アウディTTにお乗りのオーナー様からタイヤ交換の依頼が有りました。車両を中古で購入後、高速シミー(高速域の微振動)に悩まれていたのですが原因が分からず、仕方なく乗っていたとの事です。タイヤが摩耗して交換時期になりバーデンのブログを見てご来店されました。
交換するタイヤはミシュランPSSです。このタイヤはC3M製法で作られていてユニフォミティ的には抜群の真円度です。但し組み方にコツが要るので
ユニフォミティマッチングは必須です。
現状のユニフォミティを
GSP9700で測定します。

測定結果です。RFV(ラジアルフォースバリエーション)が130から190Nと今一つです。100Nを超えるとシミーが出やすくなりますので今回のシミーの原因はRFV不良だと思われます。
タイヤを外します。

ホイールのビードシート部を清掃します。

ピカピカに磨いた後にホイールのランナウトを測定します。

ホイールのローポイントにマーキングします。単純にローポイントと言っても奥が深く、インとアウトの位置関係を見て決定します。基本はローポイント1次のアウター側を重視します。
タイヤを組込み後ユニフォミティを測定します。

測定結果です。アッセンブリーのRFV(黄丸印)が100Nで重量バランスの狂いがイン12gアウト27gです。

タイヤのRFV1次ピーク(赤丸印)にマーキングします。位置的には約180度の位置です。
一旦タイヤを脱着して位相合わせを行い、リム組みしてユニフォミティを測定します。

アッセンブリーのRFVが25Nに低減しています。重量バランスはタイヤ位置を180度変えたのにほとんど変化無しです。これはPSSの重量バランスがほぼゼロという事です。

RFVを最小化してから重量のホイールバランスを1g単位で取ります。重量のバランスは後から取れますがRFV(剛性的真円度)は組み合わせでしか変えられません。

4本ともにRFVが35N以下になりました。RFV1次ピークを上死点にして装着します。

完成です。
測定結果です。
タイヤ、ホイール共に全く問題ありません。精度、真円度共に優秀です。
オーナー様には十分な慣らしをお願いして納車しました。
後日オーナー様より感想を頂きました。
”高速シミーで悩んでおりましたが、ならし運転も終わり高速シミー速度を超えてもブレは無く安定しております。タイヤもクワトロとの相性も良く、路面との密着感が有り、申し分ありません。車の性能を最大限発揮できており、満足しております。本当にいい提案を頂き、かつ完璧なマッチング技術に感謝しております。やって良かったです。”
シミーは完治したようで良かったです。TTの性能を最大限引き出せると思います。
お買い上げありがとうございました。
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ユニフォミティマッチング | 日記
Posted at
2015/05/24 17:48:34