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紺ウサギのブログ一覧

2015年04月24日 イイね!

街で見かけたクルマ(番外編:Part2)・・・ティレル020・ホンダ

先々週の日曜日、モータースポーツジャパン2015に足を運んできた際、ナカジマ
レーシングのブースにてティレル020が飾られており、そうそう滅多に見ることも
ないのでちょっと捕獲ばしたとです(;´∀`)




こちらのマシンについて・・・

1991年シーズンのF1グランプリを戦った一台で、前年のティレル019に引き続き
フロントにアンへドラルウィング(通称:『コルセアウィング』)を採用し、タイヤも
ピレリを履き続け、左右のフロントサスペンションでダンパーとスプリングを共有
するモノショック方式を採用しておりましたが・・・



前年と違って、メインスポンサーに電気かみそりで(今は電動歯ブラシも)有名な
ブラウンが付き、エンジンは前年アイルトン・セナにドライバーズ、所属していた
マクラーレンにはコンストラクターズとWタイトルをもたらしたホンダのV10を獲得
するなど、かつて無いほどに資金面や戦力面での充実を図りました。

所属していた中嶋悟さんが前年の日本GPのインタビューにて、”来年はオレの
方が可能性は上がるから”
と仰っていましたが、確かにこれだけシッカリと準備
されていれば、期待したくなるのは無理もありませんね^^




そして1991年シーズンが開幕し、初戦のアメリカGPで中嶋選手が前年の同GP
より一つポジションを上げて5位フィニッシュ、同僚のステファノ・モデナ選手が
その前を行く4位でフィニッシュし、上々の滑り出しを見せましたが・・・


前年の019に搭載されていたカスタマー仕様のコスワースDFR
エンジンよりも重量が嵩んでリアヘビーなマシンになったために
アンダーステアに悩まされて、レギュレーション変更のアオリを
受けてフロントウィングの幅を縮小させられたため、フロントの
ダウンフォース不足に悩まされて、シーズン中にアンダーステア
対策でギアボックスケーシングを軽量化したことで、重量配分が
適正化されて速さが増したものの、引き換えにギアボックスに
トラブルを抱えてしまう有様でした・・・。


また、ピレリタイヤのグリップ力が無いことにもシーズンを通して
悩まされるなど、シーズン開幕前にはあれほど期待されていた
にもかかわらず、いざフタを開けてみたら両ドライバー合わせて
入賞4回に止まり、期待を大きく裏切る結果となりました。


そしてこの年で中嶋悟選手が現役を引退することに・・・つД`)・゚・。・゚゚・*:.。..。.:*・゚

どんな物事にも”if”はないことを理解した上でお話しさせていただきますが・・・

もしもホンダV10ではなく、(1年落ちでも構わないので)フォードHBエンジンを
獲得していたら・・・

エンジン自体がホンダのV10より軽量なので、上述のリアヘビー
&アンダーステアの問題は恐らく無かったろうし、ギアボックス
ケーシングに手を加える事もなかっただろうから、ギアボックス
トラブルに泣かされず完走率(及び入賞出来た可能性)がグンと
上がって、ベネトンやフェラーリと互角に戦えていたはずですし、
中嶋選手の選手生命ももう少し伸びていたでしょうね。


※1年落ちのフォードHBエンジンを獲得して参戦したジョーダングランプリが、
参戦初年度でしかも二戦級のドライバーしかいないチームとは思えない程の
活躍を見せていましたし。



後で調べて解ったことですが・・・

ティレル020自体がホンダV10エンジン搭載を前提に1から作り
込まれたモノではなく、V8エンジンを搭載していた前年の019の
改修仕様に過ぎなかったのでなおさら・・・(;´Д`)


そして翌1992年、ブラウンがスポンサーを降りてホンダが撤退したことで資金
面で苦しんだ為にニューマシンを開発する余裕がなく、020にイルモアエンジンを
積んだだけの状態でシーズンを戦いましたが・・・

同じくV10エンジンながら、ホンダよりも軽量だった事が幸いし、
重量バランスが改善されたばかりかギアボックスなど駆動系の
トラブルも無くなった事で、基本的には1年落ちのマシンながらも
意外と戦闘力を有し、かつては”壊し屋”でならしたアンドレア・
デ・チェザリス選手がその汚名を濯ぐようにしぶとく走った結果、
前年と同じく4度入賞したので、マシンの素性としてはなかなか
どうして悪いもんじゃなかったんですね!!



1991年〜92年のF1マシンのトレンドが、マクラーレンやフェラーリのように多少
大きくて重くてもエンジンパワーで物を言わすパワー追求型から、ウィリアムズや
ベネトン、あるいはジョーダンのようにエンジンパワーはそこそこでも空力や重量
バランスなどを重視したトータルバランス追求型に代わっていったわけで・・・

’91年シーズンに向けたティレルの選択が結果的に
誤りだったのはなんとも悔やまれます・・・。゚(゚´Д`゚)゚。

とは言え・・・


(ほんの少しでしかも果たせなかったけど)日本人ドライバーが日本のエンジンを
積んだF1マシンで、日本GPの表彰台に上がる夢をボクらに見させてくれただけ
でもヨシとせねばなりませんね(;´∀`)
Posted at 2015/04/24 22:57:39 | コメント(2) | トラックバック(0) | | 日記

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