JLRのプレミアムモデルフェアに招待状を頂いて,伺いました.
レザー,ウッドとクロームのフェチであるもげぇさんと「昨今のプレミアムモデルにおけるレザー,ウッド,メタルパーツの品質について」の勉強会です(笑).
まずはトップモデルに触れることで,「現在のいわゆる高級とされるレベルのレザー」についての知識を深めます.こちらはレンジローバー・オートバイオグラフィ・ダイナミックのロングホイールベース.お値段は多彩なオプションが盛られておりまして,確か2600万円ほど(滝汗).
このモデルではエクステンデッドレザーとなっており,天井全面にはじまり,ダッシュボード,ドアの上から下まで,すべてレザー仕様.ちなみにレンジのオートバイオグラフィーとジャガーの最高級グレードはブリッジ・オブ・ウィアー社のセミアニリン・レザーを使用しているそうです.
座ってみるとまずはその柔らかく,しっとりとしたレザーの感触が印象的.やはりキズはつきやすそう.しかしシートでも側面はやや硬めのレザーが使用され,触った感触もすべすべ感がやや少ない感じ.ドアの上面はシート座面よりは少しだけ硬く,肌触りもわずかにあらい.天井はややぬめっとした感じのレザー.ドアやシートの下の部分は上よりも硬めのレザー.
これらのことから,あらゆる部位に最高級のレザーをふんだんに,というより,人に直に触れる部分が最も柔らかく,その次に手の触れる部分,目で見るだけの部分,ほぼ眼に入らない部分など,部位によってその厚さなどが吟味されている感じでした.機能的でもあり,またある意味ではコストについても考えられている可能性もありそう?と言うことかもしれませんが,どうなのでしょうか.
ウッドはストレートな木目のもの.ウォルナットもあったと思いますが,バーズアイ・メープルなんかの「この複雑な模様で左右対称だぜ!」系のは,確かなかったはず.今風でない,ということなんでしょうか.
2600万のクルマになれば,「目に見えるものはすべて本物の素材でできている」と当然思うのですが,どうもクロームについてはそうではないかもしれない?とのこと.
今日教わったのは,「触って冷たければ本物の金属,そうでなければプラのメッキ」ということ.ドア内張上面の部分,内側のドアノブはたしかに金属.しかし足下のメタルっぽく見える物はさわると冷たくなくて,あ〜もしかしてプラ?みたいな感じでした.こういう目で見ると,そこここにちりばめられているメッキパーツが,もしかして?と思えてきて,この値段でもコレかぁ…ロールス/ベントレークラスとの違いはこういう所なのかなぁ…と.
それにしても広大な後席.なんちゃってではない,本物のCEOや石油王のためのクルマ,と言う印象.自分がここにいたら,あまりに場違いすぎてゼッタイ居心地が悪く感じる自信あり(爆).
ちなみにデイムラーのコノリーレザーはコレよりもさらに吸い付くように滑らかだそうな.
コノリーレザー恐るべし(驚).
ついでレンジローバー・スポーツのこれもオートバイオ.座面については先ほどの本物レンジと同じ感じ.しかしウレタンが硬めで,そのためかレザーの印象も違ってしまいかねない感じ.こちらは1260万だけれども,座面についてはそれほどクオリティの差を感じなかった.しかし全体の高級感はLWBオートバイオとは段違い.
先の2台の後でイヴォークを見てしまうと,いたって普通のクルマ(汗).同じレンジローバーブランドか?と感じるくらい.ダッシュも縫い目があるだけでおそらく合成.ドアも上下とも樹脂.シートのレザーは硬めでざらつきもあり,いわゆる(一般的な)「レザー」.セミアニリン・レザーとの質感の差は,まさに資本主義(爆).レンジLWBオートバイオとの4倍の価格差をまざまざと見せつけてくれます.
イヴォークはこの価格帯であのデザインのレンジローバーを買うクルマ,でしょうね.自分の場合はむしろ花より団子というか,同じような装備で実用性とファミリーフレンドリーな内外装デザインを持つディスコ・スポーツに対して,同程度の対価を払うほうが魅力的かな,と感じています.
引き続きましてジャガーXJRへ.これに首相が乗る英国,粋ですねぇ…
レザーはこれもセミアニリン・レザーで先のレンジLWBと同じはずですが,なんとなく向こうの方が上質な革に感じられるのは不思議.やっぱりシートの硬さなんですかね…
ボディカラー白でご覧のカーボントリム,そしてブラックホイール.非常にドイツ的?
外観はノーブルな感じで走りっぷりは狂ってる,っていう意外性もいい気もしますが,流行らないですかね.
最後に嗅覚での印象を.
「クルマを鼻で楽しむ」というのを,今回体験しました.セミアニリン・レザーのレンジローバーLWBオートバイオは,まさにハンドバッグの香り.これぞ革製品という感じ.イヴォークのレザーになるとフツーのクルマのレザーの香り.というよりにおい,か? XJRは同じハンドバッグの香りがしつつも,少しレンジとは違いを感じました.カーボンパネルのせい?
そしてXFのR-Sportという,BMWでいうM-Sportと同じ「カッコがR風味」のパーシャルレザー,アルカンタラ仕様も置いてありましたが,樹脂っぽい人口的な,いわゆるフツーの新車の臭いで,豪華なレザー仕様の香りのあとでは「…あぁぁ…こうなっちゃうのかぁ…」と感じるまでになってました.
正直いままで経験したことのない世界で,このクラスを購入される方々は,ただの走行性能だけじゃなく,まさに五感でクルマを選ぶのだなぁ,という印象を持ちました.と同時に,レザーで全部覆われているのも高級だけど,手仕事の手間と技術を考えたら,やっぱり複雑な模様のウッドパネルが,バーンッ!って貼ってある昔のジャガー/デイムラーやベントレー/ロールスのあれって,すげー高級なんだなぁ,と改めて思った次第です.
クルマの各部の質感,触感,香りなどなど,内装は非常に奥が深いですねぇ.
ディーラーで内装の至る所を撫で撫でしながら臭いを嗅ぐ(爆)あやしいオッサンにはならないようにしたいと思います.
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Jaguar Land Rover | 日記
Posted at
2014/12/12 16:52:40