
<やっぱり赤が好き>
110122(土)。毎月恒例のワイン会「Salon de Soleil(サロン・ド・ソレイユ)」にお邪魔して来ました。
ソムリエ・女優の竹本聡子さんが主催される会で、今回のテーマはイタリア北部。場所は自由が丘の南仏家庭料理「ラ・プティットメゾン」さんにて。
1時間ほどの講義の後、厳選されたワイン各種が、素敵なイタリアンのコースにマリアージュされました。
flickr 1012- Salon de Soleil Wine Class
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竹本聡子先生 公式ブログ
食事に先立ち、ワインについての講義が1時間ほど。立派なレジュメ付きで非常に興味深いものです。
講義の内容を下にさらっと小さくおさらいしておきます。
イタリアはフランスに匹敵するワイン大国。生産量は4500万hl、年間消費量44L。紀元前800年頃からワインの醸造が始まり、国土のどこでも葡萄が育つことから、「エノトリーア・テルス Enotoria Tellus (ワインの大地)」と呼ばれる。
イタリアのワイン法、「DOC(Donominazione di Origine Controllata)」は1963年に制定。上から、D.O.C.G(統制保証付原産地呼称ワイン)、D.O.C(統制原産地呼称ワイン)、I.G.T(地域特性表示ワイン)、V.d.T(テーブルワイン)の四つ。ただし、フランスほどには統制されているわけではなく、格付けの高さがワインの質・価格に反映されているわけではない。
昨今話題の「スーパートスカーナ」などは、敢えてワイン法をの縛りを離れ、独自の製法で質の高いワインを生産している。総称して「スーパーV.d.T」とも。サッシカイア、ソライア、モルモレート、ティニャネッロ、ルーチェなど。一度だけ呑んだルーチェは、まさに太陽を呑むが如くの鮮烈な体験でした…でも高かった……
イタリアの国土は、南北約1200km、北緯37度〜47度に位置。亜熱帯地中海式気候にて冬季温暖・夏季小雨。葡萄の栽培に適す。
産地的には、北部イタリア(ヴァッレ・ダオスタ州、ピエモンテ州、ロンバルディア州、トレンティーノ州、ヴェネト州、フリウリ州)、中部イタリア(リグーリア州、エミリア・ロマーニャ州、トスカーナ州、ウンブリア州、マルケ州、ラツィオ州、アブルッツォ州、モリーゼ州)、南部イタリア(カンパーニャ州、バジリカータ州、カラブリア州、プーリア州、シチリア州、サルデーニャ州)の三つに分かれる。
今回扱う北部イタリアの各州の特徴は以下の通り。
「ヴァッレ・ダオスタ州」。イタリア最西北、スイスとフランスに国境を接する。急斜面の段々畑で葡萄が栽培され、生産量は少ないものの、個性のあるワインが作られる。
「ピエモンテ州」。アルプスの麓に位置し、「バローロ(ワインの王、王のワイン)」、「バルバレスコ(バローロの弟)」など、高級ワインの産地として知られる。
「ロンバルディア州」。ミラノを擁する。ワイン銘醸地としてはあまり目立たなかったが、近年発泡ワイン「フランチャコルタ」がシャンパーニュに匹敵するクオリティで人気。
「トレンティーノ アルト・アディジェ州」。イタリア最北部、オーストリアに接する。欧州一美しいと評される葡萄栽培地域。テロルデゴ種100%の「テロルデゴ ロタリアーノ(トレントの王子)」が知られる。
「ヴェネト州」。イタリアでも屈指の大生産地。赤ワインの「バルドリーノ」、「ヴァルポリチェッラ」、白ワインの「ソアヴェ」が有名。ヴェローナでは毎年4月にはワインの見本市「ヴィニタリー」が開かれる。
「フリウリ ヴェネツィア・ジューリア州」。イタリアでもっとも雨の多い州。少量生産・高品質志向。
イタリアはワイン用葡萄品種の多さも知られる。その数1000種以上。有名な品種だけでも、黒ブドウ、ネッビオーロ、ドルチェット、バルベーラ、コルヴィーナ・ヴェロネーゼ。白、アルネイス、コルテーゼ、モスカート、ガルガーネガ、ピノ・グリージョ。
尚、スーパートスカーナはフランス原産のカベルネ・ソーヴィニヨンを用いている。そのため、D.O.C法の範囲から外れる。
と、こんな所ですかね。当方、元来世界史専攻、当然言わずもがなのワイン好き。こういうのはホントに大好物。興味深いです。
しかもこれが、お美しい女優さんの、さらに涼やかなお声で聞ける、というヴァリューがございましてですね…ウヒヒ。ま変態的妄言はそこまでにしておいて…




<北伊の皆さん>
饗されたワインは、
・フランチャコルタ・ブリュット・ミレジマート 2006(スプマンテ)
Franciacorta Brut Millesimato 2006
ロンヴァルディア州、D.O.C.G、ヴィッラ(Villa)造、ビオロジック
シャルドネ、ピノ・ビアンコ、ピノ・ネロ
・カピテル・フォスカリーノ 2009(白)
Capitel Foscarino 2009
ヴェネト州、I.G.T、アンセルミ(Anselmi)造
ガルガーネガ主体、シャルドネ
・テロルデゴ・ロタリアーノ リゼルヴァ 2006(赤)
Teroldego Riserva Rotaliano 2006
トレンティーノ アルト・アディジェ州、D.O.C、メッツァコロナ(Mezzacorona)社
テロルデゴ100%
・バローロ 2005(赤)
Barolo 2005
ピエモンテ州、D.O.C.G、ガヤ(Gaja)造(イタリアワインの帝王)
ネッビオーロ100%
・モスカート・ダスティ 2009(甘口白微発泡)
Moscato d'Asti 2009
ピエモンテ州、D.O.C.G、サラッコ(Saracco)造
モスカート・ビアンコ100%
と言った所。
どれも厳選された特徴のある逸品ばかり。
「フランチャコルタ」は、製法としては瓶内二次発酵などシャンパーニュに準ずる手法。シャンパンは15か月のところ、通常のフランチャコルタは18か月熟成。さらに、ミレジマート(ヴィンテージを表示)は法定よりも長い30か月の熟成を要します。さらにヴィンテージを表示するということは、ぶどうの出来が悪い年には作らない、という徹底ぶり。このヴィッラはさらにビオロジック(無農薬無添加)。こだわってます。
「カピテル・フォスカリーノ」はヴェネト州の名白ワイン・ソアヴェの名作り手ロベルト・アンセルミの作。既存のソアヴェの縛りに満足できず、D.O.Cを脱退して、独自の製法を追求するこだわり。ステンレスタンクで6か月熟成され、ほぼ金色の濃厚な白に仕上がっていました。とろっとした口当たりが最高。
「テロルデゴ」は、「トレントの王子」と呼ばれるトレンティーノ州の名ワイン。この地区だけで生産させるテロルデゴ種のみで作られます。リゼルヴァはその中でもフレンチオーク樽で2年、オーク樽で1年、さらに瓶内熟成1年のスペシャルメイド。しっかりしたフルボディながら、ぱっと華やかな印象を受けます。3000円代で買えるそうで、これはオススメです。ラベルもおしゃれ。
「モスカート・ダスティ」は微発泡のデザートワイン。安いアスティ・スプマンテあたりですと、若干その甘さがくどかったりするのですが、これはそのいやな癖無し。爽やかなマスカットの香りと共にフレッシュなのどごしが楽しめました。聞けばサラッコはモスカートの手本と呼ばれる造り手とのこと。さすがです。

<Gajaなんじゃ>
しかし、今回はなんつっても「バローロ」です。私の拙いワイン経験内でも、一番好きなワインでして。しかも作り手がかの「ガヤ(Gaja)」。「イタリアワインの帝王」イタリア最高の造り手です。
ENOTECA ONLINE 【イタリア】GAJA(ガヤ)
その味はとにかく濃厚豊潤。エレガントなタンニン、華やかなアロマ、なめらかなのどごし。後味はふわっと広がる独特のミントのような爽やかさがあって…もう死んでもいい(笑
ここだけのお話し、仕入れ値でも諭吉さんの出番で、お店でお願いしたらもう大変…今回はソムリエさん大奮発です。プロの方のご意見ですと、2005ヴィンテージということで、できればあと5年寝かせば、さらに花開く、とのことでした。うーん、ワインは奥が深うございますな……是非その頃にまたお手合わせ願いたいものです。




<イタリア最高!>
お料理ももちろん北イタリアの名産品勢揃い。
ピエモンテ発祥「バーニャ・カウダ」、イタリアのマンマの味「ミネストローネ」、その名もずばり「ミラノ風カツレツ」。野菜たっぷり、素材の味をストレートに生かした料理が多いのが、和食に通じるところもあり、我々には嬉しいですね。久しぶりのカツレツもざくじゅわっとベストな上がり具合でナイスでした。
デザートのチョコシューも、ホロ苦系のソースで美味…やっぱりイタリア最高!(笑

<いいコルク>
最後に教えていただいたトリビアを。
昨今のコルクと言えばポルトガル産がメイン。そちらも安価で良いのですが、このガヤのバローロにはイタリア・サルディーニャ島産のコルクが使われています。ワイン用コルクには耐久性と密度と通気性が求められ、サルディーニャ産はそこが優れているとのこと。他のワインのポルトガル・コルクと比べてみたのですが、たしかに別物でした。キュッと握った感じのしなやかさが違います。これはいいコルクだー(笑
ということで、次回は2/19。場所は赤坂、講義・ワイン・料理込みで12kです。
当方は早速予約させていただきました。
あ、ちなみにお店の店内は結構薄暗く、かつ恥知らずにも進められるままにガバガバ良いワインをあおるバカが撮ったにもかかわらず、ノーフラッシュでまあまあの絵が撮れておりました。やはりG12さんの高感度性能はあなどれず。いやむしろソニーさんの新CCDの力か…
ま、いずれにせよ、PowerShot系の操作性も併せ、使い勝手の良いカメラであることは間違いありませんです。
D
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Posted at
2011/01/28 13:32:27