タイヤ組込みのコツとは?その1 タイヤ組込みのコツとは?その2 からの続きです。
タイヤ交換(組付け)は機材だけ有れば誰でもできて性能は変わらないと思われていますが、(昔は私もそう思っていました)ユニフォミティテスター
GSP9700を導入してから色々なタイヤ、ホイールを測定してみて、やはりタイヤ、ホイールにより
ユニフォミティマッチングをしなくても、組込み方で大きく真円度が変わることが分かってきました。
一部のタイヤ職人さんは長年の経験で真円度を高める技を使っていますが、勘に頼らずに(一部分ですが)定量的に分析できる事の意義は大変大きいと思います。
組込み方だけでどの程度真円度が違うのか実験してみたいと思います。
クランケは誰が組んでも真円が出やすい膨出ヒールを備えたブリヂストンVRXです。
膨出ヒール詳細は
特開平7-81334 車輪ユニフォミティに優れる空気入りタイヤ を参照ください。組込みのコツのヒントが満載です。
ユニフォミティマッチングを実施してから、通常のリム組み工程でユニフォミティを測定します。
測定結果です。赤丸が、重量のバランスの狂いです。2面バランスなのでインナーとアウターの2か所です。黄色い丸がRFVです。60Nです。
詳細です。赤い丸がタイヤホイールアッセンブリーのRFV(60N)で、青い丸がホイールのランナウトから計算したタイヤ単体のRFV(70N)です。黄色い丸がホイールのローポイントとタイヤのRFV1次ピークです。
測定後、一旦ビードを落としてから、タイヤホイールの位置は変えずに(位相合わせはせずに)企業秘密の技を使ってリム組みをしますが、普通の機材では出来ないです。
ユニフォミティマシンで再測定します。
測定結果です。重量バランスは7~9g変化していますこの事は、タイヤホイールの組込み位置は変えていないのに何かしらの要因で位置変化が起こっている事を表しています。
タイヤ屋さんでしたら、タイヤ交換後すぐにシミーやハンドルの振れが発生して、バランスを測定するとタイヤの位置はずれていないのに重量バランスが大きく狂っているような経験が有ると思いますが、上記が原因と考えられます。
特筆すべきはRFVが60Nから25Nに激減しています。
詳細です。タイヤホイールの位置が変わっていないのにRFVが半減しています。25Nは、荷重された状態の寸法で大体0.15mmとなります。
実験結果から、誰が組んでも真円が出やすいブリヂストンタイヤですら組込み時のバラつきが出てしまいます。
真円度を上げるにはホイールのビードシート部とタイヤのビードの篏合をいかに正確にするかが肝になって来ます。
特にミシュランタイヤはビードの精度が高く組込み時にコツが要る位シビアなのに対して、ブリヂストンは誰が組んでも真円に成るような設計思想とメーカーによって考え方が違うのが面白いです。
廉価なタイヤやホイールはこの当たりの寸法精度が悪く、大きな荷重が掛かった場合タイヤやホイールがずれる事も有りますのでご注意ください。
Posted at 2014/02/24 11:14:16 | |
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