルしか経験してません。あ、ベルエポはバブルの頃にレセプションでいただいたかな…でもあれはノーカン。だれかベルエポとコント、クロを呑ませてください。
ちなみに、シャンパンが一番美味しいのは「マグナムボトル(2本分1500ml)」のやつだそうです。
イタリアのフランチャコルタ、スペインのカヴァは、基本的にこのシャンパーニュ製法を踏襲した製品です。
同等の質でかつお安い。貧乏人にはこちらですね。特にカヴァにはお世話になっています。体感的にシャンパンの半額以下で行けますよ。
まざっとこんなところです。
そして終了後には別店で反省会まであったりして…
朧気な記憶に寄りますと、議題は「ウホッ!いい男」。短髪ゲーヒーマッチョはゲイに違いない。いやむしろ須らくゲイであるべしッッ!という結論が出ていた気がします。なるほど、嬉しい事言ってくれるじゃないの。男は度胸!なんでもためしてみるのさ…と言うことのなのでしょうか。
無論、私個人とはなんの関係もない議題であることは、言うまでもないでしょう。
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