
開戦の日、朝日新聞一面トップ下段に記された声明文(黒枠内)。
拡大図。

アジア解放を謳った箇所の抜粋。
大東亜戦争開戦にあたり、我が国は全世界に向けて其の意義・目的を発信されました。開戦の詔書や東条英機首相の演説文と精神は同じくするものであります。
決して此から世界制服をする等と云うものではありません。
逆に当時世界を支配していた欧米列強・白人勢力に対し、其の隷下にあえぐ国々の民を解放するとしたのであります。
大東亜戦争終結後に次々とアジア、続けてアフリカ諸国は独立を果たしました。
逆に連合国側はほとんどの植民地を失いました。
クラウゼヴィッツの戦争論には「戦争目的を達成した国が勝者である」とあります。
どちらが大東亜戦争に於ける本当の勝者か?其は言わずもがな、であります。
其では以下に読みやすく現代語訳、続けて原文を記して参ります。
帝国政府声明 午後 零時二十分發表】
恭しくも陛下より米英に対する宣戦の大詔が発せられたので、大日本帝国政府は国の内外に対し次の政府声明を発表する。東亜の安定を確保し、世界平和に貢献するのは、大日本帝国の不動の国是であり、それを実現するため大日本帝国は列国との友好を最優先してきた。しかしながら、蒋介石国民党政府は、いたずらに外国勢力と徒党を組んで、我が国に敵対し、その結果、支那事変の発生を見た。しかしながら、蒋介石の反発にも拘わらず、陛下の御威光により、大日本帝国陸海軍の向かうところに敵は無く、支那の重要拠点は、ことごとく大日本帝国陸海軍の占拠するところとなり、大日本帝国と志しをおなじくする人々により、南京に国民政府が樹立され、その支那国民政府と大日本帝国は、現在友好関係にあるのみならず、11ヶ国もの諸国が支那国民政府を支那に於ける正当政府として承認している。そして、これに敵対する蒋介石の重慶政権は、支那の奥地で無駄な抵抗を続けるのみとなってしまった。
こうしてようやく支那に平和が戻ろうとしている情況が出来つつあるのに、米英両国は東亜を永久に隷属的地位に置こうとする頑迷な態度を改めていない。それどころか、米英両国は奸計を労して支那事変の終結を妨害し、オランダをそそのかし、フランスに脅威を与え、大日本帝国とタイ国との親交までも妨害してきた。その目的は、大日本帝国とこれら東亜の南方諸国との共存共栄の道を阻害することである。
こうした米英両国の動きは、大日本帝国を敵視し攻撃しようとするものであるが、今回
米英は「経済断交」と言う暴挙を行うに至った。
国家間において「経済断交」と言うのは、宣戦布告に匹敵する敵対行為であり、国家としてそれを黙認できるものではない。
しかも米英両国は、さらに他の国々を誘い込み、大日本帝国の周辺で武力を増強し、大日本帝国の自立に重大な脅威を与えている。
大日本帝国政府はこれまで、上に述べたよう米英が大日本帝国の存立と東亜諸国の安定とに対して重大な脅威を与えて来ているにもかかわらず、太平洋の平和を維持し、全人類に戦禍の波及することがないよう堪忍自重し、米国と外交交渉を重ね、背後にいる英国並びに米英両国に附和雷同する諸国に反省を求め、大日本帝国の生存と権威の許す限り、互譲の精神をもって事態の平和的解決に努めてきた。
しかし、米国はいたずらに空虚なる原則を弄び、東亜諸国の現実を認めず、大日本帝国の真の国力を悟ろうともせず、武力による脅威を増大させ、大日本帝国を屈服させようとしてきた。その結果、大日本帝国は、平和的解決手段を全て失う事となった。
東亜の安定と帝国の存立とは、今まさに危機に瀕している。それ故米国及び英国に対し宣戦の詔勅が発せられたのである。
詔勅を承り、まことに恐懼感激に堪えないものがある。
帝国臣民は、一億鉄石の団結で決起勇躍し、国家の総力を挙げて戦い、東亜の禍根(白人支配)を永久に排除、聖旨にこたえ奉るべき状況となった。
世界各国が各々その所を得るべしと言う詔勅は、日星の如く明らかである。
大日本帝国が日満華三国の提携によって共栄の実を挙げ、進んで東亜諸国の興隆の基礎を築こうととしてきた方針は、もとより変るものではない。
また大日本帝国は、志を同じくするドイツ、イタリア両国と盟約し、世界平和の基調を糾すべく新秩序の建設に邁進する決意をますます強固にしている。
今回帝国は東南アジア地域に武力進攻せざるを得なくなったが、それは決して東南アジア住民に対して敵意を持つからではない。ただ、米英から東南アジア住民に対し加えられてきた暴政を排除し、東南アジアを白人によって植民地化される前の、明白なる本来在るべき姿へ戻し、ともに協力して繁栄することを願うからである。大日本帝国は東南アジアの住民たちがこの戦争目的を了解し、東亜に新たなる政治経済体制の構築を目差し共に行動することを疑わない。
今や大日本帝国と東亜の興廃は、この一挙にかかることとなった。全国民は、このたびの戦いの原因と使命に深く思いを馳せ、けっして驕ることなく、また怠ることなく、よく尽くし、よく耐え、それによって私たちの祖先の遺風を顕彰し、困難にあったら必ず国家興隆の基を築いた父祖の光栄ある歴史と業績と雄渾深遠なる陛下の統治を思い、万事にわたってソツがないようにすることを誓い、進んで戦争の目的を完遂し、陛下の御心を永遠に安んじ奉ることを期待する。
帝国政府声明・原文
【帝国政府声明 午後 零時二十分發表】
恭(やうやし)く宣戦の大詔(たいしょう)を奉戴(ほうたい)し茲(ここ)に中外に宣明す、抑抑(そもそも)東亞の安定を確保し、世界平和に貢獻するは、帝國不動の國是にして、列国との友誼(ゆうぎ)を敦くして此の国是の完遂を図るには、帝國が以(もっ)て国交の要義と為す所なり。然るに、曩(さき)に中華民国は、我真意を解せず、徒に外を恃(たの)んで、帝國に挑戦し来たり、支那事変の発生を見るに至りたるが、御稜威(ごりょうい)の下り、皇軍の向かう所敵なく、既に支那は、重要地点悉く我手に帰し、同憂具眼の士国民政府を更新して帝國は之と善隣の誼を結び、友好列国の国民政府を承認するもの已に十一箇国の多きに及び、今や重慶政権は、奥地に残存して無益の抗戦を続くるに過ぎず、然れども米英両国は東亞を永久に隷属的地位に置かんと頑迷なる態度を新たむるを欲せず、百方支那事変の収結を妨碍(ぼうがい)し、更に蘭印を脅威し、帝國と泰国との親交を裂かむがため、策動至らざるなし、仍(じょう)ち帝國と之等南方諸邦との間に共栄の関係を增進せむとする自然的要求を阻害するに寧日(ねいじつ)なし、その状恰も帝國を敵視し帝國に対する計画的攻撃を実施しつつあるものの如く、遂に無道にも、経済断交の挙に出づるに至れり、凡そ交戦関係にあらざる国家間における経済断交は武力に依る挑戦に比すべき敵対行為いして、それ自體默過し得ざる所とす、然も両国は更に與国を誘引して帝國の四辺に武力を増強し、帝國の存立に重大なる脅威を加ふるに至れり
帝國政府は、太平洋の平和を維持し、以(もっ)て全人類に戦禍の波及するを防止せんことを願念し、叙上の如く帝國の存立と東亞の安定とに対する脅威の激甚なるものあるに拘わらず、隠忍自重八箇月の久しきに亙(わた)り、米国との間に外交交渉を重ね、米国とその背後にある英国並びに此等両国に付和する諸邦の反省を求め、帝國の生存と権威との許す限り、互譲の精神を以て事態の平和的解決に努め、盡し、為す可きを盡くしたり、然るに米国は、徒に架空の原則を弄して東亞の明々白々たる現実を認めず、との物的勢力を恃みて帝國の真の国力を悟らず、與国(よこく)とともに露はに武力の脅威を増大し、もって帝國を屈従し得べしとなす、かくて平和的手段により、米国ならびに與国に対する関係を調整し、相携へて太平洋の平和を維持せむとする希望を方途とは全く失われ、東亞の安定と帝國の存立とは方に危殆に瀕(ひん)せり、事茲にに至る、遂に米国及び英国に対し宣戦の大詔は渙発せられたり、聖旨を奉体して洵(まこと)に恐懼感激に堪えず、我等臣民一億鐵石の団結を以て蹶起勇躍し、国家の総力を挙げて征戦のの事に従ひ、以て東亞の禍根を永久に芟除し聖旨に応へ奉るべきの秋なり
惟に世界万邦をして各各その處を得しむるの大詔は、炳(へい)として日星の如く、帝國が日満華三国の提携に依り、共栄の実を挙げ、進んで東亞興隆の基礎を築かくとするの方針は、固より渝(わ)る所なく、又帝國と志向を同じうとする独伊両国と盟約して、世界平和の基調を劃し、新秩序の建設に邁進するの決意は、益々牢固たるものあり、而して、今次帝國が南方諸地域に対し、新たに行動を起すの已むを得ざるに至る、何等その住民に対し敵意を有するにあらず、只米英の暴政を排除して東亞を明朗本然の姿に復し、相携へて共栄の楽を頒たんと冀念するに外ならず、帝國は之等住民が、我が真意を諒解し、帝國と共に、東亞の新天地に新たなる発足を期すべきを信じて疑わざるものなり、今や皇国の隆替、東亞の興廃は此の一挙に懸れり、全国民は今次征戦の淵源と使命とに深く致し、苟も驕ることなく、また怠る事なく、克く竭し克く耐へ、我等祖先の遺風を顕彰し、難関を逢ふや必ず国家興隆の基を啓きし我等祖先の赫赫たる史跡を仰ぎ、雄渾深遠なる皇謨の翼賛に萬遺憾泣きを誓い、進んで征戦の目的を完遂し、以て聖慮を永遠に安んじ奉らむことを期じさるべからず。
Posted at 2019/12/09 21:36:13 | |
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